中小路市長の雑感日記(令和3年度バックナンバー)
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3年度の雑感日記(ページリンク)
1月21日 就任から7年~Stay Hungry, stay Foolish
6月25日 6月定例会閉会~新型コロナ対策補正予算が可決・成立
6月18日 新型コロナワクチン接種について:議会の一般質問を終えて
3月25日 いろは呑龍トンネル 暫定供用開始
大量の雨水を呑み込む「龍」の存在をご存知だろうか?
その名を「呑龍(どんりゅう)」と言う。
3月21日、通称『いろは呑龍トンネル南幹線・呑龍ポンプ場』の供用開始記念式典が洛西浄化センターで行われた。
浸水被害に悩まされてきた、京都市、向日市、長岡京市にまたがる桂川右岸地域において、大雨の際の大量の雨水を地下トンネルに整備した幹線管渠に貯留し、最下流にある洛西浄化センター内に整備したポンプで桂川へ放流することにより浸水被害を防ごうとするもので、平成7年度から京都府が事業主体となり進めてきた。貯留幹線の全長は約9.0km、貯留量は約24万㎥(25mプール800杯分)という大プロジェクトだ。
既に、向日市域の北幹線は平成23年に供用が開始されており、平成25年の台風18号の際には、およそ800戸の浸水被害を防ぐなど大きな効果を発揮している。
今回、南幹線の暫定供用開始により、いよいよ私たちの長岡京市域でもその効果が現れ始めるほか、呑龍ポンプ場の整備により、桂川へ雨水を放流しながらの貯留が可能となりその機能がフル稼働することとなる。
現在は、まだ暫定供用ということで、長岡京市のJR以東全域や西山天王山駅周辺を含む計画排水区域全体で機能を発揮するためには、本市が進めている接続工事等を着実に進めていくことが求められており、先日、議会で可決いただいた令和4年度予算においても、関連事業費を計上している。
地下に存在する雨水貯留幹線は、なかなか普段目にすることのない施設ではあるが、私たちの暮らしの安心安全を支える重要な施設だ。
雨が降った時、私たちの足元に住まう頼もしい「龍」の存在に、少しだけ思いをはせて頂ければ幸いに思う。
いろは呑龍トンネル全体計画図
3月18日 長岡京市議会3月定例会
2月18日に開会した長岡京市議会3月定例会も、予算審査常任委員会小委員会での総括質疑を終え、連休明けの22日に閉会日を迎える。
新型コロナウイルスの第6波がなかなか収束をしない中、コロナへの対応等と並行しながらの議会でもあり、職員の皆さんもご苦労頂いたかと思う。
ほぼ時期を同じくして、まん延防止等重点措置の適用も全国的に解除されそうだ。この間の市民の皆さんのご理解とご協力に心より感謝申し上げたい。
今定例会では、来年度の一般会計予算案を含む予算関連議案などを提案している。
主な内容としては下記のような項目となっている。1.新型コロナウイルス感染症対策
ワクチン接種の推進ほか、福祉事業者・商工業者に対する感染発生時の事業継続支援、電子クーポン事業による消費喚起など
2.市制施行50周年~継承と発展~
特別記念事業・関連事業に加え、2050年ゼロカーボンシティ宣言に伴う事業費、(仮称)自治振興条例や(仮称)中小企業振興条例の検討経費、文化財保存活用計画の関連経費など3.市庁舎整備と市役所業務のデジタル化
1期目庁舎の供用開始に向けた事業費と併せ、行政手続きや窓口機能の向上などのデジタル化関連経費、市役所業務のデジタルワークスタイルの推進経費など
4.まちの新陳代謝の加速
6月の京都済生会病院の移転開業への対応と公共交通の維持を目指したはっぴぃバスの3ルート化やバス定期券等購入補助金の創設、阪急長岡天神駅周辺整備事業の推進、JR長岡京駅東口駅前広場のリニューアルなど
5.安全で快適な教育環境の整備推進
長四小の建て替え整備事業、長九小給食室・放課後児童クラブ整備や児童生徒数の増加への対応、小中学校の特別教室への空調整備など
一般会計の総額は約340億3,300万円で過去最大の規模となる。
内容からも分かるように、新型コロナ対策にかかる経費に加え、市制50周年を迎える中で、まちの新陳代謝を進めるための新庁舎の整備や小学校の建て替え等の投資的事業の増加が、予算の全体規模を押しあげる形となっている。
投資的経費の増加は、公債費(市債の償還費用)というかたちで後年度の負担としてあらわれる。より一層、長期的な視点での財政運営が求められており、その点を意識しながらの予算編成としたところだ。
予算関連の議案を含め、週明けの議会での採決を待ちたい。
3月11日 東日本大震災から11年
心理学者の河合隼雄先生の『こころの処方箋(新潮文庫)』に次のようなエピソードがある。
少し、長いが引用させていただく。
何人かの人が漁船で海釣りに出かけ、夢中になっているうちに、みるみる夕闇が迫り暗くなってしまった。あわてて帰りかけたが潮の流れが変わったのか混乱してしまって、方角がわからなくなり、そのうち暗闇になってしまい、都合の悪いことに月も出ない。必死になって灯をかかげて方角を知ろうとするが見当がつかない。
そのうち、一同のなかの知恵のある人が、灯を消せと言う。不思議に思いつつ気迫におされて消してしまうと、あたりは真の闇である。しかし、目がだんだんとなれてくると、まったくの闇と思っていたのに、遠くの方の浜の町の明りのために、そちらの方が、ぼうーと明るく見えてきた。そこで帰るべき方角がわかり無事に帰ってきた。(一部省略)
きっと、漆黒の暗闇の中でほのかに見える希望の明りを求めながらの歩みだったに違いない。
3月11日、あの東日本大震災から11年目が経った。
当時、津波による被災地の凄まじい現状を目の当たりにし、また、原子力発電所の事故の影響の甚大さと恐怖により、この先、果たしてこの国はどうなるのだろうといった不安の闇が私たちの心を覆い尽くした。
しかし、人間は強いものである。希望の灯が消えることはなかった。
被災地の方々の粘り強い忍耐とたゆまぬ努力の積み重ねにより、今、報じられる被災地の姿に、復興への力強い歩みを感じる。暗闇の中、それぞれがそれぞれの明りを目指してこられた結果だと思う。
今、私たちはコロナ禍という災厄の真っただ中にある。
自然災害とはまったく違ったものではあるが、ウイルスとの闘いは長期に渡り、この先への見通しもまだまだ明確には持ち得ない。心も暗くなりがちだ。
しかし、この暗い状況の中においても、しっかり目をこらしていれば、必ず希望の明りを見つけることができるはずだ。
あきらめず、明りを探し続ける勇気を持つこと。
それが、東日本大震災からの復興の歩みを進める被災者が私たちに与えてくれたメッセージなのではないだろうか。3月4日 (仮称)自治振興条例の検討
本市では、令和2年の秋から(仮称)自治振興条例の制定に向けた議論をすすめている。
この間、条例検討委員会の設置に加え、無作為抽出で選ばれた市民や自治会など担い手としてすでに活動されている方々で構成する「自分ごと化会議」を5回にわたり開催し、昨年12月に提案書が示された。
「自分ごと化会議」では、環境保全や防災・防犯、高齢者、子ども・子育てといったテーマについて、分科会に別れ、現状や課題、個人や地域、民間、行政それぞれが担い手としてできることは何か、などが議論されてきた。
新型コロナウイルスの感染拡大の状況などを受け、会議の開催日程が振り回されるなど、ご迷惑をおかけすることとなったが、熱心にご参加いただいた皆さんに、感謝と敬意を表したい。
今回の提案書の内容を受け、昨年12月から条例検討委員会が再開され、さる3月1日も第3回の委員会を開催。私も出席し、議論をお聞きさせていただいた。
今回の委員会では、いよいよ条例の骨子案が示された。
骨子案では、これまで「(仮称)自治振興条例」としてきた名称について、「長岡京市 豊かな共助と多様な連携をめざす条例」という案が提案されるなど、条例の目指す方向性が示された。
これは、一般に「自治」というと、団体「自治」や住民「自治」から「自治」会まで、とても幅広い対象が想定されるわけだが、今回の条例では「自治」の中でも特に「互助・共助」に焦点を当てていこうとするもの。「自分ごと化会議」の議論の中でも「自治会など地域コミュニティ(共助システム)の弱体化」への課題認識が示されてきたし、私自身が、条例制定を検討するにあたり申し上げてきた問題意識とも軌を一にするものだと思う。
検討委員会では、「共助の担い手づくりについてもっと書き込むべき」、「条例なのだからもっと市民に対して求める内容があってもよいのでは」といったご意見から、「あまり厳しく縛ると、余計に参加を阻害するのでは」、「そもそも互助・共助に対する市民の意識は共有できているのか」といったご意見まで、幅広く発言をいただいたが、互助・共助の仕組みをどうやってこの先維持していくのかという点においては、皆さんの思いは共通していたと思う。
今後、さらに検討委員会においても議論が深まることを期待している。
市制施行から50年という節目の年となる本年。
共助の仕組みは、次の50年も守り続けなければならない大切なものの一つだと思う。
今回の条例制定でその一歩を踏み出していきたいと思っている。(仮称)自治振興条例検討委員会のようす(令和4年3月1日)
2月25日 新型コロナウイルス 小児用ワクチン始まる
2月20日を期限としていたまん延防止等重点措置の期間が京都府においても、3月6日まで2週間延長されることとなった。
京都府の感染状況については、一日当たりの新規感染者数が2月9日の2,996人をピークに、一週間の移動平均でも12日以降、減少傾向にある。一方、医療の状況については、確保病床の使用率は一旦減少に転じたものの、再度上昇傾向にあり、特に高度重症病床については使用率が上昇している。また、2月に入っての死亡者数は24日現在、100名を数え過去最高を記録している。
こうした状況からも、全体の感染者数の増加に伴い高齢者の重症化が顕著になりつつある。
本市においても、一日当たりの新規感染者数は1月30日に110人という最高値を記録し、14日以降、一週間移動平均の値では減少しつつあるものの、まだまだ感染者数は高止まりしており、保健所や医療現場は厳しい状況が続いている。
第6波の大きな特徴の一つは、子ども、とりわけ小学生の感染が非常に多いところだ。
2月24日現在の長岡京市の感染者で見てみると、
新規感染者が2,437人で、そのうち市内の公立小中学校での感染児童・生徒数が506人(20.8%)。
さらに、そのうち小学生が410人(81.0%)と非常に高い割合となっている。
そうした中、厚生労働省において5歳から11歳の小児を対象としたファイザー社製ワクチンが承認されたことを受け、本市においても小児向けの集団接種がスタートとなる。
具体的な日時としては、
1回目:3月19日(土)・20日(日) 2回目:4月9日(土)・10日(日)
1回目:4月23日(土)・24日(日) 2回目:5月14日(土)・15日(日)
の日程で、会場はバンビオ1番館4階において実施をする。
詳細については、来週28日以降、ご案内が対象者のお手元に届く予定となっている。
また、小児用ワクチンの供給状況を見ながら、できる限り早い段階で医療機関での個別接種もスタートしたいと考えており、現在、乙訓医師会と協議を重ねている。
先ほど示したように、ワクチン接種を受けていない小学生での感染が非常に多いことから考えても、ワクチン接種による感染予防効果を推察することができる。
また、参考までに厚生労働省が示しているワクチン接種歴別の新規陽性者数(1/31-2/6)のデータでは、12歳から19歳の人口10万人あたり新規陽性者数を比較すると、未接種者が1043.0人に対して2回接種済では286.4人で、未接種者の感染者数が約3.6倍となっている。
一方で、本市における小中学生の感染者のうち入院に至るようなケースは報告されておらず、発症したとしても軽微な症状だ。
今回の接種については、予防接種法における努力義務については対象外となってはいるものの、接種による感染リスクの低減などのメリットとワクチン接種による副反応等のデメリットをよく比較検討していただいたうえで、ご判断賜りたい。
【参考】
・5~11歳の子どもへの接種(小児接種)について(厚生労働省ホームページ(別ウインドウで開く))
・新型コロナウイルス感染症に関する、小児の基礎疾患の考え方等について(日本小児科学会ホームページ(別ウインドウで開く))
2月18日 大転換の時代
今年は、長岡京市にとって市制施行50周年という節目の年を迎える。
昭和47年(1972年)、我が国の戦後復興、高度経済成長と歩調を合わせるように、着実に人口は伸び続け、1960年に1.5万人だった人口は、1970年代に入るといよいよ5万人を超え、市制がしかれることとなる。当時、 人口の急増に伴い、学校建設などに明け暮れた様子は、長岡京市史にも詳述されている。
では、その当時、世界情勢はどのようなものだったのか。俯瞰してみよう。
一言で言えば、それは戦後秩序が大転換する時代だったと言えるのではないだろうか。
71年には、二つのニクソン・ショックが起こる。戦後の金融市場の基本的枠組みであった金・ドル本位制が崩れると同時に、冷戦下の共産主義陣営にくさびを打ち込んだニクソン訪中による米中接近は、その後の国際情勢に大きな変化をもたらした。
また、大恐慌後のニューディール政策以後、社会経済政策において政府部門による公的関与が拡大した「大きな政府」志向が、社会保障費の増大による財政の硬直化や規制による民間企業の競争力低下といった事態に直面し修正を迫られ始めるのもこのころだ。1980年代以降、新自由主義が拡大していく萌芽はすでにあった。
ほかにも、オイルショックは世界全体にエネルギー政策の大幅な見直しを迫ったし、ローマクラブが「成長の限界」を発表し環境問題に関心が高まり始めたのもこの時代だ。
そして、それから50年を経たいま、私たちは、また同じような大転換の時代に立っている。
新型コロナウイルスによるパンデミックは、私たちの暮らしを支える社会や経済のあり方に大きな変化を迫っている。
デジタルやネットワーク技術の発展は、産業構造の変化を促し、暮らしのみならず労働のあり方にも大きな影響を及ぼし始めている。
様々なひずみを伴いながら拡大を続ける格差の問題は、資本主義だけではなく民主主義にも修正を迫るのかもしれない。
気候変動への対処は、70年代の石油危機に匹敵するくらいの行動変革を企業や消費者に求めるだろう。
国際秩序の変化もまた、私たちの暮らしの安定を脅かす可能性を秘めている。
そうした状況のなか、私たち長岡京市は50年という節目を迎え、100年に向けた次の50年の一歩を踏み出すこととなる。
世界という尺度から見れば、ほんのちっぽけな長岡京市かもしれないが、こうした大きな変化の濁流の波は、容赦なく私たちに襲い掛かってくるだろう。
さて、私たちはどんな未来を創っていくのだろうか。いまだからこそ、考えてみる価値はある。2月4日 AGANAI 地下鉄サリン事件と私
映画『AGANAI 地下鉄サリン事件と私』を観た。
監督のさかはらあつしさんは、長岡京市出身で、映画制作や経営コンサルタントとしても活躍されている。
初めて手掛けられた長編ドキュメンタリーAGANAIは、世界各地の映画祭に招待され高い評価を受けている。今回、京都ヒストリカ国際映画祭でも上映されることとなり、お招きをいただき拝見させていただく機会を得た。映画の題材は、オウム真理教による地下鉄サリン事件。
実は、監督のさかはらさん自身が、当時、通勤途上で事件に遭遇した被害者で、今なお、後遺症にも悩んでおられる。
なぜあの事件は起きたのかを知りたい。そんな思いから、オウム真理教の後継団体であるAleph(アレフ)との交渉を開始。2015年に広報部長・荒木浩への取材へと漕ぎつける。事件から20年の歳月を経て、自分自身を傷つけた組織に未だに深く身を置く人間と対峙することとなる。映画は、二人が共通する故郷(丹波地方や京都大、長岡京市も登場する)を訪ね歩きながら重ねられる会話が軸となり進む。背景を知らなければ、二人はまるで、昔ながらの仲の良い友人同士のようだ。
教団の教義や暮らしぶりから、家族のこと、事件に対する思いなど核心を突く質問に対して、直向きに向き合うように答えようとする荒木氏の表情や言葉が印象に残る。映像の力だと思う。
一方的に、被害者が加害者(加害団体)を糾弾するわけでもなく、一方の気持ちを代弁して同情を集めようとするわけではない。だからこそ、観るものは、どちらに対しても感情移入してしまうし、どちらの立場からも事件について考えさせられてしまうのだろう。
果たして贖罪はなされるのか。
既に風化した感のある地下鉄サリン事件だが、決してあの事件は終わってなどいない。
その根底にあるものは今も脈々と流れ続けているのだと思う。1月28日 がんばれ!松田颯選手!!
北京2022冬季オリンピックの開幕が2月4日に迫ってきた。
昨年の東京五輪に引き続き、コロナ禍での開催ということもあり、感染が拡大する中での対策や取り組み、人権状況をめぐる諸外国の外交ボイコットといった政治的な側面など、主役たるスポーツ以外の話題にとかく耳目も集まりがちではあるが、参加される選手の皆さんには、多くの人々に勇気を与えてくれる姿を大いに見せて欲しいと期待している。
また、トップクラスの選手が集う世界最高峰の大会が、そこで開催されるのだからこそ、選手の皆さんにとっても最高の環境で競技してもらえることを心より願っている。
私たち長岡京市民にとっても嬉しいニュースが舞い込んだ。
フリースタイルスキー男子モーグル競技において、本市出身の松田颯選手が代表選手として選出されることとなった。
松田選手は、現在22歳。神足小学校、長岡中学校を卒業後、長野県の高校に進学。その後、運動器ケアしまだ病院Snow Teamに所属し、全日本選手権での優勝だけでなく、ワールドカップなど世界を股にかけ活躍されている。
中学生の時から活躍しておられ、長岡中学校3年生の時(平成26年)には、全国大会等での優秀な成績により、本市スポーツ賞の「わかたけ賞」も受賞されている。
そして、今回、見事にオリンピックという夢の舞台へのチケットを手にされた。
そんな松田選手が出場する男子モーグル予選1回目は、開会式に先立つ2月3日(木曜日)日本時間午後8時45分から行われる。テレビ放映も予定されているようだ。
なお、決勝は2月5日(土曜日)午後8時30分より。
市民の皆さんには、ぜひとも松田選手へのご声援をよろしくお願い申し上げたい。
がんばれ!松田颯選手!!1月21日 就任から7年~Stay Hungry, stay Foolish
例えば、一年前の子どもの写真を見て、成長の早さを実感することがある。現在の姿と比べて、たった一年で驚くほどの変化だ。
子どもたちとは毎日顔を合わせるから、昨日と今日のわずかな変化には気付かない。そのほんの少しの変化も、一年分が積み重なると明らかな変化になる。
これが、遠方の親戚や友人の子どもであれば、一年ぶりに出会ったとき、一瞬でその変化に気づくことになるだろう。
このように、近しい人になればなるほど、変化に気づきにくいという命題が成立するのだとすれば、実は、最も変化に気づきにくいのは、自分自身の変化ということになるのかもしれない。
市長に就任させていただき7年が経過した。振り返ってみれば、あっという間だった気もするし、一つひとつの出来事を思い出せば、けっこう長かったような気もする。
いずれにせよ、多くの方々に支えていただき、励ましていただき、今日を迎えることができた。
すべての方々に、心より感謝申し上げたい。
気持ちのうえでは、就任以来今日まで、あまり自分自身は変化をしていないつもりではいるものの、意識していないのは自分だけで、実はいろんなことが変わってしまっているのかもしれない。7年前の自分との比較はなかなか容易ではないが、節目節目で、遠景より客観的に自分自身を見つめ直してみることは必要なことだと思う。
肉体的には、年々衰えを実感しつつある自覚からすれば、子どもの成長のベクトルとは真逆の方へ変化している悲しい現実は直視しなければならない。
一方、7年という年月に重ねさせていただいた市長という立場での多くの経験は、その是非は別として、自分自身の糧になっているし、少しは成長したという実感は自覚している。また、この間、仕事をしてきた成果が表れている面もあり、自信も少しは付いたかと思う。
ただ、成長や自信の自覚は、ともすれば現状に満足し、思考停止に陥ってしまうリスクを伴うものだ。
数々のイノベーションを起こしたapple社のスティーブ・ジョブズは、次の世代を担う変革者に向けてこう言った。
Stay Hungry, stay Foolish.
現状に満足せず変革に向けて貪欲であるか?
丸くおさまり過ぎてやいやしないだろうか?
このことを自問しながら、8年目の市長職にも全力を尽くしていく所存だ。
1月14日 3回目のワクチン接種について
新型コロナウイルスの感染拡大が非常に速いスピードで進んでいる。
京都府においても、新規感染者数は第5波を超える勢いで増加しており、京都府の対策レベルもレベル1からレベル2(警戒を強化すべきレベル)に移行された。
13日には、長岡京市でも新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開催し、公共施設の利用に際してのキャンセル料の全額還付やLINEのプッシュ通知を利用した情報提供の強化など、市民への感染拡大防止への協力を呼び掛けていくことを決定した。
また、同時に、18歳以上の方への3回目ワクチン接種の実施(既に医療従事者、高齢者施設入所者は開始済)についても決定をした。今週末から、広報長岡京特別臨時号が全戸配布されるので、詳細はご確認願いたい。
市役所が実施する集団接種は2月5日(土)から、バンビオ1番館を会場として実施する(今後、必要に応じて会場の追加も検討)。市コールセンターへのお電話か、市公式LINEで予約ができる。
また、医療機関での個別接種については、2月1日以降順次開始をされる。予約については、医療機関で直接予約をしていただくこととなる。
今回、接種対象となるのは、65歳以上の方については、2回目接種から7か月以上経過した方。
18歳から64歳の方は、8か月以上経過した方となる。
ただし、4月に3回目の接種を受ける方から、順次1か月ずつ前倒しで接種可能となる。
接種券は、それぞれの接種可能時期から約2週間前に発送し、接種券が届き次第、予約が可能となる。
現在、3月末までの接種対象者全員が接種可能な量のワクチンが供給される予定ではあるが、京都府から示された供給計画では、ファイザー社製ワクチンは約18,600回分、モデルナ社製ワクチンは約11,200回分となっており、その結果、市が実施する集団接種についてはすべてモデルナ社製ワクチンを、医療機関での個別接種はすべてファイザー社製ワクチンを使用する。
3回目接種は、感染予防や重症化予防を高める効果があり、1・2回目のワクチンの種類にかかわらずmRNAワクチン(ファイザー社又はモデルナ社ワクチン)の使用が適当とされている。どちらも同じメッセンジャーRNA、同じ作り方で作っているワクチンであり、交互接種による効果も、同じ種類のワクチンを接種した場合と同様に有効性や安全性が報告されている。また、副反応に関しては、1・2回目接種で報告されたものと同程度であり、交互接種と同種接種で差が無かったとの報告もある。
3回目接種の時期が来ましたら、ぜひ安心して接種いただきたいと思う。この感染拡大の難局を乗り越えるため、引き続き皆さんの協力を心からお願い申し上げる。
1月7日 年頭のごあいさつ
あけましておめでとうございます。
日本海側を中心に、厳しい積雪の中での年越しとなった地域もありましたが、長岡京市では穏やかなお正月を迎えることができました。
今年一年が、穏やかな年となることを心から祈念しています。
新型コロナウイルスと向き合う日々も3年目に入りました。
何よりも感染拡大防止を最優先としながら、3回目のワクチン接種や感染拡大時への備えなどに取り組んでいく所存です。市民の皆様の、引き続きのご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。
さて、年頭に当たり、私自身、令和4年・2022年を漢字一字で表現すれば「繋ぐ(つなぐ)」年にしていきたいと考えています。
今年、長岡京市は市制施行50周年という大きな節目を迎えます。
多くの先人の皆様のご努力により、本市は大きく発展をしてまいりました。これまで創りあげてきていただいたこの素晴らしい長岡京市を、次の50年へと「繋げる」一年にしたいと思います。
市長就任以来、市制50年を迎える本年を念頭に置きながら、「定住促進」「交流拡大」「まちの新陳代謝」を戦略目標としながら様々な施策・事業に取り組んできました。
その象徴の一つが、現在進めている市役所庁舎の再整備です。来年の今頃には、まず第1期庁舎が完成・供用開始の予定で、次の50年への大きな一歩になるはずです。
そしてもう一つ、今回のコロナ禍のもと、ともすれば失われがちな、人と人の「繋がり」を取り戻していく一年にしていきたいと考えています。
この間、様々な行事やイベント、サークル活動、飲み会、旅行など、それまで当たり前であった日常の行動は大きく制限されてきました。もちろん、結果として、デジタル技術やオンラインの活用も進み、効率性や利便性の観点から今後、積極的に活用をしていくべき事柄も多々あります。
しかし一方で、人と人が直接顔を合わせる機会、そこから生まれるコミュニケーションを通じた相互理解が持つ価値を決して見失ってはいけないのではないでしょうか。
地域で、会社で、家族の中ですらそうかもしれません。
そうした「繋がり」を取り戻すことこそ、新型コロナに打ち勝った証となるはずです。
本年も、全力で市政に邁進していく所存です。どうぞよろしくお願い申し上げます。
12月24日 今年の5冊:ノンフィクション部門
一週、空きましたが『今年の5冊』後編、「ノンフィクション部門」のご紹介です。
さて、いよいよ今年も終わりを迎えます。本年一年も大変お世話になりました。
来年は、長岡京市にとって市制施行50周年という節目の年です。コロナ禍を乗り越え、明るい一年になることを祈りつつ。皆さん、良いお年をお迎えください。
<ノンフィクション部門>
(1)『プレイスメイキング/園田聡(学芸出版社)2019年』
本書において「プレイス」とは多様な活動の受け皿となる街なかの公共空間、人の居場所と定義される。単なる物理的な空間としての「スペース」を、交通や移動といった機能を担う空間としてだけではなく、仕事や情報、他者、自然と出会う場「プレイス」へと創り直していくことで、都市や地域の個性を顕在化せていく。今後の本市のまちづくりにおいても参考としている一冊。
(2)『明治維新の意味/北岡伸一(新潮選書)2020年』◎
外交や国際政治を専門とする著者が描くからこそ、世界史的観点から見た明治維新の実像が見えるし、固定観念にとらわれない理解ができる。王政復古から始まり、明治十四年の政変、自由民権運動から憲法制定に至るまでの長期を明治維新ととらえることにより、その改革の大きさ、スピード感、それらを支えた背景や要因が解きほぐされていく。
(3)『人間にとって教養とはなにか/橋爪大三郎(SB新書)2021年』
ずばりタイトルの通り、本書において「教養」とは「これまで人間が考えてきた」すべてだとまずは大きく定義される。その上で、必要に応じて集める「情報」や、できないことができるようになる「技術」のように明確な目的(因果関係)を有しないものこそ「教養」だとされる。いつか役に立つかもしれないし、役に立たないかもしれない。それでも、日々蓄積していくことに「教養」の本質はある。
(4)『石橋湛山の65日/保阪正康(東洋経済新報社)2021年』◎
戦後、保守合同により結成された自由民主党の総裁に、総裁選の勝利をもってして選ばれたにもかかわらず、わずか65日という在任期間で総辞職を余儀なくされた石橋湛山を、著者は高く評価する。在任期間の功績ではなく、そこに至るまでの政治家として、言論人としての活動に焦点を当てながら、日本政治に与えた大きな影響を振り返る。そこには一貫した政治姿勢があった。
(5)『プロセスエコノミー/尾原和啓(幻冬舎)2021年』◎
これまでのように商品やサービスそのものを売る「アウトプットエコノミー」に対して、それらが生み出されたり、完成するまでのプロセス自体に価値を見出し稼ぐ仕組みが「プロセスエコノミー」だ。プロセスエコノミーが台頭してきた背景から、その活用方法までを具体的事例を交えながら解説。今、社会で起こりつつある様々な現象を理解するのに役立つ一冊。※ ◎の付いている作品は長岡京市図書館の蔵書となっています。
2021年の5冊:ノンフィクション部門
12月17日 教育分野におけるEBPMの推進
昨今、行政の政策立案や評価において、EBPM(Evidenced-Based Policy Making)が求められるようになりつつある。EBPMとは、証拠に基づいた政策形成、すなわち客観的なデータなどによる論理的、合理的な根拠を活用することで政策の質を上げていこうとする取り組みに他ならない。
EBPMに取り組むことは、限られた資源(財源、人員など)の中でより効果的、効率的な政策を展開していくという地方自治体の使命にとっても有効であることは明白だ。
しかしながら、一方で、EBPMの取り組みの質を担保し、高い水準での実施をしていくためには、
① 政策目的と施策体系の関係性・合理性の明確化② 根拠となる論理や政策理論の精緻化
③ 証拠となるべきデータの収集を可能とする仕組みづくり
など課題が存在することも事実である。
①については、自治体自身の努力により当然取り組むべきことではあるが、決して大きくない規模の自治体にとって、②や③については、単独で実施をしていくうえでは、現実的に様々な壁が存在する。そこで、求められるのが、国や自治体間の連携によるデータやエビデンスの蓄積だと考えている。
さて、本市においても、こうしたEBPMの姿勢を行政運営全般に取り入れていくべきだが、とりわけ、私自身は教育分野における実践が必要だと考え、教育委員会とも議論を重ねてきた。
今年の3月に策定をし、今年度からスタートした第2期教育振興基本計画の中でも、EBPMに基づく進捗管理を打ち出している。
そして今回、令和3年度の「全国学力・学習状況調査」の結果を公表していく方針が教育委員会で決定された。
公表された資料によれば、本市における子供たちの学力水準は小学生、中学生ともに京都府や全国と比較をしても非常に高い水準にある。
特に、平均正答数の下位層の割合がかなり少なくなっている点は、この間、正答率の低い子どもたちに寄り添うことで、全体の底上げを図っていくことを目標に、学力向上サポーターの配置や大学教員等の外部人材の活用による学力低位層への重点的な支援や、特別支援教育支援員の積極配置による学習環境の確保といった取り組みなどを重点的に進めてきた成果が一定現れていると言って良いのではないだろうか。現在、教育委員会では、学力のみならず、家庭の状況や生活習慣などの分析を通じて、非認知能力(「気づく力」「やりぬく力」「人と関わる力」など)の向上に向けた調査研究も行っていただいている。
今後のさらなる取り組みに期待をしたい。
12月10日 今年の5冊:小説・フィクション部門
今年もはや師走。
勝手ながらこの季節の恒例になりつつある『今年の5冊』のうち、
今週はまず「小説・フィクション部門」をお届けいたします。
年末・年始、皆さんの読書の一助になれば幸いです。
<小説・フィクション部門>
(1)『フラウの戦争論/霧島兵庫(新潮社)2020年』◎
「戦争とは他の手段で行う政治の継続である」という命題で有名なクラウゼヴィッツの『戦争論』。本書は、『戦争論』が描かれた当時の著者とその妻(フラウ)の日常生活と、『戦争論』でも取り上げられるナポレオン戦争での各種戦闘の回想が行き来しながら物語はすすんでいく。難解だとされる『戦争論』の一端に、楽しみながら触れることができる。不思議で面白いパターンの作品だと思う。(2)『オカシナ記念病院/久坂部羊(角川書店)2019年』
大学病院で最先端の医療を学んだ研修医・新実一良は、地域医療に携わりたいという高い志を持ち離島の「オカシナ記念病院」に赴任する。やる気満々の一良を待ち受けていたのは、どこかやる気のない先輩医師やスタッフたち。院長ものんびりしているし、患者たちもわがまま放題。そんな中、直面する様々な出来事や事件を通じて、現代医療の問題点や死生観など、医療の「常識」が次々と覆されていく。コメディタッチだがテーマは深い医療エンターテイメント。
(3)『ブレイクニュース/薬丸岳(集英社)2021年』◎
その過激な内容で人気を博すネット系ニュース番組「野依美鈴のブレイクニュース」。時には、これまでのメディアがタブーとしてきた取材手法にもずかずかと踏み込んでいく。そんな姿勢に、反発するジャーナリスト真柄は、キャスター野依美鈴のことを調べ始めるのだが、取材を進めるうちに、明らかになる「ブレイクニュース」の背景と野依の過去。果たしてそこにある正義とは。
(4)『アンブレイカブル/柳広司(角川書店)2021年』◎
治安維持法が成立し、戦争への足音が着実に忍び寄る時代。小林多喜二やゾルゲ事件など史実をモチーフにしながら、徹底した思想統制と言論弾圧に抗し、信念を貫こうとする男たちの姿を描く。対して、様々な手口で罪を創り出すのは、一人の内務省官僚クロサキ。その暗闘の結末はいかに。秀逸なミステリー短編集。
(5)『シリーズ 君たちに明日はない/垣根涼介(新潮文庫)2007-2016年』△(2作目以外は有)
リストラ請負会社「日本ヒューマンリアクト」に勤める主人公・村上真介は30代の優男。そんな彼自身の生き様と、依頼先で出会うリストラ対象とされた人々との生き様が交差する短編集。原作は2004年から2016年に執筆されており、それぞれの時代を背景とした業界が舞台となる。「働くこととはどういうことか」という一貫したテーマのもと、一話一話を読み終えるたび、前向きな清々しい気持ちになることができる企業エンターテイメントだ。
※ ◎の付いている作品は長岡京市立図書館の蔵書となっています。
2021年の5冊:小説・フィクション部門
12月3日 コロナなんかに負けへんぞ!
例年、11月の長岡京市は様々なイベントや催しのシーズン。
しかし、昨年からのコロナ禍により、残念ながら今年もまた、いつも通りの開催とはいかなかった。
とはいえ、ガラシャ祭は時代行列や楽市楽座は中止せざるを得なかったものの、歴史講演会の開催や著名人によるYouTubeを通じた情報発信を行うなど、知恵と工夫で、その火を絶やさないように努力を重ねている。当面は、こうした対応を続けていかざるを得ないのかもしれない。
そんな中、さる11月28日の日曜日。
秋晴れの下、「環境フェア2021オンエア」と「長岡京産新鮮野菜直売会」が開催され、多数の市民や団体にご参加いただき、大いに盛り上がった。
「環境フェア」では、昨年からFMおとくに86.2MHzを通し、様々な団体が活動をPR。
フードバンク長岡京や竹の学校、里山再生市民フォーラム、京都府立大の森林ボランティアサークルといった団体の活動紹介や立命館高校の学生と環境の都づくり会議の皆さんの世代を超えた対談、農業と地産地消から環境を考える取り組み、子ども環境フェスティバルの作品紹介やグリーンカーテンコンテストの受賞者インタビューなど盛りだくさんの内容。私も、環境の都賞の表彰式で出演をさせて頂いた。
「新鮮野菜直売会」も例年の会場から市役所前の駐車場に場所を移しての開催となったが、多くの市民が地元産の大根や白菜、キャベツ、かぶら等を買い求められ、お昼ごろにはほぼ完売するなど好評を博した。
多くの皆さんの笑顔を見ていると、「コロナなんかに負けへんぞ!」との勇気が湧いてくる。
ご協力いただいた皆さんに、改めてこの場をお借りし感謝申し上げたい。ありがとうございました。FMおとくにでの環境フェア2021オンエアのようす
11月26日 伊豆の国市 姉妹都市盟約15周年を祝う
翌週には師走を迎えるわけだが、それを待つまでもなく慌ただしい日々に追われている。
とりわけ11月に入り目まぐるしい。
手帳を見返してみても、市役所内部での協議や12月議会に向けた諸準備のみならず、対外的な会議や要望活動、東京出張など市役所外に出向く公務も戻り始めている。地域でのイベントや行事も再開されつつあり、少しずつではあるが市民と直接、接する機会も増えてきて、それが何よりも嬉しく感じる。
感染状況は、11月に入り現時点での感染者は6名、8日を最後に、新規感染者は発生しておらず、このような感染状況の落ち着きもあり、私自身の日常はほんの少しコロナ前を取り戻しつつある。
そんな中、嬉しいお客様をお迎えした。
本市との姉妹都市盟約締結15周年を記念し、伊豆の国市の山下正行市長、内田隆久市議会議長をはじめとした訪問団5名が、24日、長岡京市をご訪問下さった。
当日は、私も紅葉が綺麗に色づいた光明寺でお出迎えをし、その後、市役所で記念式典をささやかながらに開催。これまでの交流を振り返りながら、これからのさらなる交流の発展を誓い合う。
来年は、伊豆の国市も舞台となる大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の放映がいよいよ始まり、盛り上がりを見せ始めておられるとのこと。本市でも、市制施行50周年を迎える。やはり友好交流の基本は、直接、顔と顔を合わせることだと思う。
今回は、参加者も限り、酒を酌み交わすこともない15周年とはなってしまったが、来年こそは必ずや復活していけることを願っている。お越しをいただいた皆さん、本当にありがとうございました。
伊豆の国市-長岡京市
姉妹都市盟約締結15周年記念式のようす
11月19日 新型コロナ ワクチン接種一区切り
5月から本格的に始まった新型コロナウイルスのワクチン接種も、11月13日・14日の週末の集団接種をもって一区切りを迎えた。ほぼすべての接種希望者に対して2回の接種を終えることとなる。
集団接種が始まったのが5月22日・23日。そこから26週間。非常に長い道のりだった。
何よりも、乙訓医師会をはじめ薬剤師会など医療関係者の皆さんや、委託業者を含めた会場運営に当たっていただいたスタッフの皆さん、そして本市の職員・関係者の献身的なご尽力、ご協力によってここまで無事にワクチン接種を進めてくることができた。
改めて、この場をお借りし、心より感謝申し上げたい。
現時点でのワクチン接種率の見通しについては、全人口に対してでは約77%、12歳以上の対象者人口では約87%となりそうだ。
少し詳しく、年代別の接種率で長岡京市のデータと国のデータで比較すると下記のようになる。
(11月8日時点での1回目接種率データを用いての比較)
長岡京市 国
65歳以上 93.95% 93.01%
60~64歳 90.54% 89.15%
50歳代 91.69% 87.92%
40歳代 83.97% 80.75%
30歳代 78.90% 75.35%
20歳代 77.82% 72.98%
12~19歳 73.88% 71.80%
以上を見ていただくとおわかりのように、全世代を通じて、現段階では接種率は国の平均値よりも高くなっており、より多くの方がワクチン接種にご協力いただいたと言える。
もちろん、国全体ではまだまだワクチン接種は進行中であるし、本市においても、新たに12歳に達する方や、やっぱり接種をしたいという方への対応はしっかり続けていく。ご相談等は、新型コロナウイルスワクチン接種担当までご連絡いただきたい。
そして、今後、3回目接種が具体化する。まだまだ現時点では不明なことが多いのだが、希望者への接種に向けてしっかりと準備をすすめていく所存だ。
新型コロナウイルスワクチン接種担当 電話:075-955-9732
11月12日 屁理屈をこねる人は嫌いですか?
家族と何かと話していると、よく、「理屈っぽいねん。」「それは屁理屈や!」といったご指摘をいただく。
もちろん、それ以上の反論は控えている。決して怖いからでも、ひるんでいるわけでもない。
「論」に「反」する行為そのものは、必然的に理屈に基づくものになるわけで、すなわち「理屈っぽい」「屁理屈」という指摘を喚起する性質をおびざるをえないということになる。
そうなれば、指摘と反論の際限のない無限ループ状態に陥ること必定。それは避けたい。
家族の場合はそれでよい。しかし、私の携わる政治の場面ではそうはいかないのではないだろうか。
私は、屁が付くか付くまいかはさておき「理屈をこねる」という作業は、極めて大切なことだと思っている。
「理屈」とはものごとのすじみちであり、合理的な説明や理由のことである。納得を引き出すためには不可欠なものだ。
政治の世界というのは、様々な考え方がぶつかり合う世界であり、その中から合意形成を導き出していくことが求められる。まさに、理屈と理屈のせめぎ合いであり、相手を説得するにしても、相手との妥協点を見出すにも、双方の理屈を詳細に検討・検証する作業が欠かせない。これはすべての事象に当てはまると言っても良い。だからこそ、平素から「理屈」というもの取扱い方に精通しておく必要があるし、普段からの鍛錬が欠かせない。
そして、「こねる」ということは徹底的にこだわるということである。つまり、考え抜くことだと思っている。 時にして、理屈をのべることは周囲との軋轢を生み出すことにつながりかねない。面倒くさい作業でもある。しかしながら、深くこだわり考え抜くこと無しにして、自らの考えや主張を推し進めていくことはできない。「理屈」の頑強さは、まさに「こねる」からこそ生まれるものなのだ。
そう考えれば、仕事とは別の場面で、理屈っぽくなるのも屁理屈を宣うのも、私にとってはトレーニングの一環なのである。
きっと、これを家族に説明しても冒頭の指摘を受けるだけであろう。やはり避けておく。
11月5日 がんばれ京都サンガ!J1まであと少し
ほんの一瞬の出来事だった。
その瞬間、スタジアムのサポーターおよそ8千人の歓喜が爆発した。
焦れた試合展開だった。
前半から攻め続け、圧倒的にボールを支配。ほとんど相手陣営内でプレーし、好機も幾度となく訪れるものの、決定的な場面で決めきれない。
後半に入り、少しずつ相手に押し込まれる場面も見えはじめ、いやな雰囲気に。
そんな中、選手交代が流れを変えた。連戦で温存していたウタカ選手も投入。交代枠5人を使い切った。
一進一退の攻防の末、残された時間はロスタイム5分。あと数プレーで0-0のまま試合終了かというタイミングで怒涛の攻撃。連続してコーナーキックのチャンスを得る。
そして、右サイドからのクロス。ゴール前の混戦。最後は川崎選手がダイビングヘッドで決める。
正直、その瞬間は誰のどんなプレーだったのかはまったくわからなかった。
ただ、ゴールネットを揺らしたボールだけははっきりと見えた。
11月3日、サンガスタジアムby京セラで行われた京都サンガvs大宮アルディージャ戦は長岡京市のホームタウンデー。
秋晴れの下、京都・長岡京おもてなし武将隊つつじや神足ふれあい町家の皆さんにお手伝いいただいたPRブースも多くの人で賑わった。試合前には、長岡京市マーチングバンドスポーツ少年団の演奏がスタジアムに響いた。
そして、京都サンガの劇的な勝利。J1昇格へと大きく前進。
最高の秋の休日を満喫させていただいた。
歓喜に沸いたサンガスタジアム
10月29日 ボトルtoボトルリサイクル始まる
サントリーグループと長岡京市、向日市、大山崎町、乙訓環境衛生組合の間で「持続可能な地域づくりの推進に関する協定」を締結した。
今回の協定によって、乙訓地域で排出されるおよそ300tの「ペットボトル」が「ペットボトル」として再利用される「水平リサイクル」が始まる。
これまでも、家庭で排出されたペットボトルは、乙訓環境衛生組合で中間処理され、日本容器包装リサイクル協会等を通じて再利用されてきた。
ただ、この過程では、ペットボトルがペットボトルとして再利用されるのは全体のわずか1割~2割程度。その他は、海外へ輸出されるか、食品トレイやシート、繊維類など、プラスチック製品として再利用されたのち、最終的にその多くは焼却処分されることとなってしまう。
そこで今回、サントリーグループのご協力を得ることで、乙訓環境衛生組合での中間処理の後、サントリーが指定する「ボトルtoボトルリサイクラー」による回収・原材料化の工程を経て、サントリーの飲料工場でペットボトルとして再利用される流れとなる。これが「水平リサイクル」だ。
つまり、これまでと比較して、リサイクルを一段高い次元・クオリティで行うことが可能となるわけだ。
事業を実施されているサントリーMONOZUKURIエキスパート社によると、排出量の9割以上がペットボトルとして再利用可能とのことで、サントリーグループとして、2030年にはすべてのペットボトル素材をリサイクル素材・植物由来素材に切り替え、石油由来原料の新規使用ゼロを目指しておられる。
併せて、今回の「水平リサイクル」によって、原油からペットボトルを生産する過程よりも二酸化炭素の排出を6割超削減することが可能であり温暖化対策にも寄与することとなる。
まさに、乙訓全体でSDGsの理念に沿った取り組みが展開されることとなる。
さて、先ほど、ペットボトルの9割がペットボトルとして再利用可能と述べた。
しかし、これには前提条件がある。
それは、ペットボトルのキャップや包装フィルムがはずされていること、中身がすすがれていることなどで、これまで同様、適正な排出にしっかり取り組んでいただくことが求められる。
ぜひ、市民の皆さんとともに、循環型社会の構築に向けて取り組んでいきたい。皆様のご協力をよろしくお願い申し上げます。協定締結式のようす
10月22日 教育におけるデジタルシフト
小中学校でのICT活用がすすんでいる。
長岡京市では昨年度、小中学生一人につき1台のタブレット端末の整備を実施した。
当初は、授業等学校現場での活用方法の具体化と並行しながら、複数年かけて、通信環境の整備と端末配備を実施していく予定であったが、新型コロナウイルスの影響で急きょ前倒しするかたちとなった。昨年度末に整備は完了し、今年度から本格的な活用・運用がスタートしている。
先日、教育委員の皆さんとともに、小学校2年生の算数、中学校1年生と3年生の国語でのタブレット端末を活用した授業の様子を拝見させていただく機会を得た。
小2の算数の授業では、かけ算の使い方の課題を一人ひとりに考えさせたうえで、その解答を教師が集約し、大型モニターの映像に反映。それを使って、生徒に考え方を発表させるといった活用が行われていた。
同様に、中1の古典の授業でも古文を読み解く問題を、タブレットを通じて配布・回収するなど、これまでなら、プリントや黒板への板書を通じて行っていたであろうやり取りが端末を通じてスムーズに行われていた。一方、中3の授業では、和歌を題材に、グループ発表を行うための調べ学習や資料づくりにタブレットが活用されていた。
総じて、タブレット配布と同時に専用ソフトウェアを入れたことが利用しやすい環境に大きく寄与しているようだ。
そうしたこともあり、今年度からの急なスタートにもかかわらず、現場では、非常に積極的な活用が図られている印象を受けた。同時に、子どもたちも年齢を問わず、使いこなしているのはさすが。適応力の高さは侮れない。いずれにせよ、授業でのICT活用は順調に滑り出しているようだ。今後への期待も広がる。
では、今後、教育分野においてデジタルシフトをどのようにすすめていくべきなのだろうか。
デジタルシフトには段階がある。
最初は、「デジタイゼーション(Digitization)」、すなわち情報のデジタル化だ。例えば、紙の書類をPDFなど電子データ化するのがこの段階。次に、「デジタライゼーション(Digitalization)」、すなわちプロセスのデジタル化で、技術を活用することにより手続きやコミュニケーションをより円滑に行うなど、作業の効率化や簡素化につなげる段階。
先ほどご紹介した、現在、本市が進めているのはまさにこれらの段階だと言える。今後、より一層推進していく余地が大いにあるし、現場での工夫に期したい。
そして、これらの先に描かれるのが、「デジタルトランスフォーメーション(DX)」だ。社会システムのデジタル化と言える。
学校における授業の形態やクラス単位での運営方法、生徒一人ひとりとの関わり方や成績管理の手法、データの蓄積による学校活動の分析、学校と家庭のコミュニケーションのあり方など、デジタル化が前提となるからこそ可能となる領域は常に大きいと言えるだろう。
今回の視察を通じて、今後のさらなる活用への期待は大きくふくらんだ。
市内小中学校でのタブレットを利用した学習のようす
10月15日 その日の天使
一人の人間の一日には、必ず一人、「その日の天使」がついている。
今は亡き、放送作家の中島らもさんのエッセーから。私の大好きな一篇だ。
その天使は日によって様々な容姿をもって現れる。
絶好調のときには見えないこともあるが、逆に絶望的な気分に落ちているときにはよく気づく。
「自殺をしたら」などと考えているときに、知人から電話がかかってくる。
ふと開いた画集の一葉の絵に救われた気持ちになる。
それが、中島らもさんの「その日の天使」だそうだ。
私にとって、「その日の天使」は何だろう?
自宅の花壇に夏に種を蒔いた秋ひまわりが咲き誇っている姿。
自宅が近づくとただよってくる焼き魚の香り。
誰かと話をしていて、たまたま共通の知人の話題になるなど何かご縁を感じる瞬間。
店頭で買った安いワインが予想外に美味かったとき。
電子マネーで支払いをしたら残高が777円だったとき。
ちっぽけで、ささいなことにでも、「その日の天使」を感じられる人こそ、きっと幸せなんだと思う。
気分の良いときであっても、調子の悪いときであっても。
幸せだから「その日の天使」を感じるのではなく、「その日の天使」を探し続けている人こそが幸せなのかもしれない。
「その日の天使」は必ずそこかしこにいるのだから。
あなたにとって「今日の天使」は何ですか?
花壇に咲く秋ひまわり
10月8日 政治の季節
10月3日、長岡京市議会議員選挙の投開票が行われ、22名の新たな市議会議員の皆さんが当選された。心からお祝い申し上げるとともに、これから4年間、二元代表の一翼を担われる議員として、我々行政側に対するご指導・ご鞭撻をよろしくお願いしたいと思う。私自身、引き続き、議会の皆さんとの対話を大切にしてく所存である。
そして翌4日には、自由民主党の岸田文雄総裁が第100代内閣総理大臣に就任され、新たな内閣が発足した。
まずは、何よりも現在進行形でもある新型コロナウイルス対策の切れ目ない実施をお願いしたい。
一つは、ワクチン接種の着実な推進だ。本市においては、11月前半には概ね希望される方(全人口の75%程度)の2回目接種が完了できる見通しであり、一区切りとしては、最終局面に入りつつあるが、引き続き、3回目接種に向けた準備を進めなければならない。そのためのワクチン供給の計画や交差接種の可否など、より具体的な進め方をご提示いただきたく思う。
二点目は、第6波を見据えた医療提供体制の確保。
ワクチン接種の進展が感染の予防や重症化防止への効果が現れ始めているとはいうものの、完全に抑止できるものではないことは第5波からも明らかだ。その意味では、第6波はあるものだとの前提に立った準備を進める必要がある。本市としても、乙訓保健所との連携の中で、在宅療養者への支援体制や積極的疫学調査を補完する検査体制を構築していきたい。
そして三点目は、コロナウイルスとの共存を前提とした経済活動・社会活動の再開だ。
新型コロナウイルスの発生以来、およそ一年半が経過し、変異等はあるものの感染防止の基本的な対処方法等の知見は、発生当初と比べ蓄積されつつある。また、ワクチン接種もかなりのスピードで進捗し、その効果も現れてきている。そうした中で、科学的知見に基づきながら、いかに日常生活を取り戻していくのかを考えるべき時期に来ている。感染拡大への対応が長期化する中、経済や社会活動を正常化する視点を持つこともまた、命や暮らしを守ることにつながる。
14日解散、19日公示、31日投開票という衆議院選挙の日程が示された。
当面は政治の季節が続きそうだ。日々の動きを注視していきたい。
9月30日 緊急事態宣言の解除を受けて
9月30日で19都道府県に発令されていた緊急事態宣言が解除される。我が国全体で、緊急事態やまん延防止等の措置が解除される状態は、今年の4月からおよそ半年ぶりとなる。
この間、本市においても様々な制限を市民の皆様にお願いをしてきた。改めて、ご協力に感謝申し上げたい。
今後、寒い季節を迎えるにあたり、第6波への準備は決して怠ってはならないし、状況を楽観することは禁物だ。
しかし一方、この間、ワクチン接種の進展や医療関係者のご努力、それぞれの事業所等での取り組みなどもあり、少しずつではあるが状況は改善しつつあり、その事実もまた私たちは理解しておく必要がある。
本市においても、昨年以来、新規感染者数は累積で800件を超えたが、その半数が今年7月~9月の発生で、第5波における新規感染者数の増加の大きさを物語っている。
京都府のデータで見ると、第5波の新規感染者数は、ピーク時の1週間で3,716人(530.9人/日)、第4波のピーク時977人(139.6人/日)と比較をすると約3.8倍と激増した。
一方、医療提供体制の状況を、第4波と第5波の最大値で比較をすると、
確保病床使用率 第4波 70.4%(330床/469床)→ 第5波 82.7%(467床/565床)
重症者用確保病床使用率 第4波 45.3%(39床/86床) → 第5波 75.9%(110床/145床)
高度重症病床使用率 第4波 81.6%(31床/38床) → 第5波 65.9%(29床/44床)
となっており、感染者数の急増が医療現場を圧迫したことは間違いないものの、医療現場のご努力や京都府における病床確保の取り組みなどのおかげもあり、何とか乗り越えることができた。
この背景には、ワクチン接種が進み、特に高齢者世代での重症化が抑制できたことも大きい。
京都府内における死亡者数を比較しても、第3波の1月が66人、第4波の5月が25人、第5波の8月が4人となっており着実に減少傾向にある。
本市におけるワクチンの接種率は、9月29日時点で1回目が63.8%(国:63.0%、府60.1%)、2回目が55.5%(国:52.9%、府:50.4%)となっており、既に全年齢の方を対象に集団・個別ともにワクチンを接種いただける環境が整い、11月には75~80%の市民の接種を完了させるべく作業を進めている。
もちろん、ワクチンが完全に感染を防ぐものではないものの、こうした状況を考えた時、私たちの暮らしを少しずつでも正常化していくための条件は整いつつある。
感染防止対策と日常生活や経済活動の再開などとを両立していくことを考えるべき時期にきているのではないだろうか。それもまた、大切な命と生活を守ることにつながる。
9月24日 アジャイル思考
日々、新型コロナへの対応が迫られながらの市政運営もはや一年半を超えた。
新たなウイルスの脅威は、当初の頃から比べれば、様々な知見が蓄積されつつあるものの、まだまだ未知・不明な点も多く、今後への見通しも不透明だ。
こうした中、市政を運営・マネジメントするうえで、最近、重要に感じているキーワードがある。
「アジャイル」という考え方だ。
「アジャイル(Agile)」はもともと、「素早い」「機敏な」といった意味がある。
システムやソフトウェア開発の分野では、小単位での実装とテストを繰り返し、従来の手法に比べて開発期間を短縮する手法を「アジャイル開発」と呼ぶそうだが、もう少し広い意味では、新しいアイデアや事業に関して、トライ&エラーを積極的に繰り返し、短いサイクルで改善や新しい価値の創造を推進する考え方を「アジャイル思考」という。
変動が激しく先が見えない現代における考え方であり、何よりも実際に行動することが重視される。
現在、私たちが直面している新型コロナウイルスへの対応は、まさに、変化のピッチも早く、先々を予測することも難しい。また、不確実な側面も多く専門家の意見も多様であり、決断を下していくのも手探りの状況が続く。
例えば、ワクチン接種一つとっても、私たちにとって先例になるような経験は乏しく、他自治体と同時並行で作業が進められ、参考となる事例も多くはない中での事業実施が求められた。
そして、実際に事業を動かす中で、様々な課題やニーズを発見し、その解決に向けた作業を繰り返すという、ある意味「アジャイル型」の事業実施を行ってきたと言える。むしろ、行わざるを得なかったと言った方が良いかもしれない。
そして、同時に、こうした経験を通じて感じるのは、新型コロナウイルスへの対応のみならず、変動が激しく先が見えにくい事象への対応が求められる自治体運営にとっても、こうした「アジャイル思考」が求められる場面も増えていくのではないだろうか。
様々な施策実施においても、参考となる考え方ではないかと思っている。
9月17日 新型コロナ対策・ワクチン接種の状況について
7月下旬から急速に拡大した新型コロナウイルスの第5波も、本市においては、今週14日、15日には二日連続で新規感染者がゼロとなるなど落ち着きを取り戻しつつある。新規感染者ゼロは7月27日以来だ。
新規感染者数(一週間平均)も8/16~22の週に13.3人/日とピークを迎えて以降、12.0人/日(8/23~29)、9.1人/日(8/30~9/5)、4.3人/日(9/6~12)、2.7人/日(9/16までの直近一週間)と確実に減少に向かいつつある。
こうした状況を受け、先週にお知らせしていたように、来週21日から閉鎖していた各種公共施設も夜間の時間帯をのぞき再開することとした。ただし、学校開放など学校施設については、子どもたちの安全な教育活動を最優先に確保するため、もうしばらくは我慢いただきたいと考えている。
一方、ワクチン接種については、来週9月22日から19~29歳の方の集団接種の予約を開始する。
これで、対象となるすべての皆さんの集団接種の予約が可能となる。
さて、現在のワクチン接種の進捗だが、9月16日現在の長岡京市の接種率は、1回目 59.7%、2回目 44.5%(いずれもVRSベース)となっている。
世代ごとでみると、60歳以上 91%、50歳代 82%、40歳代 59%、30歳代 42%、20歳代 44%、12歳~19歳 17%が1回目接種を完了している。
やはり接種機会の少なかった12歳~19歳の接種率は現時点で低くなっているが、今週末から始まる中高生の優先接種の状況からすると、接種率は50%を超えてきそうだ。
今後の見通しとしては、50歳以上の方については9月中には概ね希望者の2回接種が完了。30歳・40歳代は10月中、12歳~19歳と来週から予約が始まる20歳代の方は11月中旬には2回の接種が完了する見込みとなっている。
今後、集団接種に加え、個別接種や国や府の大規模接種、職域接種などが同時に進んでいくことを踏まえると、現時点では、およそ全人口に対して75%~80%程度の接種率になるのではないかと予測している。
まだまだ予断を許さない状況であるが、本市としても感染拡大防止とワクチン接種の推進に全力を傾け、少しずつ日常を取り戻していきたいと思う。
9月10日 9月定例会閉会~決算審査・補正予算など
8月16日に開会した長岡京市議会9月定例会が、9月10日に閉会し、提案したすべての議案が可決・成立、決算議案もすべて承認いただくことができた。
本年は、10月3日に投開票を控えた市議会議員選挙の日程を見据え、慣例により少し早い時期での開催となったのが、開会とほぼ時を同じくして、新型コロナウイルスの感染が急速に拡大。それを受け、まん延防止等重点措置から緊急事態宣言へと切り替わるなど、日々変化する状況に、諸報告や議会答弁もギリギリまで調整が続くというあわただしい中での定例会となった。そうした新型コロナの急激な感染拡大を受け、今定例会においては、開会日に提案した一般会計補正予算(第5号)に加え、議会閉会日の10日にも、一般会計補正予算(第6号)を追加提案をすることとなった。
例年、9月の補正予算は、当初予算編成時から進捗した事業を実施するために必要となる予算措置や、事業の執行状況、国や京都府の事業との調整、前年度決算の確定などを受けて行う予算措置などが中心となる。
今回の補正予算(第5号)で言えば、(仮称)中小企業振興条例の検討経費の追加や済生会京都府病院への追加支援、新型コロナウイルスのワクチン接種の追加費用、長岡天神駅周辺整備や長岡京駅前線における用地買収、共生型福祉施設を整備するための京都府からの先行用地購入などがこれに当たる。
こうした補正予算の編成は、通常、6月定例会後、各部からの予算要求と庁内での政策議論(サマーレビュー等)を経て、7月後半には市長査定を終え補正予算の概要が固まる。
これらは日常的なプロセスとして必要なものではあるものの、現在の新型コロナウイルスのように短期間で状況が変化するような事態にはなじまない。
今回の場合も、7月後半からの感染者の急拡大、緊急事態宣言の発出という局面で生じた新たな課題に対応する必要があるとの判断の下、定例会を行うことと並行して追加での補正予算の編成作業を行い、閉会日での追加提案をすることとした。
一般会計補正予算(第6号)では、中小企業等経営変革補助金の追加やプレミアムグルメ券の増刷を実施するための商工会補助金の拡大、福祉事業所における感染判明時の諸経費への補助制度の増額、同様の制度を商工業事業者にも対象拡大するための諸経費を盛り込んだところだ。
同定例会で2度の予算提案という異例の事態にも対応いただいた市議会の皆さんにも改めて感謝申し上げたい。
さて、今定例会は現市議の皆さんにとって4年間の任期最後の議会となる。
さらなる皆さんのご活躍を心から祈念申し上げる。まずは、4年間、本当にありがとうございました。
市議会9月定例会閉会日のようす(9月10日長岡京市役所にて)
9月3日 新型コロナ対策 続報
7月後半から再度急増した新型コロナウィルス感染者の第5波はいまだピークアウトには至らない。
本市の新規感染者数も8月には276人/月となりこれまで最大であった5月の98人/月を軽く超えた。昨年の1例目の確認から8月末までの累積で708人の感染者が確認されているので、この一か月あまりの第5波で全体の4割を超える感染が発生していることとなる。
そうした中、ワクチン接種もさらに進めている。
現在、医療機関での個別接種については年齢制限なく接種が可能となっているが、集団接種についても、9月7日から30代の接種予約を開始する。
併せて、9月14日からは中高生(12歳から18歳※一部小学生を含む)の予約開始と優先接種会場の設置に向けて調整を行っている。
これは現在の感染状況を鑑みるとともに、大規模接種会場や職域接種などでの接種機会が無い中高生に対して市として優先的に接種機会を設けようとする判断だ。
そして、9月22日以降、19歳~29歳の予約を開始することで、全世代への接種となる。
ただし、これらも国・京都府からのワクチン供給が希望通り叶うことが前提となる。
9月1日現在、長岡京市の接種率(VRSベース)は、1回目接種が48.89%(国49.46%、府46.37%)、2回目接種が36.89%(国39.32%、府37.39%)となっている。 引き続き、感染防止への対策をしっかり行いながらワクチン接種にも全力をあげたい。
西山公園体育館での集団接種のようす
8月27日 可能性の祭典 パラリンピック開幕
24日、東京パラリンピックの開会式が行われ、13日間の大会が幕を開けた。
国際パラリンピック委員会(IPC)によると、次の四つの価値がパラリンピックを象徴する。
「勇気」マイナスの感情に向き合い、乗り越えようと思う精神力
「強い意志」困難があっても、諦めず限界を突破しようとする力
「インスピレーション」人の心を揺さぶり、駆り立てる力
「公平」多様性を認め、創意工夫をすれば、誰もが同じスタートラインに立てることを気づかせる力
そして、IPCのパーソンズ会長は、東京大会のテーマに、
「レジリエンス」逆境から粘り強く立ち直る力
を加え、五つ目の新たな価値に掲げたいと語ったそうだ。新型コロナウィルスが全世界を覆い、一年延期された大会が掲げる価値としてふさわしい。
本市においても、16日、「長岡京市希望の火 採火式」を実施した。
長岡京市の小学生が「まいぎり式」で起こした火種から、市民や向日が丘支援学校の生徒たちが共生社会の実現等への願いや思いを込めた短冊に点火。
身体障がい者団体連合会の三好会長がその「希望の火」をランタンに収め、京都府の集火式へ、そして開催地での聖火リレーを経て、国立競技場へ と至る出立を見届けた。
『誰もが共に自分らしく暮らすまち長岡京』を目指す、本市の市民の思いがきっと、高々と灯るあの聖火に届いたはずだ。
『英語のImpossible(不可能)のIとmの間に「’」を入れてみて下さい』
I’m possible. = 私はできる
『オリンピックを平和の祭典というのであれば、パラリンピックは可能性の祭典だ』
ある記事で、パラリンピック日本代表の言葉が紹介されていた。
連日熱戦を繰り広げる選手たちの勇姿こそ、不可能と可能をつなぐアポストロフィに違いない。
そんな選手たちの活躍に、惜しみないエールを送りたい。祭典はまだ始まったばかりだ。
「長岡京市希望の火採火式」のようす
8月20日 4度目の緊急事態宣言へ
引き続き、新型コロナウィルスの感染拡大が止まらない。
本市においても、日々の新規感染者数がこれまでとは違う次元に入りつつある。
8月第1週(2日~8日)の新規感染者数が26人、第2週(9日~15日)には53人、第3週は19日木曜日の時点で既に48人を数えており、ほぼ半月で一か月あたり過去最高の98人(5月)を超過している。
下記のグラフは、これまで本市内で発生した535例(8月17日現在)を、本年4月末までの症例294例と5月以降の症例241例に分け、それぞれ年代別での発生割合を示したものだ。
見ていただくと分かるように、60歳以上の発生割合は、ワクチン接種が本格化した5月以降、23.0%から12.9%に大きく減少している一方、10代以下の割合は、14.3%から26.6%へと大きく増加しており、感染者数の若年化の傾向が顕著に見て取れる。
なお、5月以降の症例241例のうちおよそ半数はこの1ヶ月で発生している症例であることからも、感染拡大のスピードをお分かりいただけると思う。
こうした状況のもと、夏休みも終わり、来週から学校が2学期を迎え再開するなど社会活動も活発化する。
実際、夏休みに入って以降、17日までで既に7名の小中学生の感染が判明している。夏休み中なので学校への影響は最小限にとどまっているものの、現状の感染状況で迎える新学期は、細心の注意が求められる。
何としてでも、子どもたちの学びの機会を守っていきたい。
長引く対策により、様々なご不便、ご苦労、そしてご不満もあることは重々に承知しながらも、ぜひ、皆さんのご理解とご協力を賜るよう伏してお願いしたい。
市内感染状況(年齢別)
8月13日 まん延防止等重点措置 拡大を受けて
新型コロナウィルスの感染拡大が止まらない。
全国各地で新規感染者数が記録を更新する中、京都府においてもまん延防止等重点措置の措置区域が拡大され、長岡京市を含めた7市がその対象に加えられる。期間は今月17日から31日まで。
第5波を引き起こしているデルタ株の脅威は報道等でもなされているが、足元の数字を確認しても、これまでの感染拡大をはるかに凌ぐものであることがわかる。
京都府における、新規感染者数の一週間移動平均が、本年1月~2月の第3波のピークが136.71人/日、4月~5月の第4波の際は139.57人/日に対して、8月11日には269.43人/日とほぼ2倍。7月11日まん延防止等重点措置が解除されておよそ2週間後から急激に増加している。
長岡京市においても、感染発生が5月に98人/月と最高値を記録した後、6月は17人/月、7月は23人/月と少し落ち着きを見せていたものの、7月後半から少しずつ増え始め、8月には13日現在で既に66人の市民の感染が判明をしている。特に、本日13日には21人/日という一日当たりの感染者数の最高値を記録した。これまでの最高が5月1日に記録した14人/日であったこと、またこの時は学校でのクラスターによる新規判明の数字であったことを考慮しても、現在の感染拡大傾向の大きさがわかる。
また、その66人の内訳を年代別に見てみると、10代以下9人(13.6%)、20代14人(21.2%)、30代7人(10.6%)、40代15人(22.7%)、50代18人(27.3%)、60代以上3人(4.5%)となっており、これまで顕著であった高齢者の感染がワクチン接種の効果もあり目に見えて減少しているものの、現役世代、働き盛り世代での感染者が増えている。
感染事例の傾向を見てみると、家族の誰かが、感染が拡大している都市部などの仕事先や通学先で感染をし、家族内で感染が拡大する事例が多く散見される。
こうした状況の下、感染者の「数」そのものが過去の波とは異なるスピードで急増しているがゆえに、それに引きずられるように重症者数や入院患者数を押し上げており、結果として、医療資源を大きく圧迫している。
これらの状況を踏まえれば、まずは現在進行している足元の感染者数の急拡大を押さえつつ、世代全体へのワクチン接種を進めていかなければならない。市としても全力をあげる。
8月6日 長岡京市の熱い夏
「こんなもんじゃない」
悔しさがにじみ出したこの言葉に、すべてが集約されているのかもしれない。
5日、札幌で行われた東京オリンピック陸上男子20km競歩で、長岡第三中学校出身の山西利和選手が銅メダルを獲得した。2位の池田向希選手とともに、競歩で初の日本人メダリストとなった。
まずは、ここまで積み重ねてこられた努力に心から敬意を表すとともに、お祝いを申し上げたい。
さらなる高みを目指している山西選手だからこそ、この結果にも悔しさが残るのかもしれない。
昨年、山西選手と対談させていただいた際、「そのモチベーションをどうやって維持しているのか?」と尋ねたことを思い出す。
『モチベーションという言葉一つとっても、気持ち、やる気など「気分」的な意味と、動機、なぜ自分はそれをやるのか、という「理由」の両方の意味がある。「気分」に偏ると少しの変化でぐらついてしまう。「理由」の部分を見据えると、感情に振り回されず努力を継続できるんです。』
これが、山西選手の答えだった。
きっと、順位やメダルといった外形的な結果ではなく、自分の納得できるレースができなかったこと、理想とするウォークができなかったこと。それが「こんなもんじゃない」という言葉につながったのだろうと、勝手ながらに推察している。
さて、もうお一人、射撃男子25mラピッドファイアピストルで出場された吉岡大選手(長六小・長岡中出身)も、決勝に進出はならずも、8位入賞という結果を出された。
しかし、吉岡選手もインタビューで「次は絶対に見返してやりたい」と、早くも3年後のパリ五輪での巻き返しを誓っておられる。
お二人に共通する、あくなき向上心、探求心こそが、オリンピックという晴れの舞台への切符を手にする必要条件なのだろう。
お二人のさらなる活躍を祈念したい。
さて、話題は変わり、今日から中学生スポーツの近畿大会が各地で始まっている。
長岡京市からも、数多くの中学生アスリートたちが出場する。
今回の東京オリンピックでのお二人の活躍は、彼らにとって大きな刺激になるはずだ。そして、彼等には、お二人の姿勢から多くを学び取って欲しいと思う。
長岡京市の熱い夏はまだまだ終わらない。
山西選手と吉岡選手の横断幕(市役所前)
7月30日 パートナーシップ宣誓制度 都市間連携
長岡京市では6月1日から、性的少数者の関係を自治体が公認し、独自の証明書を発行する「パートナーシップ宣誓制度」を開始した。
性の多様性を認め合える社会を目指すべく、昨年には長岡京市議会から提言をいただき、本市男女共同参画審議会でも議論され、今回の制度化に至った。
長岡京市では、すでに制度開始から約2ヶ月で3組のカップルが誕生している。
その中の一組と懇談した際には、「コロナ禍や家族の高齢化など、将来に対して不安を感じていたときに、こうして自治体から二人の関係性を認めてもらえることで、少し安心をすることができる」との声も頂くことができた。
この度、京都府下でこうした「パートナーシップ宣誓制度」を導入している京都市、亀岡市と本市の3市間で連携協定を結んだ。
今回の協定締結により、パートナーシップ宣誓者が3市間で転居された場合など、提出書類等の手続きが簡素化されることとなる。
27日には、門川大作・京都市長、桂川孝裕・亀岡市長とオンラインでの協定締結式を行った。
それぞれの市では、パートナーシップ証明によって、市営住宅への入居申し込みが可能になるなど行政の施策を展開することに加え、民間企業内での理解促進への取組や金融機関でのローン申請の際の活用、病院等での個人情報開示等への活用といった事例も紹介されていた。
本市においても、単に行政上の活用のみならず、パートナーシップ宣誓制度の導入を契機に、民間の企業や組織に対しても、様々な働きかけを行い、そのことによって性の多様性への理解を深めていきたいと考えている。
パートナーシップ宣誓制度については、全国各地の自治体で動きが広まりつつある。
今後、さらに今回の協定の輪を大きく広げていきたい。パートナーシップ宣誓制度 オンラインでの協定締結式のようす
7月16日 若葉カップ全国小学生バドミントン大会 開幕
週末、17日から『第37回若葉カップ全国小学生バドミントン大会』が西山公園体育館で始まる。
昨年は、コロナ禍により中止という選択をせざるを得なかったからこそ、今年は感染防止のため様々な工夫を行いながらも開催できることが、何よりもうれしく思う。ご尽力いただいた実行委員会をはじめ関係者の皆さんに心より感謝と敬意を表したい。
若葉カップは、昭和63年の京都国体において本市がバドミントン競技の会場となったことを契機としてスタートし、いまや小学生バドミントンの甲子園ともいわれ、小学生選手の目標、憧れの大会へと発展してきた。
いよいよ始まる東京2020オリンピックのバドミントン日本代表選手でも、4名の選手が若葉カップをステップとして活躍されている。
今回の大会も、全国40都道府県から男女合計93チームが参加される。
今大会では、トーナメント方式の導入やチーム構成の縮小による大会期間の短縮や、開会式などセレモニーの中止、来場者の入場規制・制限、練習会場の分散化など、新型コロナウイルスの感染拡大防止対策にも最大限の配慮がなされている。
一方、19日の準々決勝からはYouTubeで試合をライブ配信するなどの試みも行われるほか、PR動画の配信や大会フォトライブラリーなどデジタルプロモーションにも力を入れ、大会の盛り上げと選手たちにエールを送りたい。
普段は大会会場に足を運べないという皆さんも、この機会に小学生選手たちの迫力あるプレーを是非楽しんでいただきたく思う。
さて、今大会の実施に際しては、京都乙訓ロータリークラブ様からバドミントン支柱のリニューアルに多額のご寄贈を賜ったほか、ライブ配信では村田製作所様、若葉カップに関連する番組制作ではJ:COM様から多大なご協力を賜っている。この場をお借りして心より感謝申し上げたい。
ひとりじゃない 鼓動が勇気に変わる夏
皆さんの熱い声援をよろしくお願い申し上げます!
第37回若葉カップ全国小学生バドミントン大会特設ページはこちら(別ウインドウで開く)
* なお、今大会のサブタイトル「ひとりじゃない 鼓動が勇気に変わる夏」は、茨城県代表ハルトノクラブ女子チーム所属の小学6年生 中村 羽奈さん に考案いただきました。サブタイトルの募集を行ったところ、全国から多数のご応募をいただきました。ありがとうございました。
第35回若葉カップ全国小学生バドミントン大会のようす
7月9日 平和の日を前に~あまんきみこさんとの対談
終戦直前、神足空襲で尊い命が失われた7月19日を長岡京市では平和の日としている。
その平和の日を前に、長岡京市在住の童話作家あまんきみこさんと対談をさせていただいた。
対談に際して、名作「ちいちゃんのかげおくり」や最新作「あるひあるとき」を拝読させていただいた。
子どもの日常を通じて描かれた心温まる家族のつながりや、何気ない幸せを、戦争はいとも簡単に奪い取ってしまう。このコントラストが戦争の持つ残酷さを浮き出させ、読者に対して訴えかける。
対談では、終戦の前後を過ごされた大連での体験や引き揚げ後の出来事、童話作家として活躍されるまでの歩みなどをたっぷりお話しいただいた。作品を生み出された背景やお人柄がよく伝わる対談になったのではと思う。
対談の様子は、平和を考える市民フォーラムの代替企画として、本日7月9日から長岡京市バーチャル平和祈念館で配信されている。
併せて、あまんきみこさんによる「ちいちゃんのかげおくり」の朗読もあるので、ぜひご覧いただきたい。
「長岡京市バーチャル平和祈念館」はこちら(別ウインドウで開く)をご覧ください。
あまんきみこさんによる対話と朗読の動画はこちら(別ウインドウで開く)をご覧ください。
「やっぱり戦争っていうのは、ヒタヒタヒタって、こう気付かないうちにやってきて、みんながそっちの方向に流されて、いつの間にか、正しい戦争になってしまう。」
対談の中で、あまんさんのこんなお話をお聞きし、宮澤喜一元首相がかつてどこかでおっしゃった言葉
を思い出した。
自由はある日突然なくなるものではありません。
それは目立たない形で徐々にむしばまれ、気がついた時にはすべてが失われているのです。
戦争を経験された方々の重い警句を、私たちは真摯に受け止め、つないでいかなければならない。
7月2日 すしえ?
普段は野球や遊びに明け暮れている中学生の息子が、期末試験を前に珍しく勉強をしている。
どうやら明日、英語の試験があるようだ。どう見ても一夜漬けのようにしか思えないのだが…。
というわけで、テレビを観ることもかなわず、仕方なく隣で新聞を読んでいると、問題集をやり終えたらしき息子が丸付けをして欲しいとのこと。もちろん、父の威厳を見せるべく協力する。
それにしてもケアレスミスが多いなあ、などと思いながら丸付けを進めていると、ある問題と解答に目が留まる。
次の英文を日本語に訳しなさい。
(1) This is Susie. ( こちらはすしえです )← 息子の解答
「ん、すしえ?」しばらく、頭の中で?マークが飛び交うこと数秒。
事態を把握したのち、この解答におもわず夫婦で大爆笑。「すしえって誰やねん?」「スージーに決まってるやん!」「こんなこともわからへんの??」などなど、息子への突っ込みが続く。
と、涙が枯れ果てるまで一通り笑い尽くした後、改めて冷静に問題を眺めてみる。
そして、ふとある考えが頭をよぎる。
でも、この解答は本当に間違っているのか?
確かに、ローマ字で読んだら「すしえ」と読めなくもない。
果たして、学校のテストでこう回答すると×にされるのか?
一般的には「Susie=スージー」というのが常識的な解答なのだろうが、必ずしもそれが絶対的な答えではないはず。こう決めつけることこそ、まさに思い込みや偏見ではないか?
そんな固定観念から解放され、「Susie=すしえ」という発想が出てくることこそ真に柔軟な思考なのではないか?イノベーションとはこうして生まれるのでは??
だとすると、私たちこそ凡人で、うちの息子には、まさか、隠された才能が…。
ここまで考え、疲れたので床に就く。
息子の1学期の成績が心配で眠れない。
6月25日 6月定例会閉会~新型コロナ対策補正予算が可決・成立
6月10日に開会した長岡京市議会6月定例会が16日間の会期を終え25日に閉会した。
提案した令和3年度長岡京市一般会計補正予算案を含めすべての議案を原案通り承認、可決いただき胸をなでおろしている。
今回、提案した新型コロナ対策としての6月補正の主な柱は二つ。
一つは、緊急事態宣言の発令等が長期化する中、落ち込んだ地域内における需要を下支えすることを念頭に置いた地域経済対策。
もう一つは、高齢者や障がい者など福祉事業者や子育て関連施設や教育機関での感染拡大防止対策だ。
主な項目は次の通り。
<地域経済の下支えと事業活動の支援>
◇「ながすく応援券」の給付:98,273千円
地域内における消費需要を下支えするために、18歳以下の子ども一人あたり5千円の商品券を給付
◇「リフォーム工事券」発行事業の拡充:8,000千円
商工会が発行する「リフォーム工事券」のプレミアム率を30%に上乗せ等
◇高齢者等の移動支援:32,777千円
コロナ禍で苦境に立つタクシー事業者を支えるために75歳以上の高齢者等に一人あたり2千円のタクシー利用券を給付
<感染拡大防止対策による市民生活の安心確保>
◇福祉事業者等緊急対応支援補助金の創設:2,003千円
新型コロナウィルス感染が発生した事業所に対して、10万円/件(最大20万円)の感染拡大防止等経費の補助を実施
◇児童福祉施設や子育てコンシェルジュでの感染拡大防止対策:19,900千円
保育所や地域子育て支援事業、子育てコンシェルジュ事業での感染拡大防止に係る物品購入助成等
◇修学旅行の延期・キャンセル等への補助:12,463千円
可能な限り修学旅行等を実施できるよう、やむを得ない延期やキャンセルが生じた場合の経費を計上
今後、これらの事業を速やかに執行できるよう取り組んでいきたい。
6月18日 新型コロナワクチン接種について:議会の一般質問を終えて
現在行われている長岡京市議会6月定例会も、16日、17日の両日にわたり一般質問が終了した。
その中でも、新型コロナワクチン接種の現状や見通しについてお答えしたので、最新の状況をポイントで整理してみたい。
◇65歳以上の接種状況について
6月15日現在の1回目の接種者は約8,300人。高齢者全体の37.7%が1回目の接種を完了。
国全体の接種率の37.4%と比較しても、順調に接種は進んでいる。
◇早期の高齢者接種の完了に向けて
8月以降に接種予定の方を中心に、市からの電話等により空き枠やキャンセル枠などを紹介するなど、早期接種に向けた取り組みを展開中。
現在、9割近くの方が7月中に2回の接種を完了する見込み。
一方、8月以降も、お住いの近くの会場で接種したいと希望される方も多く、8月以降に接種される高齢者も一定数残る見通し。
◇集団接種の予約状況
7月後半の予約枠から空きが出ている。
具体的には7月17日・18日の長法寺小学校以降、予約枠に余裕がある。
◇65歳未満の方への接種スケジュール
7月後半からの予約枠を活用し優先順位をつけながら順次ワクチン接種を進めていく。
◇基礎疾患をお持ちの方の接種(対象:約6,000人)
現在、接種を希望される方の申請を受付中。申請いただいた方には、6月25日から順次接種券を郵送。
かかりつけ医等の医療機関での予約をお願い。かかりつけ医等での接種が難しい方は、集団接種での予約も可能。
障がいのある方で、施設等をご利用されている方については、施設での接種を準備中。
◇60歳から64歳の方の接種(対象:約4,000人)
対象の方には6月下旬から接種券を発送。予約の集中による混乱を回避するために、年齢区分で順次送付。届いた方から予約が可能。8月・9月での接種完了を予定。
◇職域による優先接種を実施
高齢者の通所施設(デイサービス等)や居宅サービス(ホームヘルプ等)の従事者、保育所、市立小中学校、放課後児童クラブで働いておられる方への優先接種を並行して実施。(※私立幼稚園は京都府が実施される予定)
実施方法等については、今後、各事業所と調整。
◇60歳未満の方の接種
7月上旬から順次、接種券を送付予定。医療機関等への問い合わせ等の集中・混乱を回避するため、年齢順で順次送付する予定。
なお、政府の大規模接種会場での接種を希望される方は、申込みいただければ早期に対応。
60歳未満の方の集団接種の予約については、8月上旬以降を予定。
◇11月末までに希望する方すべての接種完了を目指す
市が実施する集団接種や医療機関での個別接種に加え、国や府が実施をされる大規模接種や現在進みつつある職域での接種が継続して進めば、11月末までの完了は可能。
接種機会の確保に全力を尽くす。
6月11日 雨の季節を前に
気象庁によると、近畿地方では5月16日ごろに梅雨入りをした。
近畿の平年が6月6日ごろだそうだから、21日早い梅雨入りとなる。西日本では、概して、全体的に早い梅雨入りとなった。
本格的な雨や台風のシーズンを迎えるこの季節になると、私たち自治体職員の気持ちの中では、心配事の種が一つ増える。とりわけ、昨年来のコロナ禍に加え、今年は避難所となる小学校の体育館ではワクチンの集団接種が進んでいるだけになおさら心穏やかではない。
そんな中、災害対策基本法の改正に伴い避難情報が変更されることとなった。
変更のポイントは下記の通り。
改正前「避難準備・高齢者等避難開始」→改正後「高齢者等避難」 ※名称の変更
改正前「避難指示(緊急)」「避難勧告」→改正後「避難指示」 ※「避難勧告」の廃止による一本化
改正前「災害発生情報」→改正後「緊急安全確保」 ※既に災害が発生又は切迫している状況
既に、市民への周知のため全戸に新しい避難ガイドを配布しているので是非ご確認願いたい。
本市においても、既に事前の備えに取り組んでいる。
5月17日には市役所内で避難所運営訓練を実施。45名の職員が参加の下、コロナ禍での避難所対応等のシミュレーションを行うとともに、課題等の検討を行った。
また、6月6日には、消防団、消防職員、市役所職員による水防訓練を小畑川・犬川合流地点において実施をした。新型コロナの影響で、2年ぶりの開催となったが、参加者数を限定し、訓練内容も縮小しながら、土のうづくりや工法訓練に取り組んだ。
市としても、万全の準備と心構えで、これからの雨のシーズンに臨んでいきたい。
長岡京市水防訓練のようす
6月4日 早期の新型コロナワクチン接種に向けたお願い
6月1日、第2弾となる新型コロナワクチンの集団接種の予約が始まった。
当日は、やはり電話がかかりにくいという状況は少しあったものの、大きな混乱もなく予約作業を進めることができた。
現状をご報告すると、5月6日の予約開始以降、6月3日現在、約1万人の方が集団接種の予約をされたこととなる。予約枠はまだ残っているので、これからでも予約は受け入れられる。
また、個別接種も医療機関でのご努力により、想定以上のペースで接種を進めていただいている。現在、6月・7月中のワクチン注文量からの推計では約8,000人の方の接種を進めていただく見込みだ。
4月から始めた高齢者の入所施設での接種も順調に進んでおり、対象高齢者1,100人の方への接種が6月中にほぼ完了できる。
上記から、全体の状況を整理すると、長岡京市内の全高齢者約22,000人のうち、約19,000人(86.3%)が接種を希望されており、概ね接種の予約の目途がついた状況であり、これまで「接種ができない」、「予約ができない」という不安を抱えておられた状況は解消することができた。
目下の課題は、接種スケジュールの前倒しに向けた取り組みだ。
政府が求める7月末までの接種という観点からすると、概ね接種を希望されている方のうち約87%が7月末までの2回接種を終えることができるものの、残りの13%(約2,500人)の方は2回目接種が8月以降にずれ込んでしまう。
現在、乙訓医師会の皆さんや医療関係者の方々には、個別接種や集団接種で目いっぱいのご協力をいただいており、引き続き、市として接種の前倒しの努力を継続していくものの、本市単独で接種供給を増やしていくことは厳しいのが現実だ。
今回、京都府が京都スタジアム(亀岡市)での大規模接種を実施されることとなり、人口規模の大きい長岡京市も先行予約の対象となった。長岡京市からの送迎バス体制も構築されるとも聞いており、市としても連携していきたい。
詳細は決まり次第、情報発信をさせて頂くので、ぜひ、ご検討をいただけたら幸いだ。
皆さんのご協力により、少しでも早く接種を進めていきたい。
そのことが、基礎疾患をお持ちの方や60歳から64歳の方への接種につながっていく。
5月28日 東京2020オリンピック聖火リレー
穏やかな青空の下、時おり、清々しい風がピッチを駆け抜ける。
5月25日から26日の2日間、府立京都スタジアムにおいて、東京2020オリンピック聖火リレーと点灯式が開催された。
私も長岡京市を代表し、田村直義・市議会議長、瀧川正幸・聖火リレー実行委員会委員長とご一緒に出席をさせていただいた。
当日は、京丹後市を皮切りに、宮津市、舞鶴市、綾部市、福知山市、長岡京市、亀岡市の順で、各地域で選ばれていた総勢77名のランナーが、スタジアムのピッチに設けられた特設トラック上で、次々に聖火をつないだ。
長岡京市を走行予定だったランナー9名は午後5時10分過ぎに登場。少し緊張した面持ちではあるものの、観客席の家族や友人、中継用のカメラに手を振りながら、思い思いのポージングで次のランナーへとトーチをつないでいく。
この一年、聖火ランナーに選ばれた喜びから一転、聖火リレーが実施されるかどうか不安も感じてこられたと思う。走り終えられた皆さんの笑顔を拝見し、ほんの少しだけ肩の荷が降りた。
緊急事態宣言が出されているもと、長岡京市内を聖火が駆け抜けることは叶わなかった。
聖火ランナーの皆さんはもとより、昨年から多くのボランティアの方にも登録をいただいたし、実行委員会や関係各機関において諸準備も重ねていただいた。当日、聖火を一目見たいと楽しみにしておられた市民も多数おられるだろう。
皆さんの願いやお気持ちをのせて、煌々と燃え盛る聖火が未来へとつなげてくれることを心から祈っている。
聖火リレー 京都府セレブレーションのようす
5月21日 集団接種の開始にあたり
いよいよ、この週末(5月22日・23日)から長岡京市においても、長六小体育館を皮切りに集団接種が始まる。
ワクチンは、5月中旬から順次到着しており、すでに予約が始まっている各医療機関での個別接種も5月29日以降、予定通りスタートする。
本市では、これまでから乙訓医師会など医療関係者の全面的なご協力をいただき、平日には各医療機関での個別接種を、週末には小学校の体育館での集団接種を通じて、7月中には65歳以上の対象者約22,000人のうち約70%、8月中には約86%の接種を終える計画を進めてきたが、今回、接種希望者の増加が見込まれることから、さらに集団接種会場を4会場追加することを決定した。
このことで、すべての65歳以上の対象者が希望されても十分に接種できる機会が確保される。
現状では、5月6日の第1回予約受付が、早い段階で定員に達してしまったこともあり、予約が取れずにご不安に感じておられることも多いと思う。
今回の集団接種会場の追加によって、予約枠数も大幅に増加され、加えて、医療機関での個別接種もすでに受付が始まっており、6月1日以降、予約ができない状況は順次、解消されるものと考えているので、少しお待ちをいただきたい。
現在も、医療関係者の皆さんには最大限のご協力をいただきながら、接種機会を確保しており、これ以上の前倒しは、接種会場での安全性や医療機関での通常診療等にも影響を与えかねない。
今後も、安全かつ安心して接種いただける環境づくりを最優先にしながら、一日も早く65歳以上の対象者への接種を終え、次のステージへと進むべく、引き続き取り組んでいきたい。
5月14日 白いスケジュール
本市のホームページ内の「こんにちは市長です」のコンテンツの一つとして、当欄「雑感日記」とともに、向こう一週間の「市長のスケジュール」を公表している。
市長に就任した際に、過去の行動ではなく、これからの予定をお伝えすることで、少しでも身近に触れていただく機会につながれば、との思いで始めた。
掲載するのは公的な催しやイベント、会議や総会などが中心で、個々の面談やアポイントメントについては、その趣旨や先方の意向にも配慮し基本は非公開とさせていただいている。また、内部の会議やミーティングなど日々動いているものについても掲載はしていない。
以来、それなりに閲覧をいただいているようで、時折、「見ているよ」と声をかけていただくこともある。
そのスケジュールが昨年からやはり寂しくなっている。
今年も4月を見返すと、それなりに記載はあるのだが、緊急事態宣言が発出されて以降、5月はほとんど真っ白に近い状態。
2年前の今頃のスケジュールを振り返ってみると、各種会議や諸団体の総会・懇談会、地域ではスポーツイベントや学校での催しなど、盛りだくさんな状況で、当時を思い出しながら、現状とのギャップに切なさを感じざるを得ない。
私自身にとって、上記のような場面を通じての会話やそこでの話題等を通じて、「どんなことに関心が寄せられているか?」、様々なトピックスについて「どんな風に感じておられるか?」といった「市民感覚」をつかむ絶好の機会であり、それらが市政運営の中で行わなければならない判断の礎となっていただけに、そうした機会が無い現状は本当に辛いものがある。
しかし、嘆いてばかりもいられない。
あの日常をもう一度取り戻すための一つの大きな希望でもある、ワクチン接種が動き始めている。
予約等をめぐり、皆さんには大変なご不安・ご心配をおかけしているが、必ず、希望されるすべての皆さんが接種できることはお約束する。
現在、その体制づくりに全力を尽くしている。白いスケジュールはまさにそのためにあるのだから。
5月7日 高齢者ワクチン接種予約開始
5月6日より、高齢者ワクチンの集団接種の予約受付を開始した。
第1回目となる今回は、5月22日から始まる6会場の予約枠約5,600名分の予約を受け付けたが、午前9時の開始以降、お昼の段階で早々にすべての予約枠が埋まってしまった。
今回、電話とLINEを利用した受付体制を構築したが、いずれも開始当初からアクセスが殺到し、電話がつながらない、LINE画面が動かないなど多数の苦情を頂戴した。
それぞれご不便・ご苦労をおかけしたことをまずは心からお詫び申し上げたい。
電話の混線については、想定をしており、その混雑を回避するためにLINE予約システムを導入し、事前から多くの方にご利用をお薦めしてきた。
結果、今回、LINEでの予約が全体の約9割を占めることとなった。これは、私たちの想定をはるかに超えるものだ。
確かに、電話混線の緩和には一定の効果があったとはいえるが、結果的には、想定以上に早い段階で予約枠が埋まってしまい、電話での予約を希望されていた方には大変ご迷惑をおかけしてしまう事態となった。
今後、医療機関での個別接種も順次始まる予定ではあるが、今回の受付状況等を見ても、現在想定している接種希望率の70%は相当上回ることが十分にありそうだ。
いずれにせよ、希望されるすべての方が接種できる体制をつくっていくことが求められる。
今回の状況も踏まえながら対策を講じていきたい。
4月30日 長岡京市での感染拡大の状況
今年もまた、緊急事態宣言が発令される中で迎えるゴールデンウイークとなってしまった。
今なお、大阪や東京といった大都市圏を中心とした感染拡大の傾向は止まりそうにない。
長岡京市では、4月の感染者数は4月29日現在ですでに73名に達しており、一ヶ月当りの感染者数で最高値を記録した今年1月に並んでおり、過去最多になることは確実だ。
また、4月29日の感染者数は9名と、一日当たりの最高値も記録している。
これまでからお伝えしてきたように、今回の第4波の感染拡大の特徴としては、拡大のスピードが非常に速い、小中高校生を含めた若い世代での感染者数が増加している、家族内にとどまらず家族外への社会的な接触による感染事例が増加しているなど、第3波までの感染状況とは異なる脅威となりつつある。
今回、長岡中学校で発生した感染事例は、まさにこうした脅威を象徴するケースだと言える。
4月30日現在、19名の児童生徒の感染に加え、ご家族の感染事例も確認されている。
すでに休校措置等はとられ、現在、保健所による接触者等の確認作業やさらなる拡大を防止するための積極的なPCR検査が行われているが、いましばらくは感染者の増加は避けられそうにない。
学校再開に向けて、対策と状況の把握に努めたい。
いよいよ始まった大型連休。
連休が明ければ、いよいよ本格的に高齢者へのワクチン接種も動き始める。
まずは、この感染拡大の状況を減少傾向へと転じていくためにも、皆さんの引き続きのご協力を心よりお願い申し上げる。
4月23日 新型コロナワクチン接種
長岡京市でも高齢者への新型コロナワクチンの接種が始まった。
本市においては、4月中に配分されるワクチン量が少量であること、高齢者の入所施設でのクラスターが全国的に頻発していること等を考慮し、まずは高齢者入所施設からスタートをする。
21日、まずは市内3ヶ所の特別養護老人ホームで接種が開始された。今後、順次、対象施設を拡大していく予定。
対象施設に入居されていない高齢者については5月22日(土)に接種を開始する。
接種を希望される高齢者の方には、二種類の選択肢がある。
一つは、ご近所の開業医・医療機関で接種をする「個別接種」。
接種を実施していただく具体的な医療機関名等は、現在、乙訓医師会と調整中だが、5月中旬に発行予定の臨時広報やホームページで公開をする予定だ。
もう一つは、長岡京市が小学校の体育館をお借りし実施する「集団接種」。
長岡京市では、5月22日以降、毎週土曜日の午後、日曜日の午前・午後に実施をする。
具体的なスケジュールについては、すでにホームページで公表されている。また、5月1日号の広報誌と同時に臨時広報で皆さんのお手元にお届けをするのでお待ちをいただきたい。
なお、「集団接種」の予約の開始は5月6日から始める。
今回、接種対象となっている高齢者数は、長岡京市の場合約22,000人。
接種率は、今冬のインフルエンザワクチン接種率より高めの70%(約15,400人)を想定している。
「集団接種」では、一つの会場(土日の2日間)でおよそ約900名の接種、合計で約10,000人の方が受けていただける環境を整える。
併せて「個別接種」でも毎週同数程度の接種をいただけるよう医師会と協議を重ねている。
これらを通じて、8月には希望するすべての高齢者へのワクチン接種は終えられる。
政府からも5月以降は、必要な数だけのワクチン供給が可能だとの見通しが示されている。
市民の皆様には、安心して落ち着いた環境で接種をしてもらえるよう最大限の努力をしていく所存だ。
市民の皆様の協力をよろしくお願い申し上げたい。
なお、新型コロナウイルス関連情報についてはこちらをご覧ください。
4月16日 ごみの減量に向けて
可燃ごみ(もえるごみ)の削減を目指して導入した指定ごみ袋制度が2月1日にスタートしてからはや2ヶ月あまり。
指定袋制度の導入は、家庭ごみの組成分析の結果、紙類やプラスチック類など資源化可能物がおよそ3分の1含まれており、半透明のごみ袋の導入により、市民の皆さんの分別意識を高めることで、可燃ごみの削減を目指したものだ。
制度導入の決定からおよそ1年半の周知期間を経て、この度、本格的に制度が始まった。
初日の2月1日には、私も市内数カ所のごみステーションでの点検作業に同行したが、初日からおよそ9割近くの方に指定袋でのごみ出しにご協力をいただき順調なスタートを切ることができた。現在では、さらに理解も進み、ほぼ100%に近い皆さんのご協力を賜っている。
指定袋制度の導入後のごみ減量効果も明らかになりつつある。
速報値ではあるが、単純な前年同月比との比較で言うと、
2月 911.34t → 809.17t (-102.17t)で11%の削減
3月 1,154.48t → 982.60t (-171.88t)で15%の削減
比較対象を過去5年間の平均値としても、
2月、3月それぞれ13%、11%の削減と1割以上の削減を達成することができている。
わかりやすく言えば、3月の削減量(前年同月比)は通常のパッカー車(2t)約85台分のごみが削減されたということだ。
併せて、資源ごみ(カン、ビン、ペットボトル、その他プラ)の収集量は、2月で5%の増加、3月で27%の増加であるが、この増加はコロナの影響による増加なのか、指定袋の効果なのかもう少し見極めが必要になってくる。
他市町村など全国的な傾向を見ると、新型コロナウイルスによるステイホームの影響などもあり、可燃ごみの排出量は増加傾向にある。
そうした中での削減・減量ということを鑑みれば、指定袋制度の導入により、市民の皆さんの分別意識の更なる高まりが大きな成果を生んでいると言える。
本市においても、今後、市民からの要望の大きい、少量用の指定袋の導入や古紙回収機会の増加など関連施策を実施していく予定だ。
いずれにせよ、今回の制度導入における市民の皆様のご協力に感謝申し上げるとともに、この傾向が引き続き持続されるよう、更なるご協力をお願いしたい。
ごみステーションでの点検作業のようす
4月9日 京都にもまん延防止等重点措置
本日、京都府からの要請を受け、政府は、京都市へのまん延防止等重点措置の適用を実施する見通しとなった。期間は来週12日から5月5日までとする方向。
対象地域である京都市に隣接し、すでに対象となっている大阪府内、兵庫県内との往来も多い本市においても、警戒のギアを一つ引き上げなければならない状況にある。
京都府では、2週間で患者数の増加が2倍であった第3波に比べ、直近2週間で患者の増加数が4倍を超えるなど、感染が急拡大している。
本市内においても、新規感染者数は2月6例、3月16例と落ち着いていたものの、4月に入り8日現在ですでに15例を数えている。
感染症例からも、まん延防止等重点措置の対象地域を起点とした感染経路の症例が頻発、また、家族内感染にとどまらず家族外の方への社会的な感染症例が散見されるなど、第3波以上に感染拡大への懸念を持たざるを得ない状況だ。正直、これまでの中で、最も危機感を抱いている。
昨年の緊急事態宣言からおよそ一年が経過し、対策が長期化していることに加え、年末からの第3波が一定の収束を見てきた矢先だけに、ここから再度、感染拡大防止への意識をさらに高めていくことに手詰まり感を持たざるを得ないのも事実だと思う。
繰り返しにはなるが、手洗いや小まめな消毒、換気など三密の回避といった基本の徹底が求められる。
市としても、高齢者へのワクチン接種に向けて諸準備を着実にすすめている。
ぜひ、引き続きのご協力をお願い申し上げたいと思う。
4月2日 仕事を楽しめる一年に
桜が満開に咲き誇るなか、年度替わりの節目を迎えた。
3月31日には、佐々谷副市長、山本教育長、そして、17名の職員の退職をお送りした。
この場をお借りし、長年にわたり市政を引っ張ってきていただいた皆さんのご尽力に、改めて心から感謝と敬意を表したい。
そして、翌4月1日。特別職として、新たに末永靖弘副市長、西村文則教育長をお迎するとともに、23名の新入職員が市役所の仲間に加わることとなった。
組織改正や人事異動も行い、新しい体制での船出となる。
引き続き、再拡大の懸念が高まりつつある新型コロナウイルスの感染拡大防止や高齢者のワクチン接種などを最優先課題としつつ、これから始まる第4次総合計画第2期基本計画を着実に推進し、山積する課題にもしっかりと取り組んでいきたい。
今年の入所式では、孔子の「知・好・楽」という言葉を引かせていただいた。
論語には、「これを知る者は、これを好む者に如かず、これを好む者は、これを楽しむ者に如かず」とある。
知っているだけの者は、好きで取り組んでいる者にはかなわない。
好きで取り組んでいる者も、楽しんで取り組んでいる者にはけっしてかなわない。
今年は市役所運営においても、「楽しい職場づくり」に取り組んでいきたいと思う。
様々に難しい課題や困難な状況に直面しているからこそ、楽しい職場づくりを通じて仕事に取り組むことが、結果として、市役所のパフォーマンスを最大化できるはずだ。
今年度も、市民の皆様、関係者の皆様には、ご指導・ご鞭撻賜りますようよろしくお願い申し上げます。
市役所令和3年度入所式のようす