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中小路市長の雑感日記(令和2年度バックナンバー)

  • ID:9733

2年度の雑感日記(ページリンク)

3月26日 福笑い

3月19日 卒業生の皆さんへ

3月12日 震災後 十年に思う

3月5日 あれから一年

2月26日 緊急事態宣言 解除へ

2月19日 無意識の偏見

2月12日 大河ドラマ 終わる

2月5日 緊急事態宣言の延長にあたり

1月29日 復興への第一歩~走田神社での植樹

1月22日 要と不要

1月15日 緊急事態宣言発令にあたり

1月8日 年頭のごあいさつ

12月25日 今年の5冊:ノンフィクション部門

12月18日 今年の5冊:小説・フィクション部門

12月11日 関西広域連合10年

12月4日 12月定例会 始まる

11月27日 ご当地タニタごはんコンテスト

11月20日 大統領選挙から見える違い

11月13日 イベントの秋

11月6日 セレンディピティ

10月30日 ざんねんな…

10月23日 パートナーシップ

10月16日 市役所内での新型コロナウイルスの発生を受けて

10月9日 ワーク・ライフ・インテグレーション

10月2日 こんな風になりたいな

9月25日 新しい趣味

9月18日 国勢調査2020 ご協力のお願い

9月11日 性の多様性を尊重する社会へ~議会からの提言

9月4日 第4次総合計画 第2期基本計画

8月28日 頭はやわらかく

8月21日 歴史ではなく記憶として

8月7日 戦後75年 平和について考える

7月31日 新型コロナウイルスの感染再拡大を受けて

7月17日 長岡京ガラシャ祭2020の中止を受けて

7月10日 豪雨被害に備えて

7月3日 ポストコロナを見すえて

6月26日 6月定例会が閉会

6月19日 変えてはならないもの

6月12日 市議会6月定例会はじまる

6月5日 歴史ロマンに思いをはせる

5月29日 来年こそは!

5月8日 温かいお気持ちへの感謝

5月1日 突然の死を悼む

4月24日 スピード感をもって

4月10日 新入生の皆さんへ

4月3日 新年度を迎えて

3月26日 福笑い

 

三寒四温を繰り返しながら、少しずつ春の足音が近づいている。

今年は、例年よりも少しだけ早く桜の満開を迎えそうだ。令和2年度もいよいよ幕をとじる。

 

暖かくなり始めるこの季節になると、聴きたくなる大好きな曲がある。

シンガーソングライターの高橋優さんの『福笑い』だ。

「きっと此の世界の共通言語は、英語じゃなくて笑顔だと思う」

という、サビの歌詞とメロディに一気に心をつかまれた。

 

曲全体を通じて、心の温まる歌詞にあふれているのだが、次の一節をご紹介して、今年度の締めくくりとしたいと思う。

 

誰かの笑顔につられるように  こっちまで笑顔が移る魔法のように

理屈ではない所で僕ら  通じ合える力を持っているはず

あなたは今、笑っていますか?  強がりじゃなく心の底から

憎しみが入る隙もないくらい  笑い声が響く世界ならいいのに

 

 

本年度も、皆様方には大変お世話になりました。心から感謝申し上げます。

来年度、この歌詞のような世界が訪れることを心から祈っています。

 










赤根天神社の桜

3月19日 卒業生の皆さんへ

 

卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

 

皆さんにとって、最終学年を過ごされたこの一年、新型コロナウイルスの影響により、臨時休校や各種行事の中止・縮小など、学校生活においても、日常生活においても、色んな我慢が求められることとなってしまいました。

そんな苦労や困難を乗り越えてきたからこそ、皆さんには、胸を張ってそれぞれの学校を旅立って欲しいと願っています。

これからも、皆さんが歩んでいかれる人生においては、壁にぶつかったり、辛い出来事や苦しい状況に直面することがあるかもしれません。

そんな時、次の言葉を思い出してみて下さい。

 

束縛があるからこそ、私は飛べるのだ

悲しみがあるからこそ、私は高く舞い上がれるのだ

逆境があるからこそ、私は走れるのだ

涙があるからこそ、私は前に進めるのだ         /  マハトマ・ガンジー

 

長岡京市では、次の十年間、教育における基本理念として、

「明日の長岡京を創る しなやかな人づくり」を掲げることとしました。

ここでいう「しなやかさ」とは、人に寄り添う協調性、折れない強さ、型にとらわれない柔軟性を含めた、『成長していく強さ』を指します。

 

人類が直面しているコロナ禍のなかで、学校生活をやり抜いた皆さんだからこそ、きっと「しなやかな人」として、これからさらに成長していくことができるはずです。

 

これからの皆さんの活躍を心から祈り、お祝いの言葉といたします。ご卒業おめでとう!

 










春の訪れを告げる陽光桜

3月12日 震災後 十年に思う

 

東日本大震災から十年が経った。

当時に思いをはせながら、その頃に読んだ一冊の小説を読み返してみた。

『震災後 こんな時だけど、そろそろ未来の話をしようか/福井晴敏(小学館)』だ。

震災後の混乱と原発事故をめぐる状況を背景に、祖父、父、長男という世代を超えた家族の葛藤が描かれる。

 

印象的なのは、主人公が「将来」は現実的で個人的なもの、「未来」はもっと全体的で、不確定な意味合いを含むものと定義したうえで、次のように語る場面だ。

 

「将来は放っておいても必ずその人のものになるけど、未来は必ずやって来るとは限らない。見よう、見せようとしなければ、見えないし、手にも入らないもの…それが未来だと。」

そして、子どもたちにこう呼びかける。

「だからこそ、未来がいるんです。震災でより不確かになった明日を切り拓くために、人間の意志が作り出す未来が。」

 

圧倒的な自然の驚異とそれがもたらした被害の大きさを目の前にした無力感。

安全性や経済性をめぐり背反する価値の狭間での葛藤。

先を見通せないことへの恐怖やいら立ち。

この物語のテーマにあるのは、そうした感情にどのように向き合っていくのか。震災後を生きる人々の心象風景ではないだろうか。

 

そして今、私たちは新型コロナウイルスという新たな脅威の真っただ中にある。

驚異の対象は異なるものの、先ほど述べた心象風景と、いま私たちが直面している状況の中での感情を重ね合わせてみると、相似形にあるとも言えなくもない。

 

この十年で、私たちは何を学び、得てきたのか。

そして、次の世代へつなげるための、意志ある未来を示していくことができるのか。

この節目を機に、そのことを自らに問い直してみたい。









『震災後 こんな時だけど、そろそろ未来の話をしようか/福井晴敏(小学館)』

3月5日 あれから一年

 

新型コロナウイルスの感染が拡大し始めて、およそ一年が経過した。

昨年の当欄を振り返ってみると、2月21日付けで「新型肺炎対策~手洗い等の徹底を!」として、市民への注意喚起を行っている。

そして、その翌週には、政府から全国一斉の小中学校の臨時休校が要請され、本市においても休校が決定したことをお知らせしている。当時、急遽な要請に対してあわただしく諸準備に奔走したことを今もはっきりと覚えている。

この頃から、私たちの身の回りで実際に起こっている現実として実感をした方も多いのではないだろうか。

 

以後、この一年間、様々に厳しい局面に直面し、難しい判断を求められてきた。

何よりも、発生当時は、コロナウイルスに対する情報があまりにもなく、それが故に各対応も手探りとならざるを得なかった。よくわからないということが、これほどまでに怖いことなんだと痛感したものだ。

それから、およそ一年が経過し、私たちは当時と比較をすれば、コロナウイルスに関する情報も、感染拡大を防ぐために求められることも、格段に多くを学んできた。

完全にコロナ前に戻ることは難しいのかもしれないし、ある程度戻れたとしてもまだ少し時間はかかるのかもしれない。

それでも、私たちはきっとこの困難を乗り越えられる。

 

進化生物学者のジャレド・ダイアモンド氏は、近著『危機と人類』の中で、国家が危機に際して、切り抜けられるために必要とされることを次のように分析している。

 

・現実的な自己評価

・優れたことを学び、変えることのできる能力

・自国の中核的な価値観は維持できる能力

・社会や政治で妥協できる柔軟性

 

もう少し先の長い闘いは続く。必ず乗り越えられると信じて。

 

2月26日 緊急事態宣言 解除へ

 

政府は、10都府県で発令中の新型コロナウイルス緊急事態宣言をめぐり、京都府を含む大阪府、兵庫県の3府県などからの要請を受け、解除に向けた検討に入りました。3月7日までの期限を待たず、今月内での解除の方向性で最終調整がなされています。

 

昨年末からの第3波での感染者急増により、京都府では、一時期は136.71名(1月13日)を数えた新規陽性者数(7日間平均)も、2月24日には11.71名まで減少しました。

また、人口10万人あたりの全療養者数も55.13人(1月13日)から14.71人へと減少、高度重症病床の使用状況も63.3%(1月13日)から5.3%となるなど、一定の落ち着きを見せてきています。

本市においても、1月には73例もの感染例が確認されましたが、2月は、16日を最後に新たな発生は確認されておらず、現在までで6例となっております。

 

こうした状況を受け、今回、緊急事態宣言の解除に向けた検討がなされてきたわけではありますが、これも、この間、多くの制約等にご協力いただいた、市民の皆さんや事業者の皆さんのご理解と行動、医療関係者等のご尽力の結果に他なりません。

改めて、心より感謝を申し上げたいと存じます。

 

もちろん解除になったとしても、引き続き、再拡大への懸念がなくなるわけではありません。

その意味では、慎重な行動が同様に求められることにはなりますが、同時に、これまでの日常を取り戻す一歩を踏み出せたことは間違いありません。

 

14日、新型コロナウイルスのワクチンが承認をされ、一部、医療従事者へのワクチン接種が始まりました。日常を取り戻すための次の一歩だと言えます。

今後、高齢者への優先接種に向けて私たち市町村が果たすべき役割は大変大きいものがあります。

具体的なワクチン供給の量やスケジュール等は示されておらず、未確定なことも多い状況ではありますが、本市においても、速やかで円滑な接種環境の構築に向けて準備を進めております。

現在開会中の市議会3月定例会においても、必要な予算措置等のお願いをしていく方向で調整もしております。

 

引き続きとはなりますが、市民の皆さんには、感染拡大防止に向けての行動へのご協力をよろしくお願い申し上げます。

2月19日 無意識の偏見

 

ルース・ベイダー・ギンズバーグ。アメリカ連邦最高裁の歴代2人目となる女性判事として活躍。リベラル派判事の代表であり、国民からは親しみを込めRBGの愛称で呼ばれ、多くの支持を集める。

昨年9月、87歳にしてその生涯を閉じられた。

当時、トランプ大統領による彼女の後任指名に際し、連邦最高裁における保守派とリベラル派の構成がその後の政治状況にも大きな影響を与えるとして、ニュースでも多く取り上げられたのでご記憶の方も多いのではないだろうか。

 

「9人いる連邦最高裁判事のうち女性は何人くらい必要ですか?」

よく、そう問われた彼女は、必ずこう答えたそうだ。

「9人全員女性が理想よ。」

すると、ほとんどの場合、

「え?なぜ?」

と不思議そうに聞き返される。そこで彼女は質問者に問う。

「判事全員が男性だった時、どうして同じように疑問を持たなかったの?」

 

私たちは、日常生活の中において、想像以上に、男性や女性といった性別に基づく思い込みや固定観念を持っているものだ。

もちろん、決して悪意があるわけではないし、その多くは、意識することもない大前提として捉えている場合も多い。

まさに、RBGの問いは、そうした無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)を顕在化させる問いだと思う。

 

さて、東京五輪組織委員会の森会長の発言に端を発した辞任がドタバタ劇の様相を呈している。

発言の内容については、是非を論じるまでもない。

だが、RBGの問いを待つまでもなく、私たちの心の奥底には性差に基づく何らかの思い込みや偏見のようなものが存在するかもしれないということは、きっと否定できないし、するべきではない。

その無意識にあるものを意識すること。

その積み重ねこそが、男女共同参画社会の実現には欠かせない。

 

2月12日 大河ドラマ 終わる

 

明智光秀を主人公として描いた大河ドラマ『麒麟がくる』が、2月7日、最終回を迎えた。

途中、新型コロナウイルスの影響により撮影が中断し、異例の越年放送となったものの、最終回まで描き切られたことに何よりも胸をなでおろす。

山崎の戦いに敗れた光秀が最期の夜を過ごしたとされる勝龍寺城を有する長岡京市としては、本能寺の変から後を、ドラマの中のクライマックスで取り上げていただけたら…。そう願ったのだが、それは少々望みすぎだろうか。

 

今回のドラマの終わり方には賛否両論が寄せられているという。

何せ、光秀は豊臣秀吉との戦いに「敗れた」とはしたものの、3年後の駒と足利義昭との会話、街角で見かけた「らしき」後ろ姿、そして馬に乗って駆け抜けるラストシーンは、その後、光秀が生存した可能性を大いににおわせるに十分だろうから。

これまでにない思い切った描き方だと思う。

ネット上では、「肩透かし」といった否定的なものから、「感動した」という肯定的なものまで、議論百出といった感だが、それだけ注目が集まったことそのものが、ある意味、成功なのかもしれない。

 

「世を正しく変えようと思うのは『志』じゃ。

 大嫌いだったが、信長にはそれがあった。

 明智十兵衛には、はっきりとそれがあった。」

 

ラストシーンで、足利義昭が駒に語るセリフだ。

 

「戦の無い平らかな世をつくる」という『志』を貫き通そうと、もがき苦しんだ光秀。

同じ『志』を持ちながらも、それを実現させる方法と道程が異なった信長。

そんな二人は本能寺で激しくぶつかり合い散っていくのだが、その『志』は生き続けたのではないか。だからこそ、後の徳川の時代に、太平の世が訪れたのではないか。そう解釈すれば、今回のドラマの閉じ方としては悪くないと思う。

 

さて、皆さんは、いかがだろうか?

今しばらく、ドラマの余韻に浸るのも悪くない。

 


大河ドラマ「麒麟がくる」の時代考証を務めた小和田哲男氏による解説動画や、城郭考古学者の千田嘉博氏による勝龍寺城の解説動画などが配信されている長岡京ガラシャ祭チャンネル(別ウインドウで開く)も是非ご覧ください!



2月5日 緊急事態宣言の延長にあたり


2月2日。京都府を含む11都府県に対して発令されている緊急事態宣言について、栃木県をのぞく10都府県で、3月7日まで約1ヶ月延長することを政府が決定しました。

 

この間、京都府においては、新規感染者数が1月17日の154人/日をピークに減少傾向にあり、人口10万人あたり1週間の新規感染者数も、最大時の37.05人(1月13日)から、直近20.05人(2月3日)へ、PCR検査陽性率の週平均も最大時の14.0%から4.9%へと着実に減少し、もう一歩でステージ4から脱せられる水準になりつつあります。

本市においても、まだまだ発生例はあるものの、少し落ち着きを取り戻してきています。

これらはひとえに、市民の皆さまのご理解とご協力、また、医療・介護・福祉関連の方々の昼夜を分かたぬご奮闘、さらには時短要請等に応じて頂いている飲食店をはじめとする事業者の皆さまの懸命なご対応のおかげであり、心より感謝申し上げます。

 

しかしながら、医療を取り巻く環境はまだまだ厳しく、人口10万人あたりの療養者数も40.5人、すぐに使える病床の占有率も63.1%と高止まりをしています。

まずは、減少傾向にある感染拡大の波を食い止めるべく、いま一歩、我慢が求められる状況です。

長岡京市においても、現在承認に向けて作業が進められているワクチン接種について、実施本部を設置し、円滑な接種に向けた準備を加速させています。

 

引き続きの、市民の皆さんのご協力を改めて心よりお願い申し上げます。


1月29日 復興への第一歩~走田神社での植樹

 

「二度と立ち直れないのでは…。」

なぎ倒された木々が積み重なるように参道を覆う姿を目の当たりにした時の率直な思いだ。

言葉を失い呆然と立ち尽くすとは、きっとああいう状況のことを言うのだろう。

 

平成30年9月の台風21号は、本市の各地に大きな爪痕を残した。中でも被害の大きかった場所の一つが、長岡京市の西部、西山の麓に位置する走田神社(はしりだじんじゃ)だ。

走田とは走り穂、初穂をつくる田で早稲田の守護神。山腹の長く急な石段を登り切った先にある社には、天児屋根命(あめのこやねのみこと)など春日の四柱の神が祭られている。地元、奥海印寺と長法寺地域の産土神として大切に守られてきた。

 

高い木々に守られるように鎮守の森にひっそりとたたずんでいる。

元々はそんな神聖な雰囲気の神社だったが、台風21号は、無残にも周辺の木々を壊滅的になぎ倒してしまった。

被災後すぐに現地に足を運び、想像を絶する被害の状況を見た時の感想が冒頭の言葉だ。自然の驚異にただただ圧倒されるばかりだったのを、今もはっきりと覚えている。

 

それから2年あまりが経過をし、先日、復興に向けた一歩を踏み出すべく関係者の皆さんとともに植樹を行った。

氏子や地域の皆さんのご尽力により、倒木等の撤去がなされた跡に、観光協会のご協力によりコブシやヤマモミジなどおよそ50本が植えられた。

「育つには時間がかかるが、その間の風景の変化も楽しみながら見守っていきたい。」

氏子総代からの力強い言葉に、復興と発展を確信する。

 

確かに、あの時、あの風景を前に、絶望した。

しかし今、目の前にある風景は、多くの人々の力によって、復興は確実に成し遂げられることの証明だと思う。

あきらめなければ、必ず困難は乗り越えられる。

コロナ禍の今だからこそ、このメッセージは私たちに多くの勇気を与えてくれる。

 

改めて、復旧に当たっていただいた関係者の皆さんに心から感謝を申し上げたい。

 









平成30年台風第21号被災当時のようす







走田神社 観光地開発事業の竣工式のようす
(1月24日走田神社にて)

1月22日 要と不要


『今回のコロナ騒動は、はからずも「必要」と「不要不急」の区別を前景へと押し出した。確かに、この区別はあいまいである。だがそれでも、われわれは、何が必要で何が不要不急かを改めて問うた。人は最低限の「必要」だけで生きているわけではない。しかしまた、「不要不急」の無限の拡大は、人の生から本当に必要なものを奪い去りかねない。そしてわれわれは「必要なもの」と「不要なもの」の間に、実は、「大事なもの」があることを知った。』(朝日新聞2020年12月26日)

 

年末のオピニオン欄に掲載された、経済学者で思想家の佐伯啓思京都大学名誉教授の「コロナ禍で見えたものは」と題した論評から、少々長くはなったが引用させていただいた。

 

今回のコロナ禍が私たちの生活に与えたインパクトはとてつもなく大きい。ゆえに、これまでの自分の暮らしぶりを振り返る機会となったことも事実だろう。

だからだろうか、多くの識者が同様の指摘をしている。

 

『コロナ禍は本当に必要なものと実はさほど必要でなかったものをふるいにかける時間です。』

 (小山薫堂/放送作家/2020年11月18日日本経済新聞夕刊)

 

『コロナというのはある意味で社会の小休止みたいなものでしょう。やっぱり考えますよね。自分は何のために仕事をしているのか。働くというのはどういう意味なのか。』

(柳井正/ファーストリテイリング会長兼社長/日経ビジネス2021年1月18日号)

 

マイナスばかりのコロナ禍のなかであっても、ほんの少しだけポジティブに受け止めるとするならば、自分自身の人生や生き方、家族や仕事について、ゆっくりと見つめ直す機会にするのも良いかもしれない。きっと、それはコロナ後を生き抜くヒントになるはずだ。


1月15日 緊急事態宣言発令にあたり

 

1月13日、首都圏1都3県に加え、京都府を含む7府県に緊急事態宣言が発令されました。

期間は2月7日までとなります。

本市においても感染の拡大傾向は続いています。

昨年3月の本市初の感染者が判明して以降、11月末までの9ヶ月間の感染者が累計で61例であったのに対し、12月だけで61例、本年1月前半だけですでに36例(1月14日現在)という数字を見ても、感染の拡大スピードが増していることを実感いただけるのではないでしょうか。

 

同日、長岡京市では対策本部会議を開催し、次のような決定を行いました。

 

①    飲食店の営業時間の午後8時までの短縮を要請するとともに、協力店舗への協力金の支給および必要となる

   予算措置の指示

②    公共施設の夜間区分(時間貸しの場合は午後6時以降)の使用制限

③    重症化リスクの高い高齢者が利用される竹寿苑、きりしま苑、老人憩の家、あったかふれあいセンターの休館

④    市主催イベント等の一部中止や延期

⑤    市役所職員の分散勤務やリモートワークの推進  など

 

国や京都府の要請を基準としながら、長岡京市ではより踏み込んだ対策を行うことといたしました。

緊急事態宣言が再度延長とならないためにも、今まさに正念場となります。

市民の皆さんにはご不便をおかけいたしますが、ぜひ、ご協力をよろしくお願い申し上げます。


1月8日 年頭のごあいさつ


あけましておめでとうございます。

大雪の心配もありましたが、気候だけを見れば、穏やかで清々しいお正月を、それぞれ健やかにお迎えになられたこととお喜び申し上げます。

一方、新型コロナウイルスの感染拡大は全国的にいまだ続いております。

この年末年始の行動の結果が現れるのはもう少し先になりますが、今年もまたウイルスとの長い闘いの年になることが予想されます。

今年は、十干十二支では「辛丑(かのとうし)」に当たり、逆境の中での努力が大きな希望の芽生えにつながる年だと言われています。

ぜひ、コロナ禍を乗り越えた先に、明るい未来を描ける年にしてまいりたいと存じます。


『いま正しい事も、数年後、間違っていることもある。逆にいま間違っていることも、数年後、正しいこともある。』

 

ちょうど一年前、年頭に際しての訓示でライト兄弟のこの言葉を引用しました。

当時は、「数年後」とあるように、少し長いスパンでの時代や環境の変化、技術革新を念頭に置きながら、物事の本質を見極め、正しいと思う信念を粘り強く貫くことの大切さを伝えたく、用いたと記憶しています。

しかし、コロナ禍によって時間軸は大きく変化しました。

いまや、「今月」間違っていたことが「来月」には正しくなっている、あるいは、「昨日」正しかったことが「明日」には間違っている。そんなことが起こり得ます。

私たちは、それほどまでに大きな変化の真っただ中にいます。

だからこそ、目の前で起こっている事象の本質を考え抜き、「変化に応じて変えていくべきもの」と「変えてはならない大切なもの」を見極めることが求められます。

 

本年も誠心誠意、市政に取り組む所存です。

引き続きのご協力とご指導、ご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。



12月25日 今年の5冊:ノンフィクション部門

 

先週に引き続き、『今年の5冊』。今週は「ノンフィクション部門」のご紹介。

相当に悩みました。

どうやらステイホームで過ごさざるを得なさそうな年末年始を共に過ごす一冊としてご参考にしていただければ。

 

改めて、本年も大変お世話になりました。良い年をお迎えください。

来年こそは、コロナ禍を克服し明るい一年になることを心より願いつつ。

 

<ノンフィクション部門>

(1)『現代経済学の直観的方法/長沼伸一郎(講談社)2020年』◎

 数理物理を専門とする著者が、資本主義のメカニズムからインフレ・デフレ、国際貿易、仮想通貨やブロックチェーンなど、少し理解しにくい経済の仕組みを、巧みなアナロジー(類推)やメタファー(比喩)、歴史上の出来事を用いながらわかりやすく説明してくれる。経済理論や事象の本質を理解しているからこその説明力に脱帽。読み進めるたび「なるほど」とうなずくこと間違いなしの一冊だ。

 

(2)『13歳からのアート思考/末永幸歩(ダイヤモンド社)2020年』

美術館には行くけれども、何をどう見たらよいのか…。美術やアートの歴史や知識もほとんど無いし…。そう感じておられる方も多いはず。そんな自分に、「あなたの感じるままに見ればよい」とか「自由に解釈して」などと言われても、そのやり方すらわからない。だから美術やアートが苦手になるのだろう。本書は、そんな人たちに美術・アートの楽しみ方に補助線を示してくれる。読後、きっと美術館に足を運んでみたくなるはずだ。

 

(3)『昭和16年夏の敗戦(新版)/猪瀬直樹(中公文庫)2020年』◎文春文庫版

日米開戦前の昭和16年(1941年)に設立された「総力戦研究所」。省庁や軍、民間企業などから30代の優秀な精鋭たちが集められる。彼らが「模擬内閣」を組閣し、演習として、与えられた条件のもと、実際の情報やデータを用いて分析した戦争の結末。それは「日本が必ず敗ける」というものだった。その結果はもちろん、正真正銘の内閣に伝わるのだが…。圧倒的な取材力で、無謀な戦争に突入した本質をえぐる。

 

(4)『B.C1177/エリック・H・クライン 安原和見訳(筑摩書房)2018年』◎

紀元前3000年ごろ、メソポタミアから地中海の東部で、青銅器を中心とした非常に高度で緊密な関係性を持ったグローバル文明が存在をしていたことはこれまでから知られている。そして、その文明は紀元前1200年ごろ、突如として消滅する。世界史の教科書では、「海の民」と呼ばれる謎の集団によって滅ぼされたとされてきたのだが、その存在を明確に示す証拠はいまだ示されていない。では、なぜ文明は崩壊をしたのか。最新考古学の研究をもとに、その謎にせまる。

 

(5)『世界デフレは三度来る(上)(下)/竹森俊平(講談社)2006年』

上下巻1000ページを超える大作ゆえに、購入したものの手が伸びず、本棚に眠っていた本書を思い立ち読み始める。すると、「なぜ、今まで読まなかったのだろう」と後悔をするはめに。19世紀後半ヴィクトリア朝時代の英国、1929年の大恐慌、そして21世紀初頭に訪れるであろう3つの世界同時デフレを取扱い、それと戦った人々の歴史物語として描かれる。国際経済、通貨政策、物価の安定などをめぐる知的攻防は、今日の世界経済情勢を理解するためにも格好の材料だ。

 

※◎の付いている作品は長岡京市立図書館の蔵書となっています。



















今年の5冊:ノンフィクション部門

12月18日 今年の5冊:小説・フィクション部門

 

コロナ禍に振り回され、悩まされた一年。

ステイホームの時間も増えたので、読書の時間は例年以上に確保できたはず。

昨年、ご好評いただいた『今年の5冊』を「小説・フィクション部門」「ノンフィクション部門」2週に分けてお届けいたします。

感染の拡大がいまだ止まらない年末・年始を、ご自宅で過ごされる一助になれば幸いです。

 

<小説・フィクション部門>

(1)『嵐を呼ぶ男/杉山大二郎(徳間書店)2019年』

織田信長を題材にした小説は数多あるものの、信長の若かりし頃を扱ったものは珍しい。家督をめぐり四分五裂状態にあった尾張を治めていく過程が清々しく描かれている。「大うつけ」と呼ばれようとも、天下静謐という目標に向かい、既得権益や前例にとらわれることなく突き進む信長に、多くの人が魅了されていく。リーダーシップとは何か。本作はもはや経営書としても読める一冊だ。

 

(2)『TEN/楡周平(小学館)2018年』◎

戦後の動乱期。日本の成長とともにビジネスの世界をまっすぐに駆け上がっていく一人の男の物語。

横浜のドヤ街でくすぶっていた通称「テン」。幼馴染の先輩を通じて知り合った巨大ホテルチェーンの二代目の運転手として雇われたことをきっかけに、持ち前の勉強熱心さと、類まれなアイデア力で着実に実績を重ねていく。しかし、周りの冷たい目と妬み、思いもよらぬ裏切りがそんなテンを待ち受ける。果たして、彼を待ち受ける結末とは。

 

(3)『風神雷神 Juppiter, Aeolus(上)(下)/原田マハ(PHP研究所)2019年』◎

天正遣欧使節団とともにヨーロッパを訪れた一人の少年天才絵師。彼とイタリア・ルネッサンスとの出会いが奇跡を起こす。織田信長との謁見、狩野永徳からの触発、そして宣教師ヴァリニャーノに導かれともに過ごすこととなった遣欧使節団の敬虔なクリスチャンたちとの交友。歴史に「もし」は禁物だとは言わるが、こんな「もし」なら許したくなる。これぞフィクションの醍醐味と言える大冒険譚。

 

(4)『茶聖/伊東潤(幻冬舎)2020年』◎

茶の湯文化を築き上げた真の芸術家であり、戦国の世のフィクサー。それが、私たちの思い描く千利休像。そんな彼の行動の裏に隠された、心の底にある思いとは何か。多くの武将、商人、文化人との交わりの中で、大きな影響力を行使できるほどの権力を持つまでにのし上がっていく利休。彼の生きざまは、今なお息づく茶の道に継がれているのだろう。

 

(5)『告解/薬丸岳(講談社)2020年』◎

飲酒運転で老女の命を奪ってしまった一人の大学生。家族も、恋人も、自らの未来をも失ってしまった主人公は、果たして本当に心の底から贖罪の気持ちを持てるようになるのだろうか。そして、被害者の家族は、愛する家族を奪った加害者に対してどう対峙していくのか。それぞれに交差する人生における「悔い」が織りなす感動的なラスト。果たして、許すのか、許されるのか。


※ ◎の付いている作品は長岡京市立図書館の蔵書となっています。



















2020年の5冊:小説・フィクション部門

12月11日 関西広域連合10年


この12月1日、京都府や滋賀県、京都市など府県と政令市で構成する関西広域連合が設立10年を迎えた。

府県境をまたぐ特別地方公共団体の設立という、全国でも初の取組ということもあり注目を集めた。


当時、私自身も、京都府議会議員として深く一連の経過に関わらせていただいた。

設立に至るまでは、関西広域連合(仮称)に関する特別委員会の委員として侃々諤々の議論に参加した。道州制との関係性、府県の有する権限との整合性、議会の構成、執行する事務の内容や運用など、会派内でも会派間でも、非常に活発な議論があったし、論点によっても賛否が異なるなど、非常に複雑な状況のなか、設立を認めるか否かの議決に際して、各会派間を走り回りながら、付帯決議を取りまとめ、なんとか設立にこぎつけたことはとても印象に残っている。

そんな経過もあり、設立後には、京都府議会から選出される3名の関西広域連合議会議員の一人として携わることとなる。

ひとつのれっきとした特別地方公共団体の設立でもあり、条例や規則もまったく何もないところから議会を立ち上げていく作業というのは非常に苦労したものの、地方自治体における二元代表制の意味を考えるという点から、大変勉強になったと感じている。

とりわけ、当初、府県のみで構成された広域連合に、政令指定都市が参画をされることとなった後の議会構成や議員定数をめぐるやり取りは、議会の持つ代表性をめぐり、政令市を有する府県とそうでない府県との間で熾烈な議論が交わされた。

 

こうして思い起こすと、当時の一連の激しい議論を通じて、地方自治に関連する制度やその意図するところについての様々な知識を得ることができたし、何よりも、異なる意見をまとめていくための政治的な技術についても多くを学んだような気がする。その意味では、現在の立場で仕事をさせていただくうえでも、この時の経験はとても活きている。

 

関西広域連合の事務局は大阪・中之島にある大阪府立国際会議場の中にある。

連日通うこともあった、中之島へ向かうシャトルバスの風景を思い返しながら、さらなる関西広域連合の発展を祈る。


12月4日 12月定例会 始まる

 

早いもので気がつけば12月。

例年であれば、一年の締めくくりの節目の月として、感慨深くその年を振り返るとともに、来年という年を思い描き、気持ちを新たにする。

12月が外の寒さに比してなぜか温かい気持ちになれるのは、そうした迎える年への希望であったり、忘年会やクリスマスなどお世話になった方々との交わりを通じ、人とのつながりを再確認できるからなのかもしれない。

コロナ禍での年末年始はどのような気分で過ごすことになるのだろう。

 

12月3日。長岡京市議会12月定例会が開会した。会期は12月18日までの16日間。

今年は、3月定例会中から、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、通常とは異なる議会運営をせざるを得ない状況が続いてきた。これまでに経験したことがない状況の中、補正予算等の審議に際しては、市議会にも格段のご配慮をいただいたことを、改めてお礼申し上げたい。

今定例会には、新型コロナウイルス対策を含む一般会計補正予算案のほか、いよいよ市庁舎整備に着手するべく工事請負契約の承認を求める議案などを提案させていただく。

週明け9日(水曜日)、10日(木曜日)には本会議で一般質問が行われる。今回も19名の議員が一般質問に立たれる予定。

 

「疾風に勁草を知る」

 ~激しい風にさらされてこそ、強く丈夫な草を見分けることができる

 

より実りある議論となるよう心して準備したい。


11月27日 ご当地タニタごはんコンテスト

 

11月7日(土曜日)、株式会社タニタ主催の「第3回ご当地タニタごはんコンテスト~ヘルシー郷土料理で健康まちおこし~」が開催され、長岡京市から参加されたチームが見事、準グランプリを獲得された。

 

このコンテストは地方ブロック予選を長岡京市で開催頂いたご縁もあり、本市からも積極的にご参加いただいている。

今年は、全国5ブロックから書類選考を勝ち抜いた15チームがプレゼンテーションを行い、グランプリ1チーム、準グランプリ2チームが選ばれた。

 

本市から参加されたのは弓倉靜英さん、松下直子さん、渡海敦子さんのチーム。長岡京市特産の茄子をふんだんに散りばめた「なぃすなワンプレートランチ」で準グランプリに輝いた。

メニューは、丹後寿司をアレンジした鯖のサンドイッチ、小豆・茄子・かぼちゃの入った洋風いとこ汁、茄子の皮のきんぴら、水菜とじゃこのサラダ、茄子ジャムの豆乳プリン。

先日、ご報告を兼ねて訪問していただいた際には、実際、試食もさせていただき大満足。

しっかり食べて800kcal未満、塩分も3.4gで栄養バランスも抜群。

特別な食材を使わず、どこでも手に入る食材を使ったレシピだというのがポイントだそうだ。

 

皆さんの今後のさらなる活躍を心から期待したい。おめでとうございました!









準グランプリ受賞報告のようす
(11月26日市役所にて)









なぃすなワンプレートランチ

11月20日 大統領選挙から見える違い

 

日本では、「〇〇危機」や「××の転落」といった悲観的なタイトルを付けた雑誌のほうが売れる。

一方、米国では「△△は売れる」や「これぞアメリカンドリーム!」といったポジティブなタイトルでなければ売れない。

 

昔読んだ、日本人とアメリカ人の文化比較や考え方の違いについて書いた本に、こんな話があったと思う。なるほど、日米それぞれの国民性を象徴的に表した一例だと妙に納得をした。

(「ラーメン屋vsマクドナルド~エコノミストが読み解く日米の深層/竹中正治/新潮新書」)

 

そんな日米の違いを改めて考えさせられたのが、今回のアメリカ大統領選挙である。

ここでは、結果等については立ち入らないことにするが、大統領選挙の投票の仕組みや制度について、メディアに解説があふれたこともあり、改めて、その複雑さや投票方法、集計方法の多様性に驚かれた方も多いのではないだろうか。

もちろん、連邦制国家であり、日本とはそもそも国の成り立ちが異なるし、連邦政府と州のせめぎ合いこそがアメリカ政治制度の歴史だと言っても過言ではない。ゆえに、選挙人といった仕組みや州ごとで異なる投票の仕組みなどは、ある意味当然の帰結だろう。

 

それでは、果たして、こうした選挙に関する制度や仕組みの「多様性=異なり」を日本で受け入れることは可能だろうか?

そう問われると、なかなか難しいような気もするのだが、皆さんはどう感じられるだろう。

 

学生時代、同様に選挙制度について、アメリカ人の知人との会話を思い出す。

 私「どうして、こんなに違うの?」

 知人「どうして、同じでなければならないの?」

確かに、考え方の根本は相当に異なるようだ。

 

 

11月13日 イベントの秋

 

例年、11月に入ると天気予報とにらめっこの日々が続く。

というのも、11月は市の行事や催し物が数多く開催される、まさにイベント月間。

『ガラシャ祭』に始まり、『環境フェア』や『農業祭』など、各週末は様々な行事で大いに盛り上がる。

 

残念ながら今年の11月は、コロナ禍により、ほとんどのイベントは例年のようにとはいかなくなってしまったものの、それぞれに知恵を出しあい、逆境にも負けない工夫で取り組んでいただいている。

 

例えば、『環境フェア』は、初めての挑戦となるコミュニティラジオやインターネットを通じての開催。10月31日にFMおとくに(86.2MHz)での生オンエア。環境に携わる多くの企業や団体からの情報発信、環境の都賞の表彰などを行った。新しいメディアを通じて、広く市民へPRする手法となり得る可能性を大いに感じた。

 

『ガラシャ祭』も行列巡行や楽市楽座は中止となったが、国際日本文化研究センターとの共催で、「明智光秀と細川ガラシャ」と題した記念シンポジウムを開催。所長の井上章一氏をはじめ、フレデリック・クレインス教授、呉座勇一助教、東京大学の郭南燕特任教授、光平有希特任助教によるパネルディスカッションでは、光秀とガラシャの人物像をめぐり異なる立場からの白熱した議論が交わされた。

また、ガラシャ祭のクライマックスと言える婚礼の儀を、今年は映像として再現。フルキャスト本市職員という豪華な⁈ラインナップで素敵に仕上っている(と思う)。

【動画配信】オンラインで楽しむ長岡京ガラシャ祭2020 のページはこちら

 

最後に、これからのイベント。

『農業祭』そのものは中止となったものの、大人気の新鮮野菜の直売会は開催される。

長岡京市立中央公民館市民ひろばにおいて、11月22日(日曜日)午前10時から午後1時の予定で、白菜やキャベツ、大根など様々な地元野菜が販売される。今年は、限定200セットでエコバッグ付きのお得なセット販売もあるようだ。ご期待いただきたい。










環境フェア オンエアのようす
(10月31日長岡京バンブースタジオにて)









昨年度のガラシャ祭のようす









昨年度の農業祭のようす

11月6日 セレンディピティ


『セレンディピティ(serendipity)』という言葉をご存じだろうか?

偶然、素敵な出会いがあったり、予想外の発見をしたりすることを指す。元々は英語での造語だそうだが、なかなか日本語でぴったりとくる単語は見つからない。

幸せをつかんだり、成功につながるような偶然。日本語で表現すると、そんなニュアンスになるのだろうか。

そんな言葉を、久しぶりに思い出した。

 

先日、長岡第三中学校出身で、来夏、競歩での東京オリンピック出場を決めている山西利和選手に、市役所を訪問いただいた。

昨年、カタールのドーハで開催された世界陸上では、競歩で日本人初の金メダルを獲得されるなど、活躍のめざましい山西選手。忙しい合宿の合間を縫うなか、この度、長岡京市スポーツ賞市民栄誉賞を贈呈させていただく運びとなった。

その歓談の席で、以前から興味のあったことを、失礼を承知でぶつけてみた。

「なぜ、競歩なんですか?」

 

競歩を始めたのは高校生になってから。競技をしていた先輩に誘われたり、素晴らしい指導者に出会ったりしたのがきっかけで、決して積極的に選んだわけではないそうだ。競技人口も少なく、勝ちやすそうだったという戦略的な観点もあったとか。そこから徐々に競歩にのめり込んでいく。

その意味では、確信的に始めたというよりは、導かれるままに始まったということのようだ。

もちろん、そこからの並々ならぬ努力があってこそ、今日の活躍があることは間違いないわけだが、高校時代の『セレンディピティ』が、オリンピックの金メダルまであと一歩という高みにまで押し上げてくれたと言っても過言ではなさそうだ。

 

「つねに選択肢を持つように心がけてきた。」 そんな、山西選手の言葉がとても印象に残っている。

中学校時代から、走ることも、勉強することも大切にしてきたそうだ。決めつけることをせず、その時々で、生き方の選択肢を広げ、その時々で選択した道を一生懸命に進む。

こうした姿勢が『セレンディピティ』をつかみ取り、成功へと導く大きなカギなのかもしれない。

 








山西選手の表敬訪問のようす
(10月29日市役所にて)

10月30日 ざんねんな…

 

『残念』を広辞苑で引くと、「①心残りなこと。未練のあること。②くちおしいこと、無念。」とある。

「残念ながらご期待には添えません」「〇〇できなくて残念」という用例からも、これまでは、どちらかと言えば、ネガティブな言葉として捉えられてきた。そう言って差しつかえないだろう。

ところが、最近、「残念」という言葉にも、ポジティブな要素を込めて使われるようになってきたのではないだろうか。

 

そんな変化の発信源になっているのが「ざんねんないきもの事典(高橋書店)」だ。

これまでにシリーズ5冊が発行され、販売部数も累計380万部を突破、“こどもの本”総選挙では2年連続の第1位に輝くという人気ぶり。

面白くユーモアにあふれた内容はもちろん、「へぇー」と思わず納得してしまう解説のなるほど感。そして、何よりも、登場する動物たちの愛くるしさと、どこか憎めないほのぼのとした雰囲気が、読むものの気持ちを「ホッ」と和ませてくれる。そこに人気の秘訣があるのだろう。

 

この度、シリーズで監修を担われた動物学者の今泉忠明先生が、長岡第五小学校の創立50周年記念事業の一環として、4年生を対象に講演をしてくださった。

ご自身の経験や研究にもとづきながら、興味・関心を持つこと、楽しいことこそ続けていくことの大切さを、先生の素敵なお人柄もあり、子どもたちにもわかりやすくお伝えいただくことができた。

 

「みんな、違っていいんだよ」

 

それが、今泉先生のお話や「ざんねんないきもの事典」のなかで、通奏低音のように流れるメッセージではないだろうか。

だからこそ、「ざんねん」なことをポジティブに受け止めることができるのだと思うのだ。

 









長岡第五小創立50周年記念事業での講演会のようす
(10月26日長岡第五小にて)

10月23日 パートナーシップ


市政運営やまちづくりにおける市民との協働が重要であることは論を待たない。

重要性の論拠は様々にあるだろうが、私が特に思うのは、私たち市役所には無い知恵や強みと市役所がゆえに持ち得る資源を合わせることで、より大きな目的を達成することが可能になるという点にあるということだ。1+1が2以上の力を発揮する。

とりわけ、民間企業の皆さんが持つ知恵と力を公的課題の解決につなげたい。そんな思いで、民間企業とのパートナーシップを意識しながら、市長就任以来、市政課題に取り組んでいる。

 

その具体的な一つが防災分野における連携だ。

 

21日、アンカー・ジャパン㈱と災害時における充電器等の優先供給に関する協定を締結させていただいた。

アンカー・ジャパン㈱は、デジタル関連製品の販売ではトップクラスの企業であり、とりわけバッテリー関連の商品には定評があるとのこと。この間、他の自治体との連携も進めながら避難所におけるニーズを拾い上げてこられたそうだ。

 

この間、本市においては、10月7日に避難所におけるフリーWi-Fiの供給に関する協定を、阪神ケーブルエンジニアリング㈱と締結したほか、9月には、著名な建築家である坂茂氏が率いるNPOボランタリー・アーキテクツ・ネットワークと、段ボールベッドや間仕切りシステムの優先供給に関する協定を結ばせていただいた。

 

コロナ禍であるがゆえに、避難所の環境整備は急務でもある。民間の知恵と力を共有しながら、取り組んでいきたい。

 

(文中、敬称略)









ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク









阪神ケーブルエンジニアリング









アンカー・ジャパン

10月16日 市役所内での新型コロナウイルスの発生を受けて


10月11日、12日の両日に、長岡京市役所内において新型コロナウイルスの感染者が相次いで2名発生をした。

これを受け、本市では市民に対する情報提供と呼びかけ、関連する職員・関係者の自宅待機など必要な措置を行った。その結果、上下水道部のお客様窓口、市民協働部の税務課窓口の一部を閉鎖するなど、市民の皆様には、ご心配とご迷惑をおかけしたことをまずはお詫び申し上げたい。

その後、乙訓保健所による積極的疫学調査に基づき、濃厚接触者や感染の恐れのある職員の特定がなされPCR検査が実施されたが、幸いにしてすべて陰性という結果が木曜日に判明をした。

まずは、感染拡大していなかった状況が確認され胸をなでおろしている。

しかし、当面の間は、それぞれ健康観察等を行いながら慎重に経過を見ていかなければならない。

 

今回の一連の状況から、小さな日々の取組や行動の積み重ねが有効であることが確認されたと思う。

職場内における換気や消毒、手洗い等の徹底、机間の間仕切りなどの感染防止策の重要性は言うまでもなく、分散勤務やローテーション勤務を行ってきたことは、安全確保をしながらの業務継続という観点からも効果を発揮した。

現地で調査をしていただいた保健所からは、共有PCやプリンタ、コピー機など複数名が使う機器等の消毒等の徹底などの指導もいただいたので、今後の取組に活かしていきたい。

 

最後に、今回感染されたお二方が早期にご回復されることを祈念申し上げる。


10月9日 ワーク・ライフ・インテグレーション

 

今回のコロナ禍で、変わった、あるいは変わり得るものの一つが、働き方だ。

在宅勤務、リモートワーク、ジョブ型雇用、ワーケーションなどなど、働き方に関する様々なキーワードが各種メディアを賑わせている。

 

そんな中で、新たに知った言葉に「ワーク・ライフ・インテグレーション」がある。

 

「ワーク・ライフ・バランス」という言葉はいまや一定、多くの方に認知されているだろう。

「仕事と生活の調和」が実現した社会を目指して、内閣府がワーク・ライフ・バランス憲章を定めたのが平成19年(http://wwwa.cao.go.jp/wlb/government/20barrier_html/20html/charter.html)。

憲章の目指す姿と実態の乖離はまだまだあるものの、「ワーク・ライフ・バランス」という考え方自体はそれなりに浸透している。

 

さて、「ワーク・ライフ・インテグレーション」は、ワークとライフを別個のものと捉えるのではなく、それぞれ人生を構成する要素としてあえて境界線を設けず柔軟、かつ統合的にとらえることで、人生全体の充実を求めていこうという考え方だそうだ。

「ワーク・ライフ・バランス」という言葉のニュアンスからくる、二者択一的な考え方、二項対立的な考え方を超え、人生という、もう一段上の俯瞰的観点から、仕事やプライベートを位置づけ、人生そのもの充実を図ろうということだ。

だとするならば、インテグレーション(統合)の対象となるのは、仕事や私生活だけではなく、学びや成長、コミュニティや人間関係など多様なものとなる。

 

さて、皆さんは、自らの人生を充実させるため、どんな価値をどんな配分で統合されるだろうか?

今回のコロナ禍は、私たちの価値観を見つめ直すきっかけ、機会なのかもしれない。一考してみるのも悪くない。


 

10月2日 こんな風になりたいな


「こんな風にはなりたくないな。」そう思う時がある。

某国のリーダーを決める討論会の様子などを見ていると…。

 

一方、「こんな風になりたいな。」と思うこともある。

例えば、歌手の上田正樹さん。昨年末、大阪で開催されたライブを拝見し心が震えた。

歌声や演奏のクオリティはもちろんのこと、佇まい、しぐさ、トークなど、すべてにわたり色気と渋さが最高にカッコいい。ステージに生き様やイズムがにじみ出ている。きっと、年を重ねるたびに、より「上田正樹」になっていかれるのだと思う。

御年70歳とお聞きをし、自分もこんな風に年をとりたいなと思った。

 

そして、もうお一方が、サッカーJリーグ、横浜FCの三浦知良選手だ。

9月23日、対フロンターレ川崎戦にJ1最長出場記録となる53歳6か月28日で出場されたというニュースが舞い込んだ。

 

「(この歳で)プレーするのはすごいと言われるけど、身体さえついてくれば他の選手でもできると思う。難しいのは、この年になって、同じ練習を毎日続けられて、若い選手と同じメニューをこなせるかどうかだ。みんなは、サッカー選手は試合だけをやっていると思っているかもしれないけれど、実は練習を毎日やることこそが大変なのだ。(中略)それができなくなったときが、やめるときなのかもしれない。」(『やめないよ/三浦知良(新潮新書)』から)

 

この本を書かれた時が43歳。そこからさらに10年を経ての記録である。

さらに継続をしてきたからこその結果であるし、まだまだ未踏の域への挑戦は続くのだろう。自分自身をしっかりコントロールできなければ、成し得ないことだ。

心底、「こんな風になりたいな。」と思う。

 

9月25日 新しい趣味

 

普段から「やらないと」と思いながら、やれてないこと。

いつか「やりたい」と思いながら、なかなか手を付けられてないこと。

 

スマホのTo-Doリストを見返してみると、些細なことを含め、けっこう色んなことがあるものだ。

友人のSNSなどを見ていると、このコロナ禍で生まれた時間を活用し、新しいことややるべきことに取り組んでおられる方々も数多散見され、触発される。


私もこの夏、始めたことがある。「花壇いじり」だ。

我が家の前の道路に面した部分に、小さな花壇がある。わずか3㎡にも満たない程度なのだが、我が家の顔と言えば顔のような場所にある。少し枯れそうになった植栽あり、萎れてしまった花もあり、ただ、雑草だけが元気に育っている。

 

一念発起をし、真夏の太陽が照り付けるなか、草むしりから始める。

汗をかきつつ無心で草をむしる。ただただ無心で草をむしる。ひたすらに。

これが意外に気持ちいい。なんだろう、この爽快感は。はまった瞬間である。

そして、当然、草をむしればスペースができる。スペースができれば埋めたくなるのが人情。

花の苗を買い、植えてみる。

花がきれいに咲いているのを眺めていると、今度はまわりの土の部分がさみしく見える。

下草の種を蒔いてみる。その芽の育ちように一喜一憂する日々。

秋風が吹き始めた今日この頃、いまや花壇をいじることは習慣になりつつある。いや、正直、気になってしかたがない。

「やるべきこと」はいつか「楽しいこと」になっていた。











我が家の顔

9月18日 国勢調査2020 ご協力のお願い

すでに皆さんのお手元には届いただろうか?

今年は5年に一度の国勢調査の年。そろそろ調査票が届き始めるころだ。

言うまでもなく、全世帯を対象とした国勢調査は、選挙や地方財政制度、各種政策・制度、研究の基礎となる重要な統計調査である。

 

我が国における国勢調査の第1回は1920年なので、今年の調査でちょうど100年目を迎える。

第1回調査は、スペイン風邪の影響が残る中での調査だったそうだ。

そして、今回はコロナ禍のもとでの調査。少し因縁めいたものも感じるわけだが、100年前と大きく異なるのはインターネット環境の存在だろう。

前回から本格的に導入されたインターネットでの回答。

調査員との対面などを避けるという意味では、今回の調査では特にご活用いただきたいと思う。

 

ということで、私自身もさっそく、パソコンを使いオンラインでの回答をやってみた。

まずは、検索エンジンで「国勢調査オンライン」と検索し、専用ページを立ち上げる。

「回答をはじめる」というボタンをクリックしたら、自宅に届いた封筒内の書類に記載をされた「ログインID」「アクセスキー」を順次入力。それだけで簡単に各設問へ

の回答へと入っていける。

設問は全部で16問。氏名や職業等、入力する場面もあるが、基本的にはクリックで進んでいける。

最後に「送信」をして調査終了。非常に簡単。およそ10分程度の所要というところだろうか。

 

ちなみに、前回(2015年・平成27年)調査での長岡京市でのインターネット回答率は46.8%と、全国平均の36.9%、京都府平均の37.7%よりも高い利用であった。

これからさらに進めていかなければならないのが行政のデジタル化。その意味でも、インターネットを利用した回答を活用いただけたらと思う。

もちろん、郵送などその他の方法も含め、国勢調査全体へのご協力をよろしくお願い申し上げます!


9月11日 性の多様性を尊重する社会へ~議会からの提言

 

長岡京市議会の政策研究会から、性の多様性に関する提言をいただいた。

市議会では、昨年から、無所属の方も含め各会派の代表者からなる性の多様性社会研究分科会を設け、意見交換や先進事例の視察などを行ってこられた。

そして、この度、議会内での議論が整い、議会の総意として提案をいただいた次第だ。

 

提言においては、「性における『違い』を認め尊重し、多様性のある社会の実現を目指す」としたうえで、

  1. パートナーシップ制度(仮称)の導入

  2. LGBTリーディングカンパニー制度(仮称)の導入

  3. 教育における性の多様性社会実現に向けた施策の推進

といった3つの具体的な提案を頂戴した。

 

LGBTを含めた性の多様性に対する理解を社会全体で共有していくことが重要であることは言うまでもない。

また、市政の基本方針として、市民一人ひとりの価値観や生き方が尊重される長岡京市でありたいということも折に触れ申し上げてきた。

そうした観点から、私自身は、パートナーシップ制度等については前向きに考えてはいるものの、導入の前提として、市民全体の多様な価値観を反映している議会のご意見をお聞きしたうえで判断すべきだろう。これまで、議会においてはそのように答弁してきた。

 

今回の提言は、まさにこうした議会との対話の中でいただいたものである。

それだけに、今回の提言の重みをしっかりと受け止め、具体化に向けた検討を進めていきたいと考えている。










提言書 受領のようす
(9月9日市役所にて)

9月4日 第4次総合計画 第2期基本計画

 

8月26日に長岡京市議会9月定例会が開会した。

通常の議案と前年度の決算審議を行うのが9月定例会の恒例だが、今定例会では、それに加えて長岡京市第4次総合計画の第2期基本計画を提案しご審議願っている。

 

長岡京市の総合計画は、15年間を計画期間とする「基本構想」と、その15年間を5年ごとに区切った「基本計画」、そして5年間を前期と後期に分けた「実施計画」によって構成される。

「基本構想」には、長岡京市というまちが目指す長期的な姿、人口フレーム等が記され、もう少し短いスパンでの具体的な分野と記述に落とし込んだものが「基本計画」だといっても差支えがないだろう。

長岡京市の基本計画では「こども」「くらし」「かがやき」「まち」「みどり」「けいえい」という6つの柱を軸に、政策分野ごとの体系化を図っている。

 

平成27年度、私が市長に就任させていただいた年に、第4次となる新たな総合計画(基本構想・基本計画)を策定。今年度は、平成28年度から始まった「第1期基本計画」の5年間の最終年度となることから、この間、市民の代表や専門家からなる総合計画審議会でご議論をいただき、今回、「第2期基本計画(令和3年度から7年度)」を議会に提案する運びとなった。

 

2011年の地方自治法改正によって、総合計画の策定は義務ではなくなり、昨今では総合計画自体を策定しない自治体も増えつつある。

確かに、総合計画の「基本計画」に書かれている言葉は、その本質ゆえに、総花的であり抽象的だといえる。シニカルに言えば、当たり前のことが書いてあるのかもしれない。

しかしながら、私は、就任以来の市政運営を行うなかで、総合計画はやはり必要だと痛感している。

 

航海に例えるなら、「基本構想」は目指すべき目的地であり、「基本計画」はそこに至るための座標軸である。「実施計画」は目的地にたどり着くための日々の航海計画である。

5年前、第4次総合計画を可決いただいた後の当欄において、そのような趣旨のことを書いたと記憶している。

 

その気持ちは、今現在もいささかも変わらない。

行政内部はもちろんのこと、市民や議会の皆さんと「対話」を進めていくうえでの共通基盤として総合計画は非常に有用だと感じている。

それが、この5年にわたり市政運営を担わせていただいた市長としての実感である。

 

8月28日 頭はやわらかく


『東京消防庁、ゲームを活用して防災意識を喚起!』

そんなネット記事に目が留まる。記事の内容を要約すれば次のようになる。

 

新型コロナウイルス感染症の影響で、実践を伴う防災訓練ができないことなどを受け、Nintendo Switch用ソフト「あつまれ どうぶつの森(以下、あつ森)」を活用して防災意識の喚起を図っている。 東京消防庁の職員である「あつお君」が暮らす「ボウサイ島」で、島民に対して、大地震に対する備えや熱中症に対する予防策などを再現し、SNSへ投稿し…

 

前段あたりは「ふむふむ」と思いながら読み続けるも、後段になると頭の中に「???」がうずまく。

そう言えば、御多分にもれず我が家でもリビングに同ソフトがあったことを思い出し、帰宅後、子どもたちに当該記事の解説をお願いしてみる。

どうやら、「あつ森」は自分自身のキャラクターを設定し、無人島で気ままに暮らしているうちに、住民がどんどん増えていき、そこで交流が生まれるというようなゲームのようで、その様子をSNSに投稿する機能があるらしい、ということぐらいは理解ができたのだが。

子どもたちに感想を求めると、何やらゲーム機やスマホを出してカチャカチャやり始める。結論は、「面白いやん!」「かわいい!」とのことになるらしい。

デジタルネイティブ世代おそるべし。

 

普段から「やわらかい頭で発想を!」などと偉そうに言っている自分自身、改めて訓練が必要なようだ。


 

8月21日 歴史ではなく記憶として


ゾンダーコマンド。


第二次世界大戦中、ユダヤ人の大虐殺に携わったユダヤ人同胞からなる特殊部隊で、ガス室への誘導や死体処理の役割を担ったそうだ。

先日のNHKスペシャル「アウシュビッツ 死者たちの告白」を通じて初めてその存在を知った。

 

大量虐殺の現場となったアウシュビッツの施設跡地の地中から、瓶などに入れられた大量のメモが見つかり、近年、最新のデジタル技術でそれらが解読可能となった。そうした丹念な調査の結果、それらがゾンダーコマンドたちの手によるものだったことが判明する。

そこに記されているのは、裏切り者と罵られながら生き永らえた彼らの苦悩や密室で行われた真実を世界に対して訴えかけようとする叫びだ。

戦後、ナチスドイツの徹底的な証拠隠滅工作や、重く口を閉ざす関係者も多く、見えにくかった真実に生々しい光を当てる資料だと言える。

 

番組の中で、ゾンダーコマンドとして関わった一人の老人が証言をする。

「最も印象に残っていることは?」

その問いに対して、一言。

「空腹です。」

 

100年にも満たない前の出来事を、歴史という物語の一場面だと見れば、ホロコーストは、狂信的なナチスドイツに属する極悪な人間の手による出来事という構図になるのかもしれない。

しかし、先ほどの証言や今回のメモから浮かび上がってくるのは、これほどまでに卑劣で悲惨な出来事を実行したのは、まぎれもなく私たちと地続きの普通の人間の手によるものだという事実だ。

 

私たちは過去を歴史の一場面としてではなく、私たち自身の記憶として留めておかなければならない。

前回に引き続き、戦後75年目の夏に思う。


8月7日 戦後75年 平和について考える


照り付ける太陽と蝉しぐれのなか、黙祷を捧げ、花を手向ける。


7月19日は『長岡京市平和の日』。昭和20年の同日、神足地域を襲った空襲で尊い一つの命が失われた。


今年は、コロナ禍のもと、同時開催をしている「平和を考える市民フォーラム」は中止、献花式も参加者を制限しての開催となったが、市民を代表し、市議会議長、平和ビジョン懇談会の会長、地域・団体の代表者の方とともに、JR長岡京駅東口にある「平和祈念碑」、長岡天満宮境内にある「戦没者追悼之碑」へ献花をさせていただいた。


 


今年は戦後75年目の夏を迎えることとなる。


時の流れとともに、あの大戦を経験された方々は少なくなり、悲惨な戦争の記憶の風化が懸念される中、長岡京市では「バーチャル平和祈念館」を開設し、様々な資料とともに、戦争の記憶を引き継いでいこうという取り組みを進めている。


その中には、当時の様々な写真が掲載されている。戦時の学校の風景や戦死者を弔う村葬の様子などいずれも当時のことを知るための貴重な資料だと言える。


 


戦争の悲惨な記憶を引き継いでいくためには、「知ること」と「想像してみること」が必要なのではないだろうか。


献花をした平和祈念碑の真上には雲一つない真っ青な空が広がっている。


昭和20年7月19日に亡くなられた女性が見上げた空も、きっと同じような真夏の空だったはずだ。


そこに米軍の戦闘機が現れる。

ふと、青空を見上げ、そんなことを想像してみる。










平和祈念碑への献花式のようす
(7月19日JR長岡京駅東口にて)

7月31日 新型コロナウイルスの感染再拡大を受けて

 

7月30日の本市15例目の新型コロナウイルスの感染確認に加え、31日にも新たな感染が確認された。これで7月の長岡京市内での感染は6例となる。

東京はもとより全国での感染拡大が続く中、京都府においても7月29日には41名の新規感染が確認され、1週間平均の新規感染者数が20名を超えるなど、特別警戒基準に到達した。

 

31日の京都府の対策本部会議で示された資料によると、この間の感染の状況として、


  1. 感染者の世代については、20代・30代といった若い世代での感染が拡大してきたが、ここにきてじわじわと高齢者も含めた全世代での感染へと広がりつつある

  2. 感染の経路としては、接待を伴う飲食店が3割を超えるほか、会食での感染、同居家族内での感染の割合も高い

  3. 感染経路がわからないケースが7月はじめと比べて7倍に増加してきている

といった傾向が読み取れる。

 

こうした状況を受け、本市においても第30回の新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開催し、市民や事業者に対する再度の注意喚起を行うとともに、学校や子育て関連施設、高齢者施設での感染拡大防止に向けた取り組み等を決定した。

市民の皆様には、まずは「自分自身が感染しない」ための新しい生活様式に基づく取り組みを、そして、「感染を拡大させない」ための予防的な行動をお願いしたい。

 

7月17日 長岡京ガラシャ祭2020の中止を受けて


『長岡京ガラシャ祭2020』の開催中止が決まった。


この間、新型コロナウイルスの感染拡大の状況を見定めながら、実行委員会でご議論をいただいてきたが、3密の回避など感染防止に配慮をした対策を実施することが困難であるとの判断であり、現下の状況を考慮すれば、やむを得ない結論だと思う。

とりわけ、今年は大河ドラマ「麒麟がくる」の放映もあり、本市のプロモーションのターゲットイヤーでもあっただけに、ぎりぎりまで実施を模索してきたが、残念ながらそれも叶わなかった。


本市においては、平成30年(2018年)に大河ドラマの放映が決定して以降、プロジェクトチームを設置し、「知ってもらう」「訪れてもらう」「買ってもらう」を柱とした、様々な取組みや事業を展開してきた。

昨秋には、勝竜寺城公園のリニューアルも完成し、展示内容を刷新。その後、来場者数も順調に伸びていただけに大変残念に思う。

ガラシャ祭そのものは中止となったものの、関連して企画をしていた各種講演会や、映像・インターネットを活用した情報発信など、現在、プロジェクトチームにおいても戦略の見直しを行っている。


第29回のガラシャ祭はお預けになったが、来年へとつなげていけるよう知恵を出していきたい。









ガラシャ祭2019 婚礼の儀のようす
(2019年11月10日勝竜寺城公園にて)

7月10日 豪雨被害に備えて


居座り続ける梅雨前線の影響による大雨が続く。

九州地方を襲った大雨による被害に加えて、岐阜県や長野県でも河川の氾濫や土砂崩れなど大きな被害が生じている。コロナ禍における災害という、恐れていた事態が現実のものとなってしまった。

気象庁は一連の災害を「令和2年7月豪雨」と命名したようだ。

今回の水害でも多くの尊い人命が失われている。お亡くなりなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災をされた方に心からお見舞いを申し上げたい。

 

この雨は現在進行形でもある。今週末まで断続的な降雨が予想されており予断を許さない。

本市においても、この間、大雨洪水警報が発令され、いつでも避難所を開設できるよう諸準備も進めている。

実際に、西山山中においては土砂の崩落などが発生している箇所もあり、連続した雨により土砂災害の起こりやすさを表す際の一つの指標でもある土壌雨量指数も高止まりしている。

とりわけ、山側にお住いの皆さんには、警戒と準備を怠らないようにお願いしたいと思う。

 

コロナ禍での災害対策のキーワードが「マルチ避難」だ。

避難所以外の安全な場所を避難先として選択肢に入れることを「マルチ避難(分散避難)」という。

2階など自宅の中でも比較的安全な場所で過ごすことや、親戚・知人宅などへ避難すること、車中泊での避難を考えるなど、様々な選択肢を、この際、ぜひ検討していただきたい。

もちろん、その際、防災ハザードマップで、そもそもご自宅は危険な場所にあるのかどうかを確認することも必要だ。

 

「避難所」に避難することだけが『避難』だと思っておられる市民の方もまだまだ多い。

それぞれの状況に応じた『避難』のあり方をこの際、ぜひご家庭で検討しておいていただくようお願いしたい。

 

 

7月3日 ポストコロナを見すえて

 

新型コロナウイルスが世界各地で拡がりつつあった比較的早い段階で、歴史学者のユヴァル・ノア・ハラリ氏は、ポストコロナに訪れるだろう新しい世界の座標軸について、日本経済新聞への寄稿の中で次のように指摘をしている。

一つの軸は、全体主義的な監視を強化する社会と市民の権限を強化する社会の対立軸であり、もう一つの軸は、国家主義的な孤立を志向する勢力と世界的な結束を志向する勢力のせめぎあいだ。

氏自身は、それぞれ後者の社会を是としたうえで、「信頼の構築」と「情報の共有」に基づくオープンな社会を目指すべきだとする。

 

その指摘からおよそ3か月が経過をしたが、世界はどうやら氏の望む方向には動いてはいない。

おそらく、その原因は初動の遅さにあるのではないだろうか。

初動の遅さを挽回するためには、より強権的な手法、協調的な取組よりも独自色の強い判断をすることが、為政者にとっては魅力的に見えてしまう。場合によっては、科学的・論理的な思考や議論は遠景へと押しやられてしまう傾向がある。

 

これから我が国においても、ポストコロナ時代にどういう社会を築き上げていくのかといった議論が進んでいくことになるだろう。

その際、求められるのは、勇ましさや感傷的な議論ではなく、客観的かつ合理的な議論だ。

この間の様々な施策や取り組みを冷静な視点で評価をしていくこと。その上で、ハラリ氏が示す座標軸の上で、自らの立ち位置を確認しながら目指すべき方向性を検討していくことだ。


6月26日 6月定例会が閉会

 

6月22日、市議会6月定例会の最終日。提案したすべての議案を可決いただき閉会した。

その中には、冒頭に提案した補正予算案に加え、新型コロナ対策第2弾とした総額約7億6,500万円の追加補正予算案も含まれている。

今回の両予算案の主な項目は次のような内容だ。

 

 ・第2波、第3波に備えた市民向けマスクの備蓄

 ・学校でのオンライン学習環境の前倒し整備やタブレット端末の購入

 ・小中学校体育館での冷風機・扇風機等の臨時配備

 ・新しい生活様式の定着に向けたお一人5,000円の地域商品券の給付

 ・地域活動を支えるための自主防災組織での衛生用品や体温計などの購入経費補助

 ・介護や障がい、子育て施設、幼稚園や放課後児童クラブの運営事業者に対する環境整備の支援補助

 ・公共施設等の感染防止対策として手洗い環境の整備

 ・10月に予定をしていた公共下水道使用料の値上げを1年間延期

 

新型コロナウイルスは、私たちの暮らしのあり方を大きく変えることとなり、その影響は、当面の間続いていくことが予測をされる。

その意味では、私たちの暮らしのあり様も、自分のライフスタイルを大切にしながらも、それぞれ工夫が求められてくる。そうした工夫こそが、新しい生活様式に他ならない。

個人が、事業所が、地域団体が、そして私たち行政も。

オール長岡京で工夫を重ねていくことが、新型コロナウイルスへの耐性を高めていく唯一の方法だ。

そのためにも、市民の皆さんの協力が欠かせない。

今回の対策が、そうした皆さんの取組の応援となればと考えている。そして、少しでも前向きな気持ちで取り組んでいくことにつながって欲しいと願っている。


一般会計補正予算(第3号)の概要

6月19日 変えてはならないもの


そこには、いつもと変わらない風景が確かにあった。

 

この季節の長岡京市の魅力と言えば、何と言っても「ホタル」と「アジサイ」だ。

恒例の「ホタル観賞の夕べ」は残念ながら中止。

名所、柳谷観音楊谷寺では「あじさいウィーク」が、イベント等は中止されているものの、7月5日までの予定で開催されている。

 

先日も、夕食後、少し足を伸ばして金ヶ原橋から西代里山公園のあたりを散歩してみると、例年と同様にホタルの飛び交う姿を目にすることができた。

小雨の降る中、楊谷寺の境内を歩いてみると、いつものように凛と咲き誇るアジサイの群生に、しばし、心穏やかな時を過ごす。

 

自然は何も変わってなどいない。

変わったとすれば、鑑賞する私たちがすべてマスクを着けていることぐらいか。

 

アフターコロナの時代には、確かに、私たちの暮らしぶりや働き方など多くの変化が生じることになるのだろう。

しかし、どんなに時代や環境が変わったとしても、「変えてはならない大切なもの」がきっとあるはずだ。目の前にある風景のように。










柳谷観音楊谷寺のアジサイのようす
(6月18日柳谷観音楊谷寺にて)

6月12日 市議会6月定例会はじまる


6月5日に開会をした長岡京市議会6月定例会から一週間。

11日、12日の二日にわたり、本会議・一般質問が行われた。

 

もちろん、本会議場での議員の皆さんの議席も距離を保つように工夫。出席する理事者側(市長や教育長など三役、部長など)も質問の答弁に立つ担当者のみの出席。

質問者ごとに休憩をはさみ、換気・消毒を行い、発言者席にはアクリル板を設置するなど、感染対策を施しながら、登壇された15名の議員の皆さんと議論を戦わせた。

 

今定例会には、冒頭に提案した議案に加え、議会最終日に新型コロナウイルス対策第2弾としての追加補正予算案を上程するという異例の運営をお願いし、議会からもご快諾をいただいた。

5月に補正予算を専決処分させていただき実施した、長岡京市独自の商工業者向け補助金制度の創設など緊急的な対策に続くものとなる。

 

今回の一般質問に対する答弁等でも申し上げてきたが、今回の予算編成の基本方針は、

 

(1)第2波、第3波への備えを確実なものとすると同時に、雨のシーズンを迎えるに際し避難対策を強化すること

(2)感染拡大防止のため、新たな生活様式に基づく行動の定着を市民全体で進めること

(3)動き始めた地域経済の下支えを行っていくこと

 

の3点を軸に、各種の支援事業を検討してきた。

 

新型コロナウイルスへの対策として様々な制限がある中だが、今回、一般質問を実施していただいた議会のご判断は、私にとっても非常にありがたかったと思っている。

危機管理下の真っただ中だからこそ、議会との対話に基づく市政運営が何よりも求められている。

そう確信した二日間だった。









市議会6月定例会一般質問のようす
(6月11日長岡京市役所にて)

6月5日 歴史ロマンに思いをはせる


今年度、いよいよ建設工事に着手を予定している市役所庁舎の再整備。

現在、現本庁舎南側、これまで駐車場として利用していたエリア(計画では第1期庁舎が整備される予定)の埋蔵文化財調査が実施されている。

先日、その調査の概要をお聞きする機会を得た。

 

現在の市街地図に、長岡京時代の条坊復元図を重ね合わせてみると、市役所前のアゼリア通りは、都を東西に貫く五条大路と見事に重なる。今回の発掘からも、長岡京期の五条大路の北側溝の跡が見つかり、そのことが裏付けられた。

また、出土した軒平瓦の文様を調査してみると、仁和寺で使われている文様と同じものであることがわかったそうだ。仁和寺の別院である「開田院」という寺院が開田地域にあったとの文献も残されており、市役所の所在する「開田」という地名とどのようなつながりがあるのか。興味は尽きない。

 

さて、今回の調査からは時代ごとの当地の様子も少しずつ分かり始めてきたという。

長岡京の時代の後、平安中期から後期にかけては建物の柱群が見つかったが、その後、時代を経た江戸時代あたりには田畑として利用されていたようだ。そして、戦後、長岡町当時の役場が建設され今日に至る。

 

歴史は決して一直線に進むわけではないということだろう。

現場に立ち、ひととき、往時の風景に思いをはせてみる。


市役所新庁舎整備予定地での埋蔵文化財調査の様子









埋蔵文化財調査のようす
(6月3日市役所新庁舎整備予定地にて)

5月29日 来年こそは!

仕事のスケジュール帳をながめていると、赤字で書かれた予定が線で消されている。

 

『東京2020オリンピック聖火リレー』

 

4月、5月の手帳は、日々、ほとんどのスケジュールがキャンセルとなり、かわりに市役所内部での対策会議や打合せに置き換えられている。その中でも特に目立つ。

 

5月26日(火曜日)の夕刻、長岡京市内を聖火リレーが通過する予定だった。

沿道は多くの子どもや人で埋め尽くされ、たくさんの市民ボランティアの皆さんとも一緒に、世紀のイベントの雰囲気を味わいながら、大いに盛り上がっている。そんな姿を想像してみる。

 

東京オリンピックの延期が決定されてから、早くも2か月あまりが経とうとしている。

この間、聖火リレーのみならず、多くの犠牲を払いながらも、市民の皆さんのご協力をいただき、なんとか緊急事態宣言が解除されるまでに、状況は改善した。心から感謝を申し上げたい。

 

今まさに、もう一度日常の風景を取り戻すための新しく長い闘いへと踏み出すことができた。

だからこそ、この一歩を踏み出すことができたのは、様々な忍耐や努力のうえにあるということを決して忘れてはならない。

 

解除後、再び感染の拡大の兆候が見えている地域もある。

まだまだ、新型コロナウイルスとの闘いの途中にあるということを肝に銘じたい。

来年こそ、聖火リレーを皆さんとともに楽しむ姿を思い描きながら。


5月8日 温かいお気持ちへの感謝


この間、長岡京市においても、地域の企業・団体など多くの皆さんから、マスクやフェイスシールドなど多くのご寄贈を賜っている。

改めて、この場をお借りして心から感謝申し上げたい。

マスクに関しては、本市内で工場を操業されている株式会社椿本チエイン様から2,000枚、地域で福祉施設等を展開されている株式会社ドゥーラック様・NPO法人H&Eグループ様からは1,000枚、そして福祉用具レンタル等を営まれているスマイルケア様から10,500枚ものご寄贈をいただいた。

また、3Dプリンターを活用して製作されたフェイスシールドを、3Dプリンターメーカーのエス.ラボ株式会社様、市内で3Dプリンターの教室等を行っておられる京都3Dデータ活用研究会様からご寄贈を賜った。

また、そのほか個人の方たちからもマスク等のご寄贈を賜っている。

今後も、長年の友好都市でもある中国・寧波市からも2月当初にマスクを送った返礼として、10,000枚のマスクを送っていただく予定となっている。

いずれも、地域の医療機関や医師会・歯科医師会、子育て関連施設などに重点的に配分させていただいている。

 

この間、市に対して市民全員へのマスクの配布のご要望も頂戴をしている。

しかしながら、本市としては、市民全員にお配りするだけのマスクの確保が困難であると同時に、仮に確保できたとしてもお一人当たり数枚が限度であり、社会機能を維持していくうえで必要となる施設に対して市の備蓄分・確保分を優先的・重点的に配分することが、市全体の公共の利益に適うと判断をしている。

ご要望にお応えできないことは心苦しくはあるが、ぜひ、ご理解賜りたいと思う。

 

最後に、配分させていただいたそれぞれの団体や施設の方から喜びの声が届いていることを申し添え、改めて寄贈いただいた皆さんからの温かいお心に感謝申し上げたい。

本当にありがとうございます。










4月21日 株式会社椿本チエイン様









4月27日 株式会社ドゥーラック様・NPO法人H&Eグループ様









5月1日 エス.ラボ株式会社様









5月7日 京都3Dデータ活用研究会様









5月8日 スマイルケア様

5月1日 突然の死を悼む


日頃なら、子どもたちの声が響く公園の入り口に、『オムロン中央研究所跡地』の碑がある。

今は、すっかり美しい街なみの住宅地として定着した感のある、長岡京市のこの地に、かつてオムロン株式会社の中央研究所があったことを覚えておられる方も段々と少なくなりつつあるだろうか。

 

私の中では、オムロンという現在の会社名よりも、以前の立石電機という呼び名の方がなじむかもしれない。

研究所のグランドで地域の運動会が開催されたこともあったし、たばこ店を営む祖母に付いて、研究所内にあった自動販売機への補充を手伝いに行ったり。幼いころの思い出は、今もなお、私自身の心象風景として焼き付いている。

 

立石電機(現オムロン)元社長の立石義雄氏が、新型コロナウイルス感染症のため、4月21日、お亡くなりになられた。突然の訃報に驚きを禁じ得ない。

心よりご冥福をお祈り申し上げるとともに、お悔やみを申し上げたい。

 

かなり前になるが、あるところで立石元社長とお会いする機会があったとき、先に述べた幼き頃の思い出をお伝えすると、当時のことを楽しそうに懐かしそうにお話しいただいたことがある。私のような若輩に対しても、あの暖かい笑顔でとてもやさしい口調で丁寧にお話しされる姿に、感じた風格がとても印象に残っている。

 

つい先日、京都商工会議所の会頭を勇退され、肩の荷を下ろされたところだけに、きっと無念であったに違いないと思う。

安らかにお眠りください。











オムロン中央研究所跡地の碑

4月24日 スピード感をもって

緊急事態宣言の拡大により「特定警戒都道府県」となった京都府下においても休業要請が出されたことや、新型コロナウイルス感染拡大防止のための外出自粛要請が長期化するなか、ご商売をされている方々の状況は極めて厳しい状況にある。

先日行った長岡京市商工会との懇談の中でも、飲食店や理容美容などサービス業での悲痛な叫びをお聞かせいただいた。

市としては、早期に事業者の方々の手元にいくばくかの資金が渡るよう、国や京都府の支援策に加えて本市独自の緊急支援対策(第一弾)として取りまとめ、昨日の市議会議会運営委員会に提案させていただいた。

また、国からの特別定額給付金(1人10万円の現金給付)についても、いち早く市民の手元に届けられるよう市としての事務体制も確保している。

 

今、何より求められているのはスピード感だ。

そのためにも、こうした国や府の補正予算を受けた対策に加えて、市としての独自施策などの予算措置について、本来であれば臨時議会を開催してご審議賜らなければならないところではあるが、専決での執行をさせていただく旨、昨日の議会運営委員会で提案をさせていただいた。

極めて異例なことであることを十分に認識をしながら、一日も早い対策の実行を目指していきたいと思う。










商工会とのリモート懇談会のようす
(4月22日市役所にて)

4月10日 新入生の皆さんへ


新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。


皆さんが、小学校、中学校、高等学校、大学など、それぞれ、新たな人生のステージへと進まれたこと、長岡京市を代表して心からお祝い申し上げます。

新型コロナウィルスの影響もあり、今年は異例のスタートとなりました。

私も、毎年、市立の小中学校の入学式に出席をさせていただき、直接、皆さんにお祝いをお伝えしてまいりましたが、今年はそれが叶いませんでした。

また、休校等の継続により、心躍るはずの新しい学校生活や友人との出会いを、当面の間、我慢せざるを得ない事態となってしまいました。

とても残念ではありますが、今、我慢をすることが、より早く、日常を取り戻すための近道になるはずです。

くれぐれも、自らの感染防止や体調管理に気を付けながら、毎日、規則正しい生活を心掛けて下さい。

 

休校は大変残念なことです。一日も早く、いつも通りの学校生活が送れるよう、感染拡大防止など、私たち長岡京市も国や府と力を合わせて、全力を尽くすことをここで約束したいと思います。

 

その上で、新入生の皆さんや在学生の皆さんにお願いがあります。

 

今回の休校等により、皆さんは、いつもと比べてより多くの自由な時間を持つことになります。

そうした時間をぜひ、有意義に使ってください。

いつもは読まないような本を読んでみる。

普段はあまり考えないような、将来の自分の姿について考えてみる。

興味があった新しい趣味に挑戦をしてみることも良いでしょう。

休校明けの活動の再開に向けて、いつも以上にトレーニングに励むこともできるかもしれません。

 

なかったはずの時間を手に入れることができた。

そう思えば、何か新しいことに挑戦をしてみたくなるはずです。いつも以上にできることがあるはずです。

そうすれば、学校が再開されたとき、少し大きくなった自分と出会えるかもしれません。

 

もちろん、学校からの宿題や課題は忘れないで下さいね。

 

成長された皆さんと、学校で、地域でお会いできることを楽しみにしています。

最後にあらためて。ご入学おめでとう。


4月3日 新年度を迎えて

 

昨年の年度初めの当欄を振り返ってみる。

令和という新元号が発表され、新しい調和の時代をこれから迎える期待感に満ちている。

一転、今年は、一年前には想像すらし得なかった新型コロナウイルスとの闘いの真っただ中で新年度を迎えることとなった。

 

そうした中、3月31日には、定年退職者17名を含む25名の方が市役所を去られ、翌4月1日には、新たに28名の仲間を市役所にお迎えした。

退職された皆さんには、最後の1ヶ月を、学校の休校や公共施設の休館、市内における感染症例への対応など、目まぐるしく変化する状況への対策に、最後の瞬間まで全力を尽くしていただいた。

改めて感謝を申し上げたい。

そして、新たにお迎えする皆さんには、心から歓迎を申し上げたい。

今まさに、市民の命と生活を守るという使命を最優先に、日夜奮闘いただいている職員の背中から、多くのことを学んで欲しい。それこそが、市役所職員としての大きな財産になるはずだ。

 

今、私たちの目の前にある状況は厳しいものである。

その現実からは目をそらすことなく、しっかりと受け止めなければならない。

そして、この難局を乗り切り、その先にもう一度、調和の時代を築き上げるためにも、今、私たちにできることに全力を尽くしていく所存だ。

 

職員のみなさん、市民のみなさんのご協力とご理解を、本年度も一年間よろしくお願いいたします。

 









市役所令和2年度入所式のようす
(4月1日市役所にて)