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助け合いとつながり推進月間記念企画「まち活してる人に市長が聞いてみたっ」WEB版

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助け合いとつながりを推進する活動について聞いてみたっ

 まちの活動に関わってみると、実は楽しいことがいっぱい! 10月の「助け合いとつながり推進月間」に合わせ、" まち活" 仲間を増やそうと活動を続けるお二人に、市長がインタビューしました。" 一歩" を踏み出すヒントが満載ですよ。

*「長岡京LIFE」令和5年10月号に掲載したインタビュー記事のWEB版(拡大版)です。

鼎談3人の写真

助け合いとつながり推進月間って?

今年1月に施行した、よりよいまちづくりへの理念をうたう「助け合いとつながりのまちづくり条例」。その理念をみんなで共有し、まちづくりを進めていくために定めた月間です。

推進月間ロゴマーク

参加者

八木仁美さん(八条が丘自治会会長)

今年度から自治会の会費制度を廃止し、地域全員を会員とみなした“ジチカツ”を展開。「一人ひとりが地域で幸せになってほしい」と活動を続けている。

八木さんの写真

宇津亜季さん(ふるふる長岡京、市民ライター)

地域の魅力を伝えるとともに、発信者の育成にも取り組む市民団体「ふるふる長岡京」(別ウインドウで開く)のメンバー。広報紙「長岡京のきらり」記事執筆などで活躍中。

宇津さんの写真

中小路健吾市長

中小路市長の写真

インタビュー

三人で語り合っている写真

条例ができてこれからのまちづくりは

中小路市長 今回新たに「助け合いとつながりのまちづくり条例」が施行しました。背景としては自治会加入者の減少がありました。「加入するのも嫌だ」と言う方が増えていて、市長になった10年前は加入率が6割以上でしたが、今は5割以下となっている。また、NPO活動などほかの活動をしている人たちも高齢化してきて、代替わりが難しかったりしていると聞きます。PTAでも役員の押し付け合いで、くじ引きで決めるという傾向が顕著になって、存続すら危ぶまれているところも。

 ただ、これらの団体は、基本的には「助け合い・共助」という仕組みであって、「必要なことだよね」とみなさん思っているとは思います。今回の条例は、「行政も市民もあわせてどういうことができるのか」「みんなでやっていくようなものにしようね」という思いを言語化したものだと思っています。

 いずれにせよ、今回の肝は「共助を支える人材をどうやって作り出すのか」ということ。「どうすればそういう人たちがたくさんでてくるまちになるのか」というのがこれからの最大のポイント。条例をつくるプロセスで市民のみなさんと議論を重ねましたが、「共助というものをみんなが嫌がっているわけではない」と感じました。みんながみんな嫌がっているわけではなく、楽しみながらやられている方がいる。「楽しい活動」であれば、もっと人がつながったり、入っていったりできるのかなと思っています。

 楽しく共助の活動ができる人や、そのきっかけづくりをできないかというのが、この条例ができてみなさんと一緒にやっていくときのポイントで、スタートラインかなと。

 今日はお二人がどういう思いで活動しておられるのかが記事で伝われば、共感してくださる方が増えるのではないかと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。

 

活動のきっかけ

 はじめに、八木さんは、自治会だけではなくそれぞれいろいろなことをされていると思います。宇津さんは、子育てが若干落ち着いてきた中で発信の活動をされていると伺っています。それぞれのされている活動について、そのきっかけをお聞かせください


八木さん 仕事(ケアマネジャー)で関わっている高齢者のお困りごと支援をしていますが、地域(自治会)が抱える課題と仕事で抱える課題がリンクしているなと感じたのがはじめ。仕事の研修で、必ず最後に「地域課題の解決はどうするか」が出てくる。よくよく考えたら、自分の地域について知らないなと思ったのがきっかけです。そのタイミングで、前自治会長さんから「自治会長にならないか」と打診があり、どうしようかと思ったんですが、地域課題って、地域に入ってみないと見えてこない、卓上では解決しないと考え引き受けました。 

 悩みましたが、自治会長になり、地域の課題が見えることで、もしかしたら仕事でも活かせるかもしれない。双方の解決につながるかもしれないと思い、心配する家族には「やってみるよ」と伝えました。夫はとても驚いてましたが、家族が協力体制になってくれたのも、自治会長になるきっかけにはなっています。


中小路市長 ケアマネジャーはいつごろから、結構長くされているんですか。

八木さん 介護保険ができたころからしています。高齢化はどこの地域でも同じで、今はケアマネジャーが少なくなっているのと、高齢化のスピードがはやいので足りなくなってくるのではないかと言われているところ。

中小路市長 同じ高齢化にしても、たぶん、言われ始めた当初と今では課題感や切実さがだいぶんと違うのかもしれませんね。宇津さんはいかがですか。

宇津さん 結婚して長岡京市に住み始めましたが、5年ほどたって夫の転勤で埼玉へ。昨年3月、7年ぶりにまた戻ってきた再転入組です。

 もともと結婚して転入してきた地であるため、地域の知り合いがおらず、もう一度戻ってきても同じ状況でした。せっかく長岡京市に住むようになったので、知り合いも作りたいし、まちで活動できればと思っていました。公民館やサポセンに行くと市民活動のチラシがたくさんあり、問い合わせをしようかと考えたこともありますが、あと一歩やはりハードルが高かった。それでも何かしたいなと思い続けていたところ、市の広報紙で「市民ライター養成講座」を見て、前住んでいたところでも地域情報誌のライターをしていたため、こういうことに参加をすれば地域の人と触れ合う機会もあるし、ライターへの興味もあるということで参加させていただきました。取材の機会をいただいたり、広報紙の記事を書かせていただく中で、長岡京市の魅力をSNSで書いていこうという市民団体を一緒につくる知り合いもできて、つながりができてきたという流れです。

中小路市長 やっぱり知らない団体に急に行くのってハードルが高いですよね。今回は市の主催事業でしたが、市だと若干安心感はあるのかもしれませんね。

宇津さん はい。それはあります。


モチベーションは

中小路市長 そういうことをやりたい人たちと、いろんな団体さんとのマッチングの場があるといいですよね。何かしたいという人と、目標や目的に向かって活動したいと思っている方をつなげると、共助の担い手が増えていったりするのかなと思いますね。

 活動をされているとしんどいなと思うこともあると思いますが、続けていただいているということはなにか楽しいこととか、原動力となることがあると思うのですが、お二人のモチベーションは何でしょうか

八木さん 人材発掘はとても楽しみになっています。原動力としては、地域で今まで知らなかった人が、今まで知らなかった世界のことを教えてくださるというのが刺激になっています。自治会長という立場で、そういった人たちが活躍する場を提供することで、自分にできないことはその方々にしていただき、地域がその方々の居場所となっていき、またそこから人と人とがつながって、知り合いが輪になっていくことがとても大事になるなと。点が線になり輪になるのは、地域の安心感や防犯にもつながり、魅力だと考えています。

 また、自治会長を引き受けなければ、市の職員さんと仲良く近くでお話しすることがなかったなと思います。どういう課のどういう担当の方がどういうことを知っているのか、なかなか知る機会がなかった。よくよく考えてみたら、「お役所の人はお役所の仕事だけをしている」と思ってましたが、何をしているのか見えていなかったんだなと。私たちが私たちの役割をしているように、市役所の人は市役所の人の役割があって、同じまちをつくっていくという中で役割が違うだけなんじゃないかということに、自治会長をやって初めて気が付きました。何か教えてもらおうと思えばいくらでも知恵をくださる。なんだか宝物を得たような気がしています。ハードルが高いのではなく、同じ場所に、同じ平行線上に担当の方がいらっしゃるなという実感があり、お友達が増えたような感覚です。自治会長を自身の等身大でやっていくことが楽になった瞬間でした。

 しんどいことは無いと言えばウソになる。ボランティア活動と仕事と兼ねてしまっていて、子育てはやっと少し落ち着いたのですが。

 今年、条例施行に合わせて自治会の会則を変えました。会員の会費と補助金で自治会を運営しているが、会費をもらうと、会員向けに何かをしなければいけない。コロナ禍でたいへんだったのが、会費をもらっているのに何も活動ができないということ。会員は会費を払って地域のいろんな役員で何かをしなければならないというプレッシャーで、そこがデメリットでしかないと思われるのをどうやったら解消できるのかというところを、今改革しているところ。自治会=デメリットしかないと思っている方がまだいらっしゃって、そう言われる方に出会うとつらいなとは感じます。

宇津さん まだ活動をはじめたばかりなので、まだまだ自分が長岡京市のことをまだよくわかってないなというのを日々感じている。困っているというより、それがまた楽しみにつながっていくのかなと思わせてもらっている。

中小路市長 いつから活動をはじめられたのですか。

宇津さん まだ1年たっていない。これからです。自分が関わっていることで喜んでくれる人が増えたり、私自身も知らなかったまちの魅力を、活動を通して知ることができるのがいちばんの喜びで、続けていきたいなと思う原動力。動いていないと出会えない人がいる。長岡京市には「まちをより良くしよう」とか「良いサービスや物を提供しよう」という思いでがんばっておられる方がたくさんいらっしゃるというのが、見えるようになってきた。何気なく通り過ぎてきたものを、一歩踏み込むことで、店や商品、活動している人たちの思いを教えてもらったり、発信できたり、人の流れができたり交流につながるのかなあと。そこがすごく魅力です。


市の魅力

中小路市長 長岡京市の魅力ってどういうところですか。市長の前だと思ってなくても言わなあかんと思われるかもですけれど(笑)

宇津さん 自然が身近なところ。

中小路市長 そうですよね。でもその自然もだんたん少なくなってきているなと感じますね。これだけ発展するとそうですが。

 まちが、もっとこんな風になったらいいのにな、というのはありますか。

八木さん 単純に住みやすいまちだと思っている。長岡京市から出たことがないので比較ができないけれど。もしかしたら当たり前に生活していることが、ありがたいことなのかもしれないと思い始めています。最近、まちがどんどん変わってきて、どんどん便利になっているなと思う一方、もう少し緑を残してほしいなあと思ったり。1歳2歳のころ、ガタガタだった道を走り回っていて、それを近所のおばちゃんたちに見守ってもらっていた。

中小路市長 長岡京市はちょっとゆったりしたところが、まだ比較的あるのかなと。東京や大阪出張から帰ってきたときもそう感じる。なんとなく、緑が多かったり、人がおおらかな感じはする。勝手なイメージかもしれないが。

伝えたいこと

中小路市長  人と新しく出会ったり、人とつながることに対する欲求というか、私も人と話したり知り合いが増えることがうれしかったりするけれど、活動のキーはそこにあると、楽しく参加できるのかなと思いました。みなさんが今やり始めたりしていただいている中で、「関心あるな」とか「これからやってみたいけどどうしたらいいのかな」と感じている方に対して、お伝えしたいことはありますか

宇津さん 一歩踏み出してみないとわからないので、とにかくまずは一歩。

中小路市長 出入りが自由にできる、ということが大事なのかも。いったん入るともう出れない、のではつらい。

宇津さん 「思っていたのと違う」というときに離れられる場所でないと、参加しづらいですね。

中小路市長 入ってみて、やめようと思うと否定されたらちょっと…。

宇津さん 人それぞれ合った活動の方法があるはず。情報を集めたり、問い合わせしたり、本当に多種多様な活動をされている団体が数多くあるから、きっと自分に合っている地域で活動できる場があると思います。

八木さん 身近な関心ごとからでいいと思います。地域の中でチームで興味のあるところに入っていれば、それが自治会ではなくても、そこで居場所ができればと。協賛金制度にしたのはその思いがあってのこと。もし会費が集まらなければ、その規模にあった事業をすればよいと思った。無理に大きな事業をしなくてもよい、等身大のもので、興味のある人が集まればよい、と。

 ただ、夏祭りで「抽選会をします」と呼び掛けると、地域で見たことがない人もたくさん集まってくれます。今年は初めて300円でビアサーバー飲み放題を導入したところ、見たことがなかった方がおいでになって、ビールを飲みに来られていて印象的でした。「こういう方も地域にいるんだな」とわかるだけで、私としては大成功。挨拶するきっかけになったり、会話をしてみたり、夏祭りが地域のつながりの一つになっているなと。自然にみなさんお越しいただいて、楽しい催しを自治会でしているんだと思ってもらえるとうれしい。
 興味のあることを自分で見つけて覗いてみる。ちがうなと思えばまた別のところに行ってみればよい。長岡京市ってそんな堅苦しいところじゃないですよ、と若い人に伝えたい。

中小路市長 「楽しい」という実感と、「参加した」という実感がないと続かないのかもしれないのだと思います。

 たとえば地元でイベントをするときに、その年に役員になったばかりの人も手伝いにきてくれるんですが、前から役員をしていてなんでも知っている人がテキパキ進めてしまって、新しく役員となった人には出番がないということがありました。そうなると、新しく役員となった人は参加した気にならないのではないかなと感じます。役割を果たしたときの充実感や満足感が、「楽しい」につながるのではないでしょうか。そういう満足感を得られるところと出会えれば活動が続いて、共助の種になるのかなと。

 逆に言うと、場をしつらえる側、受け入れる側も変わっていかなければいけないのかなと。受け皿がきっちりと受け止められるだけの体制となっているかどうか。一生懸命やっているということと、入りやすい体制となっているかどうかはまた別だと思います。八条が丘自治会さんも今、それについていろいろ改革をされているところですが、共助の受け皿として今活動している方も変化していく必要があるのかなと。

 

最後に

宇津さん まだまだできたばかりの団体。インスタグラムなどのSNSを通じて長岡京市の持っている魅力を発信していく人を増やすことが目的の団体です。長岡京市の知らない魅力をSNSを通じて発見していただいて、足を運んでお店に行ったり、良いまちだなと思ったりしてもらえることが目標です。住んでいる人が主人公で、住んでいる人の目線でお伝えしていくということを目指しています。

 市長や市役所の人と今日話せて、目指すところが同じなんだなと再確認できてよかったです。

八木さん 少し前は仕事と家庭とで精一杯で、地域活動に参加してなかったというお恥ずかしい話です。でも、できるようになったときに、受け入れられる先があるということが重要かなと。小さなお子さんであっても、いくつになっても、その機会が転がっていることが大切かなと。地縁でいうと、それが自治会になればなと。

 堅苦しくって、「やらなあかん、やらなあかん」と年上の人たちに言われるだけの場所だと少し入りづらい。せっかく条例ができたので、自分で変えることができるのなら、と改革をはじめました。小さなお子さんだったとしても、自分の地域を作ることは可能なんだと思っていただきたい。自治会に一歩入ってみて、変えてほしいと思ったら、意見を言ってみて、活動に携わるということに一歩踏み出してほしいなと思います。

お問い合わせ

長岡京市市民協働部自治・共助振興室地域協働係

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