西山森林整備の取り組みについて(平成29年度)
- ID:7858
西山の豊かな森林環境の保全や育成を推進するために、森林所有者、地域住民、企業、NPO、大学、行政などが連携して、平成17年6月に西山森林整備推進協議会が設立されました。
協議会では「西山森林整備構想」に基づき、『つなげたい みどりの西山 未来の子らへ』という想いのもと、積極的に活動を進めています。
→協議会について詳しく知りたい人は、西山森林整備推進協議会のホームページ(別ウインドウで開く)へ
→西山森林整備構想について詳しく知りたい人は、西山森林整備構想のページへ
平成29年度の取り組みを紹介します
知りたい内容をクリックしてください。ページ内で移動します。
森林整備事業
水源涵養や二酸化炭素の吸収など、森林が本来持っている豊かな機能を取り戻すためには、森林整備を行う必要があります。
平成29年度は、人工林、二次林(天然林)、竹林の整備を行いました。西山の森林総面積約800ヘクタールのうち、平成30年3月末までで約295.09ヘクタールを整備しています。
竹林の整備に関しては、平成27年4月に改定した西山森林整備構想で最重要課題とした「放置竹林の拡大」を止めるために、市街地側から西方向へ拡大する竹林の最前線をライン上に整備する取り組みを継続的に実施しています。
これらの森林整備のほか、京都西山再生プロジェクト(ふるさと納税活用事業)として、クヌギやエノキの苗木の植樹をスタートさせました。将来今の子どもたちが大人になる頃にカブトムシやオオムラサキの飛び交う森を目指して整備を進めています。
(京都西山再生プロジェクトへのリンク)
森林整備をした面積に対し、どれだけの二酸化炭素が吸収されるかの算定を、公益社団法人京都モデルフォレスト協会に依頼しており、平成18年度~29年度に実施した森林整備により、累計約1,487トンの二酸化炭素の吸収が認められました。
また、カシノナガキクイムシ等の森林病害虫被害を受け枯れてしまった木を、景観や安全面を考慮し、歩道沿い等を中心に約77.5立方メートル(材積)伐採しました。
整備後の人工林
整備後の二次林(天然林)
人工林に侵入した拡大竹林の整備後
林道・作業道等の整備
森林整備をした後の木材を利活用するためには、まず伐採した木材を、山から運び出さなければなりません。そのための林道や作業道、施業路を整備することも、森林を保全するために必要なことの一つです。
平成29年度は、浄土谷地区に支線215.3mを新たに開設しました。さらに、台風などの大雨により崩れた浄土谷八町線および鉢伏林道の修繕を行いました。
浄土谷地区に開設した施業路
木竹資源の利活用
長岡京市では、平成23年11月に「公共建築物等における長岡京市産材の利用促進に関する基本方針」を策定し、森林整備により搬出した伐採木等の地産地消を積極的に進めています。
平成29年度は、人工林の整備で搬出した間伐材を、神足保育所の内装材や、図書館の椅子、西代里山公園その他公共施設の備品等へ利用した他、西山森林整備推進協議会の啓発コースターなどに利用しました。
また、昨年度に引き続き、薪と薪ストーブの購入者に対する補助を行いました。薪は1束あたり200円の補助を設け、約860束分の申請がありました。
竹材については長岡京市森林組合が実施する竹炭の販売の他、チップ化した竹を防草剤として東第二浄水場へ敷設し、調査区における防草効果の検証も、引き続き実施しています。
神足保育所の腰板(内装材)として利用
図書館の椅子に利用
竹チップを敷設した東第二浄水場
自然環境調査・植生調査
- 日本自然保護協会のモニタリング1000里地調査を継続して実施しました(第2期調査期間:平成25年度~5年間) 。
- 森林整備予定地の生物・環境調査を、ボランティアの皆さまの協力を得て実施しました。希少な動植物などの生育が報告された場合は、それらに配慮した整備を行っています。
啓発事業
西山ファミリー環境探検隊
四季を通して西山で様々な体験をすることで、自然のすばらしさを感じていただく親子対象の環境教育事業「西山ファミリー環境探検隊」を3回開催しました。(雨天により1回中止となりました)
参加者数は延べ28家族、70名。西山で活動されている団体や大学生ボランティアの方に協力いただき、西山の季節を感じられる充実した内容となりました。
春の自然観察
バームクーヘンづくり
森林ボランティア養成講座
継続的な森林整備を進めていく上で、森林ボランティアの皆さまの存在は欠かせません。
ボランティア活動の推進を目的として、森林ボランティア養成講座を2月24日(土)に実施し、18名の参加者が実際に活動するボランティアとともに森林整備に取り組みました。作業後はボランティア団体との交流会を開き、参加者の興味分野や、活動への意欲などを聞くことができました。
また3月と4月には、ボランティアの活動をより身近に知ってもらうために、ボランティア団体の通常活動に合わせた体験会も開催しています。
作業の様子
整備体験後の交流
西山ふれあいワークショップ
西山を身近に感じてもらうために西山の間伐材をつかったDIYのワークショップを西代里山公園にて開催しました。
当日は午前、午後合わせて40名の参加者が、のこぎりや電動ドライバーを使いながら、西山産ヒノキをつかったブックスタンドづくりに取り組みました。
講師:DIY FACTORY OSAKA
ワークショップ作業風景
各イベントでの活動PR
西山を市民の皆さんに身近に感じてもらうため、環境フェアや長岡京市農業祭等のイベントブースに出展しました。
工作体験や西山の生き物に関するゲームコーナー、森林整備の内容を展示し、西山の魅力や西山森林整備推進協議会の活動をPRすることができました。
環境フェアでの展示
工作体験(農業祭)
西山クリーン&グリーン大作戦
西山森林整備推進協議会の参画団体に加え、サントリーホールディングス株式会社、サントリービール(株)京都ビール工場、京都府や地権者の協力を受け、府道沿いの森林内に放置されたごみの清掃活動を行いました。
豊かな森林を育むための森林整備の一つとして、総勢60名が参加し、2トンを超えるごみを清掃しました。
クリーン&グリーン大作戦の作業風景
環境教育事業
- 市教育委員会主催の環境教育事業で、市内の小学校が西山及びその周辺での環境教育を企画・実施しました。実施にあたっては、西山森林整備推進協議会に参画するボランティアの皆さんに、自然観察や工作のお手伝いをしていただきました。
- 神足小学校は、学校で育てたドングリの苗木をキャンプ場周辺に植え戻す活動を行いました。また、次年度以降に植え戻すために、どんぐりの木の実を拾い、拾ったドングリを学校に持ち帰り、苗木を育てる活動にも取り組んでいます。
- 小学校の新任教員を対象に、学校での西山環境学習に活かしてもらうためのオリエンテーションを行いました。
ドングリ苗の植樹
その他
・西山森林整備推進協議会が「緑化推進運動功労者内閣総理大臣表彰」を受賞しました。