ページの先頭です

共通メニューなどをスキップして本文へ

中小路市長の雑感日記『プロフェッショナルの言葉』

  • ID:14168

4月26日  プロフェッショナルの言葉

プロフェッショナルという言葉を定義するならば、その能力が高く、その仕事の技術に優れ、確かな仕事をする人、とでもなろうか。

もちろん、何のプロフェッショナルか、その分野によって求められるものは少しずつ異なるのかもしれないが、単なる才能だけではなく、それぞれの仕事に対する真摯な姿勢、努力と経験に裏打ちされた自信という二つの要素は必須ではないかと思う。だからこそ、私たちはプロフェッショナルな存在に憧れを持つのだ。

そんな風に感じさせる、二人のプロフェッショナルの言葉から。


歌手の宇多田ヒカルさんが、ある音楽番組のインタビューで作詞について聞かれて。


「作詞は釣りみたいなもの。待つのが仕事。いつも釣れそうな場所を探している。

  子どもの学校の送り迎えをしてようが、お風呂に入っていようが、テレビを見ていようが、友達とご飯をしていても、どこか頭の奥では釣りをしている。オンとかオフとかない。」


多くのプロが絶賛する、メロディーとの絶妙な調和や、情景や心象を表す言葉の美しさなど、人々を魅了して止まない歌詞は、努力の末に生み出されているのだ。


ユーチューバーは本当に面白いのか、というトーク番組の話題の中での、漫才師・千鳥の大悟さんの一言。


「ユーチューバーにも面白い人もいるが、芸人と決定的に違うところ。

 それは、芸人は舞台に立つということ。

 舞台は、自分を見に来たわけではない人を笑かす。

 YouTubeは、自分を見に来た人だけを笑かす。

 笑かせ方の戦い方がまったく違う。」


見ていて自信のなさそうな人は決して笑えない。経験を積み、鍛えられ、得られた自信があるからこそ、私たちは安心して笑えるのかもしれない。


5年度の雑感日記(ページリンク)

4月19日  世界一大きな絵

 

  

 

  

4月12日  批判的思考

 今年の春は、ここ数年と比較をしても桜の開花が遅めだったので、保育所や学校などへの入園・入学に際し、桜に祝福された方も多かったのではないだろうか。

 今週の火曜日、水曜日に行われた本市の市立小中学校の入学式も、風雨をなんとか耐え忍んだ桜が、初々しい新入生たちを迎えてくれた。新しい門出を迎えられた皆さんの前途が洋々たらんことを心より願いたい。


 先日、5日に行われた京都大学の入学式での、湊長博総長の式辞をネットで拝読させていただき、とても感銘を受けたのでここで取り上げてみたい。

 大学生活において自己表現することが大切だと説く中で、「自分で書く」「自分で考える」プロセスにおいて「批判的思考」の重要性を以下のように指摘されます。


『さまざまな先入観や偏見などの外的なバイアスをできるだけ排除した、正確な知識と情報に基づいた内省が必要となります。これは批判的思考(critical thinking)と呼ばれます。ここで言う「批判的」とは、他者を非難したり攻撃したりするという否定的な意味ではありません。それは、自らの判断や意志決定において、必要な情報が充分にそろっているか、思考や判断の前提は正しいか、そのプロセスは論理的であるか、好き嫌いなどの恣意的感情や偏見などのバイアスが入っていないか、などを自ら慎重に検証するということです。(中略)

ドイツのハンス・ゲオルグ・ガダマーという哲学者は、自らの充分な批判的思考の上で一定の結論に至った上でもなお、「しかし、相手が正しい(つまり自分は間違っている)可能性はある」とする精神の寛容さが必要であると言っています。「自己発現」も「自己主張」と同義ではありません。私は現代のような情報過剰の時代にこそ、このような冷静な反省的思考と精神の柔軟な寛容さをもって、自らを表現することが重要になっていると思います。』

(全文はこちら:京都大学令和6年度学部入学式式辞(別ウインドウで開く)


 ネット上では、論理や根拠の弱さを強く激しい言葉で穴埋めしようとするがごとき主張や、特定の空間に閉じこもり外部など無きに等しいように扱う言説があふれている。

 政治の世界でも、他者の意見には耳を傾けず自分自身の主張だけが正義であるといった態度や、万能の神よろしく自身はすべての意見の代弁者であるような姿勢が散見される。

 そんな時代だからこそ、冷静な反省的思考と精神の柔軟な寛容さに基づく、熟慮と節度をもった対話が求められている。


 

  

4月5日  令和6年度のスタートにあたり

 4月1日、新年度の出発にふさわしい春らしい日差しのなか、新たに23名の職員の皆さんを市役所にお迎えすることとなった。

 また、年度末には14名の退職者をお見送りしたが、今回の年度替わりにあたっては、部長級の半数近くが退職・退任されたこともあり、とりわけ市役所幹部の皆さんの異動も大きいものとなった。

 まさに新しい体制での船出となる。

 引き続き、庁内での「対話」を大切にしながら、目の前にある課題はもとより、少し先を見据えたまちづくりに取り組んでいきたいと思う。

 そこで、その船出にあたり、幹部の皆さんと一緒に次に示す4つの「対話」のルールを確認した。


  1. 話しやすい雰囲気と関係性をつくること、相手を決して否定しないこと
  2. 互いに向き合うのではなく、目指すべき同じ方向を向いて助け合うこと
  3. 失敗を責めないこと、むしろ失敗を機会として活かすこと
  4. 食わず嫌いはしないこと、新しいことや変わったことでも受け入れてみること


 いつも、「楽しい職場」でありたいと考えている。

 「楽しい職場」とは「楽(らく)」な職場ではない。楽しみながら「成果をあげる」職場でなければならない。そのためのルールだといっていい。

これはもちろん、市役所の責任者である自分自身にも課せられる。

私自身への戒めとするためにも、年度のスタートにあたりここに記す。

とはいえ、言うは易く行うは難し。そのことを肝に銘じ、今年度も全力を尽くしたい。


これまでの雑感日記